サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
空気が変わる瞬間だった。
「はぁ……まったく」
ジャンヌ・オルタが溜息と共に左手を掲げる。紅蓮の炎が螺旋を描きながら渦巻き始め、まるで生き物のように蠢く。
「マスターのご命令通り――灰にしてあげるわ」
瞬間、眼下の会場が鮮烈な朱に染まった。
業火の柱が禍の団兵士たちを貫く。
鉄塔のような炎が建物ごと敵集団を溶かし尽くす。焼け焦げた金属の匂いが鼻を突く。
「先程のは、まさか」
「全く、面倒な事になっているわね」
そうしながら、ジャンヌ・オルタは、かなり不機嫌な声で呟く。
ジャンヌ・オルタが放った炎柱の轟音が収まった後、静寂が訪れた会場で俺達に視線が集中する。
「太郎、その子は……?」
合流が出来たリアスさん達の目線は、俺の後ろに何時の間にか隠れている徐福を見る。
「あぁ、こっちはアルターエゴ、名前はまぁ秘密で」
そうしていると、徐福が、怯えた様子で後ろに隠れる。
「うぅ……」
ジャンヌ・オルタはその姿を見て冷たく笑う。
「相変わらずの臆病者ね。まあいいわ、あなたもさっさと働いてちょうだい」
「うるさいなぁ、こっちはこっちで色々と忙しいんだから」
ジャンヌ・オルタと徐福は俺を挟んで睨み合う。
「まったく、面倒な連中ばかりよ。マスターのせいよ?」
「はいはい、すみません」
俺は適当に返事しながら周囲を見渡す。
「そういえば、そっちは大丈夫だったか?」
「・・・アーシアが攫われたわ」
「・・・そう」
それだけ聞くと、ジャンヌ・オルタはかなり不機嫌になった。
「まぁ、さっきの話を聞く限りだと、あのクソ野郎のせいで教会を追い出されたって事で良いのよね」
「えぇ、その通りよ」
「ふぅん」
それを聞くとジャンヌ・オルタはかなり怒っている様子。
「転移だよ」
徐福が宙に指を滑らせた瞬間、俺達の周りの景色が歪んだ。
次元の狭間を裂くような波動が広がり、視界が一瞬で切り替わる。
暗い礼拝堂のような場所――埃っぽい石壁と崩れかけた祭壇が視界に飛び込んできた。
「うわっ!?」
兵藤が驚愕の声を上げる。転移慣れしていない奴らにとってはさぞ混乱だろう。
一方、ジャンヌ・オルタは既に戦闘態勢だ。その視線の先には――呆けた表情の青年が立っていた。
ディオドラ・アスタロトだ。
「ふふん、見つけたわよ」
ジャンヌ・オルタの声は氷のように冷たく響いた。黄金の瞳が細められ、唇が歪む。
次の瞬間、彼女の右拳が閃光のように唸った!
バキッ!
乾いた骨の砕ける音と共にディオドラの体が吹き飛ぶ。背後の石壁に激突し、粉塵を上げながら崩れ落ちる。
「・・・一撃で」
「何か?」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王