サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
その日、俺達は街を歩いていた。
その目的としては今後の生活に必要になるだろう機材を買う為だ。
「悪いな、ランサー、こんな事に付き合わせてしまって」
そうしながら、俺は、今回、一緒にいるランサーへと眼を向ける。
「気にする必要はない。マスターに従うのは、サーヴァントだ」
特に気にした様子もなく、カルナはその手にある荷物を運んでいる。
「それにしても、ここにはやはり、ゲームの類いが多いようだな」
「ランサーは、こういうのはやった事はあったか?」
「いいや、マスターも知っていると思うが、俺は武芸に生きていた。故にこのような娯楽には縁が無い」
その言葉は本心であろう。実際彼は武勇に関しては尋常ではなく凄まじい人物だが、それ以外の興味は薄いタイプである。
だがそれでもこうして同行してくれているところから考えれば、少なくとも俺への忠誠心が高いということなのかもしれない。ありがたいことだと思いつつも、やはり申し訳なくなってくるものである。
「さて……それじゃあ必要なものは買い終えたか?」
「あぁ」
「ん?あれは……」
視線の先には見覚えのある姿があった。
そこはいわゆるラブホが並ぶ場所。
そして、そこにいる2人は。
「兵藤と姫島さんか?」
「えっ、その声は、太郎に知らないイケメン!?」
「ランサーだ」
2人にとっては、ランサーは初めての出会いという事で、戸惑っているように見える。
その最中で、ランサーはじっと姫島さんを見つめる。
「何か?」
「何もないなら構わない」
ランサーは不審そうに姫島さんを見つめる。彼女は少し落ち着かない様子で髪を整えている。
「何か困っているのか?」
「べ、別に……」
「だが顔色が良くない。悩み事があるのなら相談に乗るが?」
「えっ?そ、そういうわけでは……」
姫島さんが急に慌てだした。ランサーはなおも鋭い視線を送り続けている。
「もしかしてそこにいる男とのことで悩んでいるのか?」
兵藤の名前が出た途端、姫島さんは顔を真っ赤にする。
「そんなプライベートな話題を公共の場で……!」
「恥じることはない。恋愛は人間の根源的な欲求だ」
「あなたのその言い方が一番恥ずかしいわ!」
彼女が手で顔を覆うと、ランサーは首を傾げる。
「誤解があるようだ。俺はただマスターの友人の幸せを願っているだけだ。何よりも何かを隠して罪悪感」
「罪悪感って何ですか!」
「違うのか?」
ランサーが真顔で聞き返す。その純粋な表情に姫島さんは
「あなたには関係ありません!」
その叫びと共に。
「朱乃、これは一体どういうことだ?」
それと共に、姫島さんに話しかけた男性。
その男性を見ると共に姫島さんは。
「あなたには関係ないでしょ!それよりもあなたがどうしてここに!」
「それは今はどうだっていい!とにかくお前はここを離れろ。いくら相手が赤龍帝とはいえ、お前にはまだ早い。何よりも、この人数は」
そう、男性は言うが、ランサーが横に入る。
ランサーがスッと姫島さんの前に立ちはだかり、その父親と思われる男性—バラキエル—を遮るように間に入った。
「待て」
「何だ貴様は?」
バラキエルの鋭い視線がランサーに向けられる。しかしランサーは動じることなく冷静に答えた。
「俺はランサー。彼女のマスターの友人だ」
「マスター……?」
眉をひそめるバラキエルに対し、ランサーは微動だにせず続ける。
「父親として娘を案じる気持ちは理解できる。だが感情的な叱責は解決には至らない」
そして次の瞬間—
「だが同時に—」
ランサーの言葉は唐突に止まった。彼は数秒間沈黙し、再び口を開く。
「—彼女が嫌がるのは当然だ」
その一言を聞いた瞬間、場の空気が凍りついた。
「なにっ!?」
バラキエルの顔色が一変する。ランサーの言葉はいつも通り率直だが、今回はそれが致命的に伝わり方に影響を与えたようだ。
「・・・うぅん、これはカオス」
「太郎、あのランサーって、誰なんだよ?」
「まぁ、ランサーとしか言えないけど、俺の予想だけど、兵藤達の一番の天敵の可能性はあるな」
「はぁ?」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王