サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「師匠、その格好は一体」
俺は、リアス先輩達に詳しい事情を聞く為に彼らがいるとされる部室へと向かっていた。
師匠が何やら準備があると言っていたが。
「ふふっ、なかなかに似合っているとは思わないかい、我が弟子」
そこには、俺と同じ駒王学園の女子制服を身に纏っている師匠がいた。
なぜ、師匠がそんな格好をしているのか、疑問だが。
「もしかして、師匠が言っていた準備って」
「それもあるがね、我が弟子、そもそも私達がこれから向かう場所がどこかという自覚はあるんだろうね」
「分かっていますよ、俺達にとっては未知の相手だ」
師匠の言葉に対して、俺もまた頷く。
「そうだ、相手がどのような事を企むか分からない未知の相手だ。いきなりこちらに力で屈服させる事も、催眠を行い従えさせる事もある」
「そうならない為に、師匠の魔術を行うと」
「正解だ。まぁ本来であれば必要ないんだけどね」
「そうですか?」
「私の魔術であれば簡単に防げる程度だが、それでも君に影響がない保証はないからね」
そうして、師匠が行う認識阻害魔術により、俺達は生徒として旧校舎へと侵入する事に成功する。
「それにしても」
「なにかありましたか?」
師匠が何やら考え込む様子であったが。
「いや、まさか悪魔がこのような学校を経営しているとはな」
「・・・」
ライネスは愉快そうに笑っている。
「君も知っての通り、私自身、このような学校には通った事がなくてね。こうして仮の身分とはいえ、一緒に学園生活を送れるのは、実は楽しみにしていたのだよ」
「実際には、授業も受けていませんがね」
「そう意地悪を言わないでくれたまえ」
そんなことを思いつつ俺たちは目的の部屋—オカルト研究部の扉の前に立った。
「さてと、行くとするか」
ライネスがノックもせずドアを開ける。流石に俺も慌てて後ろに控えた。
室内には紅い髪の女性—リアス・グレモリー先輩とその眷属たちが勢ぞろいしていた。
先日の教会での一件以来なので久々の再会となる。
「あら、唯我くん?それに……誰かしら?新しい生徒?」
リアス先輩が微笑みかけてくる。他のメンバーも警戒しつつも友好的だ。
だが次の瞬間だった。
「なんだ、人間か、邪魔だな」
「ライザーっ」
突如として室内に炎が襲い掛かる。金髪の派手な衣装をまとった男が嘲笑うように俺たちを見下ろしていた。
「!」
ライネスが素早く水銀の盾を展開。トリムマウが形成された瞬間、炎の奔流を受け止める金属音が響く。
「あっぶねっ!!」
俺はとっさに腰を落とし回避。だが間一髪だった。
「ふん……避けるとは生意気な」
金髪男が不機嫌そうに舌打ちする。リアス先輩が慌てて割って入った。
「ちょっと待ちなさいライザーッ!どうして彼らに攻撃するの!?」
「何、この場所に人間がいきなり来たんだ。警戒するのは当然だろう」
「なるほどなるほど、そのような事をされたら、私としてもかなり困るのだがな」
「っ」
炎を放ったと思われる金髪の男性は驚きを隠せない様子だった。
同時に、その身体が動かない事に気づく。
「なっ」
奴は驚きの表情を隠せない様子だった。
それは、俺と師匠の周囲が、水銀の鎖によって固められているからだ。
「トリムマウによる迎撃装置さ。意外と便利なんだよこれが」
ライネスは余裕綽々といった様子で片手を振るいながら言った。
「何者だ?」
「自己紹介の時間を作るぐらいには余裕があるみたいだね。では改めて挨拶しよう」
ライネスは華麗に一礼し、名乗った。
「私はライダー、君達が知るアヴェンジャーと同じく彼、唯我太郎に仕えし者の1人にして、彼の師匠を務めている者さ」
「アヴェンジャーよりは大人しそうだが」
「まぁ、彼女は感情的になりやすい所があるからね。かなり分かりやすい性格をしている。最も」
それと同時にライザーは、その場で倒れる。
「えっ」
「私もまた、我が弟子に攻撃を行う者には容赦するつもりはないがね」
そうして、師匠は呟く。
「ライダー様、それ以上は」
すると、そこには、ここまで静観していたと思われる人物が現れる。
身に纏っている衣服からメイドである事は一目で分かるが、この場にいる誰よりも強い事が一目で理解出来る。
「ふむ、これは失礼。だが、私としては我が弟子にこれ以上の危害を加えない事を約束してくれないと困るのだがね」
「・・・それに関しては、私が責任をもって伝えましょう」
その言葉にライネスは納得したように水銀の鎖を解除し、同時に部屋の温度も正常に戻っていく。ただ一人だけ苦しそうに喘いでいる金髪男を除いては。
「ふうっ……」
俺は大きく息を吐くと汗を拭う。一瞬の出来事だったとはいえ精神的にはかなり堪えた。
「ありがとうございますライダー様。おかげで助かりました」
「礼には及ばんさ。それにしても……」
ライネスがチラリと倒れた男を見る。
「面白い奴だ。悪魔にしては随分と血の気が多いようだ」
「申し訳ありません。ですがこの方は……」
そう言って立ち上がったのは赤髪の美女—リアス・グレモリー先輩だった。
「・・・私の婚約者となっているライザー・フェニックス。最も、今日、来るのは私も初耳だったけどね」
「なるほど、悪魔同士の婚約、いや貴族同士の騒動という訳か」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王