サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

436 / 705
冥界と巫女 Ⅵ

小猫はゆっくりと話し始めた。

 

「……私は昔、姉と暮らしていました」

 

そう、ゆっくりと話し始める。

 

「私は、猫の妖怪。その中でも最も強い種族、猫魈の生き残り。妖術だけでなく、仙術をも使いこなす上級妖怪の一種でした。だけど」

 

「だけど?」

 

「姉は、ある日、主である悪魔を殺害し逃亡しました。当然、彼女は指名手配され、妹である私も責任を追及されました」

 

小猫は俯きながらそう語った。

 

「そして私はそのまま殺される寸前に……今の主、サーゼクス様に拾われて眷属入りしたんです」

 

そう言いながら小猫は暗い表情を見せた。

 

卑弥呼は頭を撫でながら慰めている。

 

「なるほどねぇ……でもさ小猫ちゃん」

 

「何ですか?」

 

「そんな辛い過去があっても頑張ってきたじゃない。偉いぞー♪」

 

小猫は少し照れ臭そうに微笑んだ。

 

「ありがとうございます。でも私はまだまだ弱いです。他の皆みたいに新しい力も目覚めませんし……」

 

卑弥呼はふと思いついたように口を開いた。

 

「ねぇ小猫ちゃん」

 

「はい?」

 

「君ってさ、猫魈としての力を使いたくないのかな?」

 

小猫は驚いた顔で見た後でゆっくりと頷いた。

 

「はいっ、だって私も姉のように暴走してしまったらと思って」

 

卑弥呼はポンッと肩を叩く。

 

「・・・けどさ、それから何時までも逃げられないよね」

 

「それはっ」

 

卑弥呼の言葉は小猫にとっては鋭かったのかもしれない。

 

「大丈夫。小猫ちゃんならちゃんと乗り越えられるはずだよ」

 

「そんなの、どうやって」

 

そして。

 

「私が、あなたを導きます」

 

すると、卑弥呼は呟く。

 

「……え?」

 

小猫が目を丸くする。

 

卑弥呼は真剣な表情で小猫の両肩を掴んだ。その瞳はいつもの陽気さを忘れ、一点に集中していた。

 

「私はあなたに誓いましょう」

 

「な、何を……?」

 

「この名に賭けて──あなたの妖力を完全に制御させてみせる」

 

周囲の空気が張り詰める。

 

「・・・ルーラー、良いんだな」

 

そう、俺は問いかける。

 

「えぇ、マスター。私は彼女を見て、助けたいと思いました。身勝手だと思いますが」

 

「身勝手?何を言っているんだ、救いたいんだったら、救う。それで良いじゃないか」

 

俺は笑みを浮かべる。

 

「家臣が、そう決めたのなら、王としては尊重するだけだよ。ただ、ルーラーが決めたことならば、全力で支援する」

 

「未来クンは変わらないね。本当にもう、この人は」

 

「・・・」

 

小猫は戸惑いながらも、何か感じるものがあるようだ。

 

「あなたは、一体」

 

それと共に小猫は卑弥呼の名を聞く。

 

そして、卑弥呼は笑みを浮かべる。

 

「ルーラーのサーヴァント。その真名は卑弥呼。必ずあなたの力となる」

 

「えっ」

 

小猫は、その名を聞いて目を見開いた。

 

「卑弥呼って・・・あの?」

 

「うん、日本最古の女王さまで~す」

 

卑弥呼はウインクしながらVサインを作る。

 

「でもでも~?」

 

指を立てて続ける。

 

「私は今、未来クンのサーヴァントだから、小猫ちゃんの味方だよ? だから安心してネ♡」

 

小猫の額に指を当て、卑弥呼はにっこり微笑む。

 

「これからはあなたの師匠だよ。よろしくね、小猫ちゃん!」

 

「し、師匠……!?」

 

小猫の目が泳ぐ。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。