サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「いやぁ、さすがは我が弟子じゃないか。まさか、こっちの世界でもなかなかに面白い状況になるとはな」
笑みを浮かべながら、自宅の椅子に座りながら、目の前にいる少女は紅茶を優雅に飲む。そしてテーブルに置いてあった菓子に手を伸ばし頬張りながらそういった。
「まぁ、実際に俺としても色々と衝撃的だったから、戸惑いはありますよ師匠」
そうしあんがら、俺は師匠こと、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテに紅茶を入れた。
彼女は俺が契約したサーヴァントであり、同時に俺の師匠でもでもあった。
ライネスの顔が興奮気味に輝いている。普段は冷静沈着な彼女にしては珍しい様子だった。
「まさか私がいない間に堕天使と戦って正体をバラすとは! まったく想像以上の展開じゃないか!」
「……俺だって好きでバラしたわけじゃないんですけど」
弁解するもライネスは耳を貸さず、むしろ大喜びで続きを促してきた。
「それで? その悪魔たちはどうなんだい? 君の『王様計画』には使える連中なのか?」
ライネスが悪戯っぽく目を細めながら聞いてくる。
「王様計画って、なんですか」
「我が弟子を王にして、私が面白おかしく操るっていう人生設計だが?」
「却下します」
「却下は許さんぞ、君は私の弟子だからな?」
そう言って笑う彼女にいつも道理ではある。
ただし。
「まっそういう冗談は置いておくとして」
ライネスは優雅にカップを持ち上げると一口啜り、
「……君の話をまとめるとこういうことか?私達の世界でも存在しているかどうかあやふやだった存在は実際に存在していた」
「・・・リアス先輩達は確かに悪魔で、俺達が戦ったのは堕天使です」
「あぁ、それは既に疑いようのない事実ですね」
だが。
「君も疑問に思っている事を当てよう。なぜ、そこまで人間に積極的に関わっているのか」その指摘に対して、俺は頷く。
「彼らについて、我々はあまりにも知らなすぎる。だからこそ、考える上では」
「Why done it」
なぜ、そうしたのか。
「あぁ、そうだ。悪魔はなぜ人間を守る必要があるのか。人間が家畜を守るようにするのか。だが、君から聞いたリアス・グレモリーの人物像や、元人間だと思われる悪魔がいる事から、ある程度は推測できる」
「・・・つまり」
「あくまでも仮説だがな。その辺りについては本人に聞いた方が早いだろうが」
「会いに行くのですか」
「もちろんだよ。その上で判断するとしよう」
彼女は自信ありげに微笑んだ。
「まず悪魔側の事情を把握しないとな。もちろん情報収集が主目的だがね。ついでに言えば……彼らが本当に信用に値するか確かめる必要もある」
ライネスは机の上の書類を整理しながら言った。
「もし彼らが危険な思想を持っていれば、君の『王道』にも支障が出るだろうしね」
「師匠が言うとすごくシャレにならないんですが」
「褒め言葉として受け取っておこう」
クスクス笑いながらライネスは席を立つと、窓際に向かい外を見た。
「とにかく情報収集だ。敵か味方か判別できないまま飛び込むほど私は愚かじゃないさ。ただ……」
彼女が振り返る。
「今回に関しては私も多少は期待しているぞ。新たな出会いというのは案外面白いものだからな」
その顔には珍しく柔らかな笑みが浮かんでいた。
俺は苦笑いを浮かべつつも同意するしかない。
(結局この人も楽しみたいだけなんだろうなぁ)
しかしライネスの言葉には嘘がないことも分かっている。
彼女が言うように未知との遭遇というものは魅力的なのだ。
「分かりました。明日リアス先輩に会ってきます」
「ならば、私も行こう。悪魔との取引などなかなかに出来ない体験だからな」
そうして、意地の悪い笑みを浮かべるのであった。
次回の王は
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妖怪王
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怪獣王
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幻想王