サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「あいつマジで弱すぎない?」
「当たり前でしょ。こんな雑魚、この場の誰だって倒せるわよ?」
ジャンヌ・オルタが唾棄するように言った瞬間、彼女の靴先が倒れたディオドラの脇腹を軽く抉る。
「ぐぼぉっ!?」
情けない呻き声と共に胃液が吐き出される。こいつ本当に悪魔なのか?
「おいアヴェンジャー、やりすぎだろ。あとで医療班呼ぶ身にもなれよ」
「ふん、どうせマスターが勝手に治すんでしょ?」
確かにそのつもりだったが、ジャンヌ・オルタの容赦なさが問題だ。
ふと奥の祭壇に目をやると、巨大な円形の魔法陣が展開されていた。その中央――十字架のような台座に磔にされた少女が見える。
「アーシア!」
兵藤がすぐに駆け寄る。
けれど。
「はい、ストップねぇ」
「うわぁ、何をするんだ」
助けだそうとする彼を、徐福が転ばせて、止めた。
「こんな、明らかに分かりやすい所に人質がいるんだから、何か罠を張っている可能性があるでしょうか」
それに対して、リアスさんも同意する。
「確かにその可能性はあるわね」
「罠ってどういうことだよ!」
兵藤が憤慨するが、ジャンヌ・オルタが涼しい顔で首を振る。
「そこの魔術師の言う通りよ。こんなの典型的な人質トラップでしょ」
「えぇぇ……」
兵藤が泣きそうになっている。そりゃそうなる。
その様子を見て徐福がため息交じりに手を挙げた。
「アルターエゴ解析モード」
突如、彼女の額から青白い光が漏れ出す。眼鏡をかけたような幻影が浮かび、そのレンズ越しにアーシアを拘束する鎖を見据える。
「うわぁ……これ完全にマジモンの呪い系罠だねぇ」
「どういうこと?」
「あの鎖さぁ、神器の封印じゃなくて逆転装置なの。要するに――アーシアちゃんの治癒能力を奪って増幅反転するタイプ」
徐福の説明に全員が息を飲む。
「つまり、発動条件は?」
俺の問いに徐福が肩を竦めた。
「ディオドラか共犯者の合図。もしくは――あいつが“敗北”する場合かなぁ」
全員の視線が一斉にジャンヌ・オルタへ向けられる。
「えっ」
「アヴェンジャーさんや……お前さっきの一撃でフラグ立てちゃったか?」
「さぁね、けれどあいつが戦っていたのはあんたらでしょ。だったら、部外者の私達は問題なしよ」
ジャンヌ・オルタが悪びれない態度で応じる。
「まぁ、未だに爆発していないという事は、時間差ってところね」
そうしていると、徐福が言う。
「・・・それで?」
「その辺の魔法陣を消せば解除できると思うけど」
「・・・なるほどね」
そうして俺は納得している。
「えっ、それって、どういう事なんだ」
「まぁ、アルターエゴだったら、出来るだろ」
そうしていると。
「まぁ、爆発はするけど、問題ないと思うよ」
徐福は、何気なく呟く。
「・・・えっ」
そうしていると、徐福の言葉と共に、その言葉は確かに本当になった。
次回の王は
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