サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「今のは……」
リアス先輩が呆然とつぶやく。ライザーが消え去った場所を凝視したまま。
俺も正直驚いていた。グレイが消え、代わりにライネス師匠が立っている。さっきまでの灰髪の少女はどこへ行ったんだ?
「ライダーさん、あなた一体何者なんですか?」
姫島さんがおそるおそる尋ねる。木場も兵藤も小猫ちゃんもアーシアも、全員が同じ思いを抱いているらしい。
「おやおや、せっかく勝利したのに、その喜びが微塵もないとは」
師匠はわざとらしく肩をすくめる。フードの下でニヤリと笑ってるのがわかる。
「まさか、あのライダーとかいう少女があなたの変装?」
リアス先輩が核心を突く。俺も同じことを思っていた。でもライネス師匠はそんな単純な魔法を使える人じゃない。
「変装ねぇ。そう見えても不思議じゃないが、私には違う見え方がする。彼女は私の友人だよ」
「友人、けれど、レーティング・ゲーム中に外部との交代は不可能なはず」
「ルールには違反していないさ。なんだって、それこそマスターの力だからね」
「太郎君の?」
そうして、俺の方に視線が集まった。
「まぁ、色々と裏技でしたからね、使うのにも条件があるから」
先程まで、俺が行ったのはオーダー・チェンジ。
グランドオーダーを行っていた時に多様していた魔術の一つ。
それは、前線に出ているサーヴァントと後方で待機しているサーヴァントを瞬時に入れ替える事が出来る。
令呪を使った瞬間移動に近く、カルデアのバックアップがなければ多様する事が出来ない魔術だ。
さらに、今回の場合は、師匠を媒介にする事で、師匠と深い縁のあるサーヴァントと一時的に交代する事が出来る。
つまり、ライネス師匠をグレイというサーヴァントの依り代にしている。
「とにかく」
師匠は軽やかに笑う。
「今回の勝利は諸君らの努力と連携があってこそ。私はちょっとした後押しをしたに過ぎない」
「ちょっとした……?あの子が『フェニックスの天敵』だったなんて……」
リアス先輩が戦慄した声で言う。
「天敵か、まぁ相性は最悪だったし、実際にあれはまだまだ本領を発揮していないからな」
『だろうな』
そう、俺達が話していると、聞こえて来たのは聞き覚えのない声。
見てみると、そこには兵藤の腕にある赤い籠手から。
「おやおや、これは興味深い。まさか、籠手が喋るとはねぇ」
師匠も、面白そうに見つめる。
だが、その最中で赤い籠手はそのまま問いかける。
『まぁ、俺もこんな身体になって、長い年月が経ったからな。だからこそ理解と同時に疑問がある』
「疑問か?それは一体?」
『そこにいるお嬢ちゃんと前回のアヴェンジャーを含めて、人間に近いが人間と限りなく遠い存在。まるで幽霊のような気配をする』
「幽霊か、まぁ当たっているとだけ言っておこうか」
師匠は、赤い籠手からの回答に対して、あっさりと答える。
その答えを聞くと、周囲は驚いたように眼を見開く。
「ゆっ幽霊って、こんなにはっきりとしているのに」
『それが、そこにいる小僧がマスターと呼ばれている理由だろう。だが、そのような神器は一つしかない』
「ほぅ、それは」
『幽世の聖杯、それがその小僧の神器か』
「「全然違うぞ」」
次回の王は
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