サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
ライザーが床に崩れ落ちた瞬間、部屋の空気が凍りついた。
「まったく……無礼にもほどがありますわ」
リアス先輩が腕を組み、冷たい目でライザーを見下ろす。金髪の青年は悔しそうに唇を噛み締めていた。
「どうやらこの男は貴方の婚約者らしいね?」
ライネスが平然と尋ねると、リアス先輩は深いため息をつく。
「ええ……形式的にはそうなるわ。でも私は承諾していない」
「ほう?」
「ライザー家と我がグレモリー家との政略結婚よ。両親が決めたことで私には選択肢がないの」
リアス先輩の瞳に複雑な感情が映る。義務感と抵抗感が入り混じったような表情だ。
「なるほど……まさに古臭い貴族の因習というわけだ」
ライネスが興味深そうに笑みを浮かべる。
「それで、貴方はどう考えているのかな?」
「私は……」
リアス先輩の言葉が途切れる。一瞬迷いを見せたが、すぐに強い意志で続けた。
「私は自分の将来を自分で決めたい。親が決めた縁談になど従うつもりはないわ」
「素晴らしい」
ライネスが拍手する。
「自由意志を尊重するとは結構なことだ。まさに我々の価値観と共通しているな」
そこにライザーが咳払いをしながら立ち上がる。
「おいおい、勝手なことを言うんじゃない。これは悪魔社会のルールだぞ?」
「・・・その1件もあり、両者には、レーティング・ゲームを行って貰います」
「レーティング・ゲーム?」
「悪魔の駒がチェスの駒に見立てて作られていることと、上級悪魔の間で自分たちの眷属を比べ合うことが頻発したことから生まれた競技です。だからこそ、貴族の多くは子供を集める事も多いのですが」
グレイフィアさんの説明に納得がいった。
「そしてこの勝負でライザー・フェニックスに勝てれば婚約破棄。負ければ即婚姻……というのが条件ね」
「ふむ……つまり貴族同士の政略結婚をスポーツで解決するとは合理的だな。実に効率的だ」
ライネスは面白そうに笑みを浮かべている。
(師匠?)
俺が不安になって師匠に視線を送ると彼女は小さくウインクして答えた。
「どうせなら楽しむべきだろう?こんなチャンス滅多にないぞ」
「・・・・・・」
確かにその通りなのかもしれない。しかし相手はフェニックス家の御曹司だ。並の力じゃ太刀打ちできまい……
「リアス先輩……」
「何?」
「もし良かったら俺と師匠に……助っ人に入ってもらえませんか?」
「っ⁉」
「⁉」
「……どういうことです?」
リアス先輩の目が丸くなる。他のメンバーも数秒遅れて俺の申し出に戸惑っているようだった。
「いやだって……負けたら即結婚でしょう?」
「……そうだけど」
「だったら絶対負けられない戦いですよね?それに、向こうよりもこっちは数が少ないように見えるし」
そう言って俺が周りを見回すと全員がそれを理解しているようだ。
「・・・良いだろう」
「ライザー」
「そこにいる小娘には敗北を味わせてやりたいと思っていたところだ。この勝負受けてもいいだろう」
「っ‼」
それが、既にレーティング・ゲームの参戦が確定する言葉であった。
(それで、師匠)
その最中、俺は師匠に確認する。
(どうかしたかね、我が弟子)
(一応聞きますが、ライザー側に付かなくてよかったんですか)
ライネスが少し考え込む仕草をしたあと答えた。
(もちろんだ。なぜ私がライザーのような男の肩を持つ必要がある?)
(まぁ、ですね)
(何より、まず第一に)
彼女は腕を組んで胸を張る。小さな体躯ながら威圧感を感じさせた。
(あのような軽薄な男は私の趣味じゃない。見るだけで虫酸が走るわ)
次回の王は
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妖怪王
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幻想王