サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
ディハウザーからの依頼を受けた後、俺達のこれからの行動方針が決まった。
「それにしても、卑弥呼の予知は本当に当たったな」
先程の1件。
ディハウザーから貰った現状でも分かる情報。
それらの情報は、おそらくは今後、俺が立ち回る際には重要な情報だと理解出来る。
けれど、それは彼自身の首を絞める事になるかもしれない『王の駒』に関する情報だった。
それを聞くと、ディハウザーは。
『君を信頼して、その依頼をした。そして、この事実が明るみになる事が出来れば、例え俺は死んだとしても、後悔はない。何よりも、君は俺の死で、より多くの者達を救ってくれる気がするからね』
その言葉に嘘はなかった。
俺は、その思いを確かに受け取った。
けれど、事件を調べるには、情報が足りなすぎる。
ディハウザーとの交渉を終え、僕たちは次のステップに進むことにした。クレーリア・ベリアル殺害事件の真相を探る上で欠かせない情報源──それがグレモリー家だった。
事件に関して、詳しい事を調べようと考えていたが、残念ながら、前任者という情報以外はあまり得られなかった。
しかし、リアス先輩自身もまた、急な決定に対して驚きを感じていたらしい。
それはつまり、上層部は、何かを隠したく、あえて無関係な存在に前任者の役割を任せる。それはおかしいと思うが、悪魔達もまた信じてしまったというのが何とも情けない。
結果としては何も得られなかった。しかし、それでも一つだけ確かなことがあった。
クレーリア・ベリアル殺害事件には何か裏があるということだ。
「まぁ、何も得られなかったからって気にすることは無いよ、未来くん」
卑弥呼はニコニコしながら僕の背中を叩いた。
「そうだな」
僕も苦笑しながら頷く。
「それでどうするの?ルーラー?」
卑弥呼は僕の問いかけにキョトンとした表情を浮かべて答えた。
「今日はもう遅いし明日にしよう!」
そうしていたが、ふと、見覚えのある人物が廊下ですれ違った。
「あっ」
「んっ、君は確か?」「あれ、未来クン、知り合い?」
俺は、その人物を知っている。
まぁ、知っているというよりも、ある程度は。
「確か、塔城小猫さんだったよな?」
「はい、そうですね、太郎先輩」
グレモリー眷属の1人である塔城小猫。
彼女と会ったのは、学園祭以来である。
あの時は、互いに事情があったせいで直接話をする機会がなかったんだけど。
「ちょっと用事があってな。小猫ちゃんはどうしたんだ?」
「私は今日の訓練を終えたので帰るところです」
「そうなんだ。ところで最近変わったことはなかったか?」
「特にないですけど……」
彼女は少し困った顔で答えたが、その時ふらりっと倒れそうになった。
俺は、すぐに受け止めた。
「うわっと、大丈夫か」
「・・・大丈夫です。すいません、いきなり倒れそうになって」
そのまま、立ち上がり、どこかへと行こうとした。
その姿は、かなり痛々しい。
すると、卑弥呼は。
「小猫ちゃん小猫ちゃん!」
「はい?」
「私、お腹空いちゃったから、一緒にご飯を食べよう!」
「えっ、いや」
「良いじゃん、丁度お昼だし!いやぁ、こういう屋敷でのご飯って豪華なのか気になる!」
そうしながら、小猫は卑弥呼と共に屋敷に戻っていく。
そして、卑弥呼は小猫を連れていく。
俺は呆然としながら、その後ろ姿を見送るしかなかった。
「全く、勝手すぎるなぁ」
そう呟きつつも内心ほっとした気持ちでいっぱいだ。
卑弥呼の勢いに負けた小猫は、そのまま食事をしていた。
本来ならば、かなり豪華な場所のはずだが、卑弥呼はあまり窮屈な食事を嫌ってか、おにぎりを用意して一緒に食べていた。
「美味しいね、こういうご飯は」
「・・・そうですね」
小猫は、そう呟く。
「うんうん、こういうの良いよね。未来クンは、最近忙しいし、こうやって食べるのは良いかもね」
そうしながら、卑弥呼は食べていた。
しかし、小猫は少しその光景を見ながら呟く。
「ルーラーさんって、いつも明るいんですね」
「えっ、まぁ私にとってはいつもの事だし」
卑弥呼はニッコリと笑う。
「小猫ちゃんももっと笑ったら可愛いくなるかもよ?」
「いえ……私は別に……」
小猫は慌てて首を横に振って拒否する。
しかし卑弥呼は気にせず笑っていた。
そんな様子を遠目に眺めながら俺は一人考える。
(この二人って意外と相性良いんじゃないのか?)
「太郎くんも食べたらいいじゃん?おにぎり。私が握ったやつだけどね」
卑弥呼が差し出してくるので有難く頂戴して一口食べる。
……塩加減がちょうどよく美味しかった。
「うまいなコレ……」
思わず口に出してしまうほどだ。
そんな俺の様子を見ながら卑弥呼は満足そうな表情をしている。
彼女にとって料理を作ることは当たり前のことなのだろう。
小猫も小さく微笑んでいた。
「・・・なんだか、不思議です」
「不思議って、何が?」
「ルーラーさんは、ほとんど違うはずなのに、こうして安心して、まるで姉様のように」
そう、小猫は沈んだ顔をした。
どうやら、彼女の過去に何かあったようだ。
すると、卑弥呼は周囲を見る。
それは、誰も見ていない様子で。
「そうか、お姉さんか、まぁ私には弟だったから、小猫ちゃんとは違うかな」
「弟ですか?」
「そう、賢い弟でね、妹のような子もいたけどね」
そうしながら、小猫の頭を撫でた。
「だから、そう言って貰えると嬉しいよ」
「・・・」
「小猫ちゃんの話を聞かせてよ」
「・・・私の話ですか?」
「うん。私は小猫ちゃんの事はあまり知らない。けれど、未来クンの子は居だし、こうして話すのは楽しいからね」
そんな卑弥呼の言葉に小猫は困惑していた。
けれど、少しずつ、笑みを浮かべていく。
「・・・・・・・・・わかりました」
「うんうん。じゃあ聞かせてほしいな」
卑弥呼の言葉を聞いた瞬間から小猫の口から様々な思い出話が始めた。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王