サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
黒歌から、詳しい事情を聞いた。
彼女の話、それは、小猫の過去の話とは確かに同じ部分があった。
ネビロス関係者の研究者であった人間の父と猫又の母との間に生まれるが、父からの愛情を受けずに育ち、幼くして両親と死別。
それから妹を育てるためにネビロス配下であるナベリウス家分家の「上級悪魔」の「眷属悪魔」となった。
だが、その当主が問題だった。
仙術としての才能。
それが、その当主に眼を向けられ、無理矢理、その才能を開花させようとした。
それは、本人の命を無視した行動だった。
だからこそ、黒歌は、それを止める為に、当主を殺した。
それが、主を殺して逃亡した罪でSSランクの「はぐれ悪魔」の黒歌の誕生だ。
「・・・そういう事があったんだにゃ、ただ、この話を聞いて、太郎は信じるかにゃ?」
そうして、問いかけられた話に対して、俺は腕を組みながら少しだけ考える。
「色々と疑問だけど、とりあえず聞きたいが黒歌。そいつに関して、他に詳しい情報は分かるか?分かるんだったら、こっちで色々と調査をしておくが」
「いや、さっきの話でそれを信じるかにゃ?」
「信じるかだと? もちろん信じるさ」
俺は黒歌の金色の瞳をまっすぐ見つめる。
「なぜなら——その目だ」
彼女の猫耳がピンと立つ。
「にゃ? 目……?」
その言葉に黒歌は一瞬、驚く。
「俺って、結構色々な人を見ているんだ。それで、黒歌の眼は、自分が悪いと思って悪ぶっている奴に近いんだ。本当は助けて欲しいって泣いている奴の顔と同じなんだよ」
「・・・えっ」
そうして、俺は説明する。
「まぁ、何よりも黒歌を信じたい。今は、それだけかな」
そう言うと、黒歌は本当に驚いたように見る。
「はぁ、太郎に嘘を言っても、どうせいつかばれてしまうから言うけど、私、今は太郎と敵対している組織のメンバーにゃ」
「そうか」
「それで、当初は白音が狙われないように、連れて行くつもりだったけど、まさか太郎がいて、しかもあんな強い奴がいるのは、本当に想定外にゃ」
「・・・・・・まぁ、そうだよね」
俺は頷きながら応じる。
「・・・だからこそ、太郎に聞くけど、あの女。本当に白音を任せても良い程の強さを持つかにゃ」
そう、1人の姉としての心配なのだろう。だが、俺の答えは決まっていた。
「あぁ。俺が保証する」
俺の目は嘘偽りない真剣さを宿していた。
「・・・だったら、少し見させて貰うにゃ」
「見せて貰うというのは、ルーラーの事か?」
すると、黒歌は頷く。
俺もそれに答えるように向かう。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王