サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
炎が轟音と共に放たれる。熱波が肌を焼く寸前で、灰髪の少女――グレイが滑るように後退した。
「一体っ何が起きているんだっ!!」
それは、ライザーにとっては不可解な出来事だろう。
フェニックスの特性である不死身がまるで発動しない。
それは、彼にとっては理解出来ないだろう。
「この鎌は、元々は霊的存在と戦う為の武器であり、その特性は魔力を吸収する事」
そう、グレイは淡々と言う。
最も、それはアッドの本来の姿を隠す為の機能の一つではあるが。
「魔力を吸うって」
「そう、あなたの事はライダーさんから聞いています。あなたが再生する際には、悪魔である以上は魔力が必要、つまりは」
そう、グレイは構える。
「この鎌には、あなたは勝てない」
「クソッ!舐めるなっ!」
ライザーが叫びながら拳を振り上げる。炎が宿ったその拳がグレイ目掛けて放たれた。
しかしグレイはそれを軽く躱し、後方に跳躍した。
「あなたの攻撃はすべて見切れている。それに……」
グレイが小さく呟くと同時に右手に握られた鎌が一閃し、ライザーの左肩を深く切り裂いた。
「ぐああっ!!」
ライザーが苦痛に顔を歪める。傷口からは鮮血が噴き出し、通常ならばすぐに塞がるはずのその傷口は一向に治癒する気配を見せない。
「何故だっ!こんな戦いにっ俺はっ」
ライザーの叫び声が響く。太郎は冷静に分析しながら答えた。
「これまで、お前はその不死性で勝ってきた。故に、その不死性しか、お前にはないんだよ」
「クソッ!ならば距離を取って炎で焼き尽くせばいいだけだ!」
ライザーは距離を取りながら炎弾を次々と放つ。しかしグレイはそれを全て回避し続け、隙を見て一気に接近する。
「遅いです」
グレイの一撃がライザーの腹部を貫いた。その衝撃でライザーは吹き飛び壁に激突する。
「がはっ……!」
ライザーが吐血しながら膝をつく。一方でグレイは冷静に歩み寄りながら言った。
「どうします、これ以上、続けますか」
そうして、グレイの言葉。
ライザーの精神は完全に折れていた。
「もう……やめてくれ……」
震える声で懇願するライザー。彼の顔には恐怖の色が濃く刻まれている。これまで幾度となく不死身の力で敵を圧倒してきた彼にとって、自分の不死性が封じられた状況は初めての経験だった。
「勝負あり」
グレイは静かに告げる。
その言葉を聞いた途端、ライザーは意識を失いその場に倒れ込んだ。
「ライザーが戦闘不能になったため、リアス・グレモリー側の勝利となります」
突然虚空から声が響き、周囲の景色が揺らぐ。幻影の教室が消え去り、一同は元のレーティング・ゲーム会場に戻されていた。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王