サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
教会の1件は無事に解決した。
アーシアさん、改め、アーシア先輩は、どうやら教会の奴らの事を心配していたらしい。
どんなに酷い目に遭ったとしても、自分を拾ってくれた相手。
だからこそ、多少の恩義を感じているらしい。
そんな彼女に対して、俺の答えとしては。
「罪を償わせる為に、刑を受けている。それは、罪を正面から向き合わせる為に行っている事だ。故に、アーシア先輩が心配する必要はない」
実際に、奴らはそれだけの罪を背負った。ならば、その罪を償う為の行動は必要である。
最初こそは、少しだけ戸惑いを見せるアーシア先輩だったが、それで納得したように頷いてくれた。
さて、そこまでは良かったのだが。
「これは一体、どういう事なんだ」
その日、俺はオカルト研究部に遊びに行っていた。
というのも、リアス先輩以外にも、この土地を管理している人物がいると聞いたので、挨拶をしようと訪れた。
だが、そこには、どういう訳だが、明らかに部外者だと思われる人物がいる。
「なぜ、人間がここにいる?」
そこにはホストを思わせる格好をした男がいた。
なぜ、ここにいるのか、疑問に思ったのだが、どうでも良い。
「なぜって、リアス先輩に用事があって来た?そちらは?」
俺が疑問に思っていると、他にも見た事のない人物として、銀髪のメイドの人がいた。
「えっと、あんたは?」
「私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。以後お見知りおきを」
「これはご丁寧に、どうも。俺は唯我太郎!いずれ、王となる男だ」
「王だと、まさか、頭が可笑しい奴がいるとはな」
そう、ホスト風の奴はこちらを笑っている。
まぁ、別に、俺の夢を、どこの誰も知らない奴に笑われようとどうでも良い。
だが、俺の名乗りを聞くと、グレイフィアさんは。
「・・・再度、お尋ねしますが、唯我太郎様ですね」
「あぁ、その通り!あれ、どっかで会った事はあったか?」
「いえ、ただ、噂で」
「噂だと?」
そう、俺の事を知っている様子の、グレイフィアさん。
「まぁ、俺の事など、今は関係ない。それよりもそこにいる男の方だろう」
「この方はライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます。そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます……リアスお嬢様の婚約者であるということです」
「ふぅん」
そう、俺はあまり興味のないように頷く。
「婚約者か、リアス先輩、例え婚約者でもあまり部外者は連れてこない方が良いぞ」
「勝手に来たのよ、むしろ迷惑しているわ」
「なるほど、それは厄介な事になりましたね」
「本当に」
俺の言葉に対して、リアス先輩は頭を抱える。
「いい加減にして頂戴! ライザー! 前にも言ったはずよ! 私はあなたと結婚なんてしないわ!」
「ああ、以前にも聞いたよ。だが、リアス、そういうわけにはいかないだろう? 君の所のお家事情は意外に切羽詰まっていると思うんだが?」
「余計なお世話だわ! 私が次期当主である以上、婿の相手ぐらい自分で決めるつもりよ! 父も兄も一族の者も皆急ぎすぎるわ! 当初の話では、私が人間界の大学を出るまでは自由にさせてくれるはずだった!」
「その通りだ。君は基本的に自由だよ。大学に行ってもいいし、下僕も好きにしたらいい。だが、君のお父様もサーゼクス様も心配なんだよ。お家断絶が怖いのさ。ただでさえ、先の戦争で純血の悪魔が大勢亡くなった。戦争は終わったとはいえ、堕天使、神陣営とも均衡状態。奴らとのくだらない小競り合いで純血悪魔の跡取りが殺されてお家断絶したなんて話もないわけじゃない。純血であり、上級悪魔のお家同士がくっつくのはこれからの悪魔情勢を思えば当然だ。純血の上級悪魔。その新生児が貴重なことは君だって知らないわけじゃないだろう?」
「ふむ、それと結婚を早めるのに、何の関係があるんだ?」
そう、彼らが話している間に、俺はそのまま遮る。
「貴様、どういうつもりだ」
「だから、言っただろ、疑問を。王となる男の言葉だからな。故に、血が大切だとは言うが、それは結婚を早める理由にはならない。むしろ約束を無視するような行動は、貴族としてはどうなんだ?」
「ほぅ、悪魔の事に口を挟むのか、ならば」
その言葉と共に、ライザーの奴は炎を出す。
「フェニックスに対して、挑戦をする。そういう事で良いんだな」
そう、こちらに殺気を向ける。
だが。
「止めておけ、俺は別に争うつもりはない。それに殺気をあまり向けない方が良いぞ」
「何を言っているんだ、貴様」
「王に向かって、殺すような真似をしたら、家臣が黙っていない。そう言っているだけだ。だからこそ、滅。そういう事は止めろ」
俺の言葉に、何を言っているのか、疑問に思うライザー。
だが、周囲は、その意味を理解していた。
「なに?」
見ると、ライザーはようやく、その背後に立っている人物に気づく。
そこには日本刀を持った滅が、そのまま構えていた。
「太郎、お前は悪意に対して寛大過ぎないか」
「この程度で怒る訳にはいかないだろ。それに、滅。それはやり過ぎだ」
「・・・そうか、では失礼したな」
それだけ言い、滅は日本刀を仕舞う。
「貴様、何の真似だ」
「何の真似?王が殺されそうになった。家臣として、それを守るのは当然だろう」
そう、滅は呟く。
「貴様ら」
その言葉と共にライザーは、俺と滅に殺気を向けている。
次回の王は
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