サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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姫君と婚約騒動 Ⅸ

「今のは……」

 

リアス先輩が呆然とつぶやく。ライザーが消え去った場所を凝視したまま。

 

俺も正直驚いていた。グレイが消え、代わりにライネス師匠が立っている。さっきまでの灰髪の少女はどこへ行ったんだ?

 

「ライダーさん、あなた一体何者なんですか?」

 

姫島さんがおそるおそる尋ねる。木場も兵藤も小猫ちゃんもアーシアも、全員が同じ思いを抱いているらしい。

 

「おやおや、せっかく勝利したのに、その喜びが微塵もないとは」

 

師匠はわざとらしく肩をすくめる。フードの下でニヤリと笑ってるのがわかる。

 

「まさか、あのライダーとかいう少女があなたの変装?」

 

リアス先輩が核心を突く。俺も同じことを思っていた。でもライネス師匠はそんな単純な魔法を使える人じゃない。

 

「変装ねぇ。そう見えても不思議じゃないが、私には違う見え方がする。彼女は私の友人だよ」

 

「友人、けれど、レーティング・ゲーム中に外部との交代は不可能なはず」

 

「ルールには違反していないさ。なんだって、それこそマスターの力だからね」

 

「太郎君の?」

 

そうして、俺の方に視線が集まった。

 

「まぁ、色々と裏技でしたからね、使うのにも条件があるから」

 

先程まで、俺が行ったのはオーダー・チェンジ。

 

グランドオーダーを行っていた時に多様していた魔術の一つ。

 

それは、前線に出ているサーヴァントと後方で待機しているサーヴァントを瞬時に入れ替える事が出来る。

 

令呪を使った瞬間移動に近く、カルデアのバックアップがなければ多様する事が出来ない魔術だ。

 

さらに、今回の場合は、師匠を媒介にする事で、師匠と深い縁のあるサーヴァントと一時的に交代する事が出来る。

 

つまり、ライネス師匠をグレイというサーヴァントの依り代にしている。

 

「とにかく」

 

師匠は軽やかに笑う。

 

「今回の勝利は諸君らの努力と連携があってこそ。私はちょっとした後押しをしたに過ぎない」

 

「ちょっとした……?あの子が『フェニックスの天敵』だったなんて……」

 

リアス先輩が戦慄した声で言う。

 

「天敵か、まぁ相性は最悪だったし、実際にあれはまだまだ本領を発揮していないからな」

 

『だろうな』

 

そう、俺達が話していると、聞こえて来たのは聞き覚えのない声。

 

見てみると、そこには兵藤の腕にある赤い籠手から。

 

「おやおや、これは興味深い。まさか、籠手が喋るとはねぇ」

 

師匠も、面白そうに見つめる。

 

だが、その最中で赤い籠手はそのまま問いかける。

 

『まぁ、俺もこんな身体になって、長い年月が経ったからな。だからこそ理解と同時に疑問がある』

 

「疑問か?それは一体?」

 

『そこにいるお嬢ちゃんと前回のアヴェンジャーを含めて、人間に近いが人間と限りなく遠い存在。まるで幽霊のような気配をする』

 

「幽霊か、まぁ当たっているとだけ言っておこうか」

 

師匠は、赤い籠手からの回答に対して、あっさりと答える。

 

その答えを聞くと、周囲は驚いたように眼を見開く。

 

「ゆっ幽霊って、こんなにはっきりとしているのに」

 

『それが、そこにいる小僧がマスターと呼ばれている理由だろう。だが、そのような神器は一つしかない』

 

「ほぅ、それは」

 

『幽世の聖杯、それがその小僧の神器か』

 

「「全然違うぞ」」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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