サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
クレーリア・ベリアルが死亡したと思われる森に到着した。夜の帳が降りた森は異様な静けさに包まれている。木々のざわめきさえも不吉な雰囲気を醸し出していた。
「ここが例の現場か……」
俺は周囲を見回しながら呟く。地面には枯葉が積もり、足跡は残っていない。徐福は霊符を取り出し、指先で複雑な模様を描き始めた。
「マスター、準備できたよ」
「了解。じゃあ魔力を流すぞ」
俺が左手の令呪に意識を集中すると、魔力が血管を通って指先から流れ出ていく。徐福の霊符が淡い青白い光を放ち始めた。
「うぅん……これは厄介だね」
徐福が眉をひそめる。
「残留思念が濃すぎる。死者の怨念と……誰かが故意に霊気を操った形跡がある」
「つまりクレーリア以外の存在が関わってるってことか?」
「少なくとも三人以上の術者が絡んでるよぉ、けどねぇ」
「けど?」
「……この場所からはっきりと感じる。少なくとも三人の術者の介入を」
徐福の霊符が青白い光を放ちながら、空中に複雑な紋様を描き出していた。古代中国の文字と象形が交錯する図形が、森の薄闇の中で浮かび上がっている。
「具体的には?」
俺は身を乗り出した。
「悪魔と天使が協力してるって言うんだったら、それはおかしいだろ?」
「まぁね、けれど、私が嘘をついているとでも?」
徐福はため息をつきながら振り返った。
「現在は三大勢力休戦期。表向きは和平プロセスが始まってることになってる。けど、それが始まったのはつい最近」
そう、俺は思わず頷く。
「だからこそおかしいんだよ。まだ表向きは和平のための協議が続く時期。そんなタイミングで悪魔と天使が協力関係にあるなんて」
「確かに矛盾してるねえ」
徐福は地面に膝をつき、落ち葉を払って土の表面を確認し始めた。
「マスター。君の言う通り矛盾してる。だけど、現実はこれよ」
「つまり……裏切りか内通か……あるいはもっと大きな目的がある……?」
俺は思考を巡らせる。
「・・・つまりは、本来は三大勢力の敵対関係だとしても、彼女を殺さなきゃいけない理由があった」
俺の推測を徐福は肯定するように頷く。
「だからこそ、これは悪魔側だけではなく、天使側でも情報を集めなきゃいけないか」
腕を組んでいる時。
徐福から軽くこちらに迫る存在がいる事を伝えられる。
「マスター」
徐福が突然声を落とした。
「来るよ」
「誰がだ?」
「軽い……本当に軽い感じの気配だねぇ、どうする?」
その言葉に対して、俺は。
「とりあえず、逃げるか、ここで見つかると面倒だからな」
「了解、一応撤退の準備はしていたけどねぇ」
その言葉と共に、徐福は札を投げ捨てる。
すると、徐福と俺はそのまま消え去った。
それは転移であり、俺達はその場から消え去る。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王