サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
小猫はゆっくりと話し始めた。
「……私は昔、姉と暮らしていました」
そう、ゆっくりと話し始める。
「私は、猫の妖怪。その中でも最も強い種族、猫魈の生き残り。妖術だけでなく、仙術をも使いこなす上級妖怪の一種でした。だけど」
「だけど?」
「姉は、ある日、主である悪魔を殺害し逃亡しました。当然、彼女は指名手配され、妹である私も責任を追及されました」
小猫は俯きながらそう語った。
「そして私はそのまま殺される寸前に……今の主、サーゼクス様に拾われて眷属入りしたんです」
そう言いながら小猫は暗い表情を見せた。
卑弥呼は頭を撫でながら慰めている。
「なるほどねぇ……でもさ小猫ちゃん」
「何ですか?」
「そんな辛い過去があっても頑張ってきたじゃない。偉いぞー♪」
小猫は少し照れ臭そうに微笑んだ。
「ありがとうございます。でも私はまだまだ弱いです。他の皆みたいに新しい力も目覚めませんし……」
卑弥呼はふと思いついたように口を開いた。
「ねぇ小猫ちゃん」
「はい?」
「君ってさ、猫魈としての力を使いたくないのかな?」
小猫は驚いた顔で見た後でゆっくりと頷いた。
「はいっ、だって私も姉のように暴走してしまったらと思って」
卑弥呼はポンッと肩を叩く。
「・・・けどさ、それから何時までも逃げられないよね」
「それはっ」
卑弥呼の言葉は小猫にとっては鋭かったのかもしれない。
「大丈夫。小猫ちゃんならちゃんと乗り越えられるはずだよ」
「そんなの、どうやって」
そして。
「私が、あなたを導きます」
すると、卑弥呼は呟く。
「……え?」
小猫が目を丸くする。
卑弥呼は真剣な表情で小猫の両肩を掴んだ。その瞳はいつもの陽気さを忘れ、一点に集中していた。
「私はあなたに誓いましょう」
「な、何を……?」
「この名に賭けて──あなたの妖力を完全に制御させてみせる」
周囲の空気が張り詰める。
「・・・ルーラー、良いんだな」
そう、俺は問いかける。
「えぇ、マスター。私は彼女を見て、助けたいと思いました。身勝手だと思いますが」
「身勝手?何を言っているんだ、救いたいんだったら、救う。それで良いじゃないか」
俺は笑みを浮かべる。
「家臣が、そう決めたのなら、王としては尊重するだけだよ。ただ、ルーラーが決めたことならば、全力で支援する」
「未来クンは変わらないね。本当にもう、この人は」
「・・・」
小猫は戸惑いながらも、何か感じるものがあるようだ。
「あなたは、一体」
それと共に小猫は卑弥呼の名を聞く。
そして、卑弥呼は笑みを浮かべる。
「ルーラーのサーヴァント。その真名は卑弥呼。必ずあなたの力となる」
「えっ」
小猫は、その名を聞いて目を見開いた。
「卑弥呼って・・・あの?」
「うん、日本最古の女王さまで~す」
卑弥呼はウインクしながらVサインを作る。
「でもでも~?」
指を立てて続ける。
「私は今、未来クンのサーヴァントだから、小猫ちゃんの味方だよ? だから安心してネ♡」
小猫の額に指を当て、卑弥呼はにっこり微笑む。
「これからはあなたの師匠だよ。よろしくね、小猫ちゃん!」
「し、師匠……!?」
小猫の目が泳ぐ。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王