サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
オルガマリーなど、今後も楽しみになるラインナップですね。
そして、ガチャの方も豪華で私は無事に。青崎さんが二回、当たりました。好きですけど。
アルトリアをランサーへと変わると共に、彼女の愛馬であるラムレイが大地を疾走する。まるで嵐のような勢いでコカビエルへと突進するその姿は、まさに神速と言えるだろう。
コカビエルは上空からの奇襲に備え、警戒心を最大限まで高めていたはずだ。
しかし、アルトリアが地上から一直線に突っ込んでくるとは予想外だったに違いない。その表情からは明らかな困惑が見て取れる。
「馬か!? だが、この槍の気配……一体何だというのだ……!」
コカビエルの目に映るアルトリアの槍には、確かに聖なる輝きが宿っていた。だがそれは、単純な聖属性ではない。
しかし、そんな考察をさせる余裕をコカビエルには与えない。アルトリアは容赦なくその槍を操り、一撃必殺の突きを繰り出してくる。
コカビエルも決して愚かではない。彼はその槍の軌道を読み切ろうと、自らの羽を広げて空中に退避しようとする。
だが、その判断が命取りになった。
ラムレイが地を蹴る音は、コカビエルが跳躍した直後に炸裂した。
彼が空中で体制を整える暇もなく、アルトリアの槍は正確無比に彼の腹部を貫こうとしていたのだ。
「ちぃっ!!」
紙一重で回避するコカビエル。だがその表情には明らかに焦りが見え始めていた。
「どうした? 空を舞うだけが能ではないぞ、堕天使」
アルトリアの声には挑発の色が濃厚に含まれている。彼女にとって、このような戦いは日常茶飯事だったのだろう。
コカビエルは舌打ちしながらも冷静さを取り戻そうとしている。
「ふん、たかが馬に乗った女騎士一人で調子に乗るな!」
再び翼を羽ばたかせながら空中へと舞い上がったコカビエルは、今度は高度を取りながら様子を見ようとする。
しかしアルトリアはその瞬間を見逃さなかった。
彼女は自らの愛馬の速度をさらに加速させると同時に、ラムレイから跳躍したのだ。
「なっ!?」
空中で無防備になったコカビエルへ向けて、アルトリアは槍を振り下ろす。
「穿て!」
彼女の咆哮と共に放たれた一撃は、まるで流星のように空を裂いた。
その槍の先端には、今まで感じたこともないほどの強烈な魔力が込められているのがわかる。
コカビエルは慌てて防御結界を張ったようだが——遅い。
槍が命中した瞬間、凄まじい衝撃波が周囲に広がり、空気そのものを震わせるような轟音が鳴り響いた。
爆煙が晴れたとき、そこに立っていたのはもちろん——アルトリアだった。
コカビエルの姿はどこにもない。
しかしすぐに瓦礫の山の中から呻き声が聞こえ始めた。
「……ぐっ……なんという……!」
どうやら完全に倒したわけではないようだ。しかし今のダメージは相当なものだったようで、立ち上がることができずに膝をついている状態だった。
「まだまだこれからだぞ? 私がここで止まるわけがないだろう」
アルトリアは冷たい眼差しでそう宣告する。そして再び槍を構えなおした。その構えには一切の迷いがない。
コカビエルも流石にこのままでは危険だと悟ったのか、逃走準備に入ろうとしているようだ。
だがその動きすら読んでいたかのようにアルトリアは構える。
「マスター!」
「クラスチェンジ、セイバー」
それと共に、アルトリアは再びセイバーへと戻る。
「さて……では終わりにしましょうか」
アルトリアが静かに呟く。その声音は先ほどまでの威勢の良さが嘘のように消え去っていた。代わりに漂うのは底なしの冷徹さだ。
「セイバー、宝具の解放を許可する!」
彼女が俺に向かって呼びかける。その目には確信に満ちた光があった。
「ああ……わかってる。全力で行くぞ」
俺も全身の血が沸騰するような高揚感に包まれる。こんな瞬間を何度味わったことだろう。英霊がその全霊を賭けて放つ宝具の一撃――その解放はいつだって魂を揺さぶるものだ。
アルトリアの右手が漆黒の剣の柄を握る。彼女の指先が微かに震えているように見えた。それも当然だろう。
「『卑王鉄槌』、旭光は反転する。光を呑め・・・」
その詠唱が始まると同時に、彼女の周りに禍々しい紫色の炎が渦巻き始めた。その熱量は離れた位置にいる俺ですら肌で感じ取れるほどだ。空気が歪み、世界そのものが悲鳴を上げているかのような錯覚さえ覚える。
コカビエルもまた本能的に危機を察知したのか、大きく翼を広げて逃げようと試みる。しかしもう遅い。
「約束された勝利の剣!」
アルトリアの咆哮とともに解放された紫の極光が解き放たれた。それは純粋な破壊の奔流だった。空間そのものが捻じ曲がり、次元を超えて押し寄せてくるような圧迫感が俺たちを飲み込む。
その一瞬の景色はまさに神話級の光景と言えるだろう。無数の星々が爆散するような輝きが世界を埋め尽くし、全てを覆い尽くしていく。
俺は思わず目を細めながらもその壮絶な光景を見つめていた。宝具の威力は絶大でありながらもどこか優雅さすら感じる美しさがあった。
そして―――爆風と共にすべてが砕け散った。大地は抉られ、建物は崩壊し、塵一つ残さぬ破壊劇が眼前で繰り広げられた。
それと共に、剣を突き刺す。
戦いの終わりを告げるように。
次回の王は
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