サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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太陽と悪戯 Ⅸ

ロキの目に狡猾な光が宿る。

 

「ならば狙うは貴様ではない!」

 

その言葉と同時にロキの両手が高速で動く。

 

複雑な軌道を描く魔法陣が幾重にも重なり、黒紫色の光弾が無数に生み出された。それらは稲妻のごとき速さで僕へと襲いかかる。

 

避けきれない!

 

本能が警鐘を鳴らす。

 

しかし――

 

「……む?」

 

ロキの眉がピクリと動いた。

 

光弾が俺に触れる寸前、全てが霧散した。まるで幻影のように。

 

「何……!?」

 

困惑するロキ。

 

「遅すぎたな」

 

静謐な声と共に現れるのは黄金の巨影。

 

カルナだった。だがその姿は先ほどまでの"太陽神スーリヤ"ではない

 

だがその肉体は灼熱の炉心のごとく輝きを放っていた。

 

「既に、周囲の被害を気にせず、貴様を仕留める為の宝具を発動していた」

 

カルナの声は変わらず平静を保っているが、内側から迸る熱量は隠しようがない。

 

ロキは息を呑んだ。

 

「なるほど……その準備段階で私の攻撃を封じるというわけか」

 

カルナは何も言わない。

 

ただゆっくりと右手を掲げた。その掌中に集束していく光。

 

黄金の粒子が螺旋を描きながら凝縮され――

 

瞬間。

 

「天衣無縫、大胆不敵」

 

カルナの声が低く響く。

 

「スーリヤよ、御照覧あれ」

 

その言葉に応えるように天空が歪み始めた。

 

雲ひとつなかった空に、突如として黄金の輝きが満ちる。光は地上へと降り注ぎ、カルナの全身を包み込んだ。

 

「最早戦場に呵責無し……我が父よ、許し賜え」

 

彼の背後に巨大な光輪が出現した。それはまさに太陽そのものの具現化。

 

眩いばかりの光の渦から一本の槍が浮かび上がる。

 

柄は黄金。

 

穂先は鋭利な炎の刃。

 

「空前絶後―――『日輪よ、死に随え』」

 

発声とともに槍が空中を滑るように飛来し、カルナの手中に納まる。槍身から放たれる熱波は周囲の大気を揺らがせ、触れるもの全てを炭化させるほどの高温。

 

背中の翼のような装飾が展開され、光の羽根が形成される。それらが彼を宙へと押し上げる。

 

カルナの叫びと同時に俺は必死に飛び退いた。その足元が瞬時に溶岩と化す。

 

「なんと!」

 

ロキが驚愕の叫びを上げる。

 

「日輪の熱量は既に空間ごと侵食している……逃れること叶わぬ!」

 

上空で静止したカルナの身体から膨大な光と熱が放射される。

 

『日輪よ、死に随え』の威力は絶大だ。

 

そのあまりの熱量にロキが放とうとしていた次なる魔法さえ瞬時に蒸発し消滅する。これは防御ではなく、周辺空間そのものが超高温領域となり、一切の存在を拒絶する域にまで到達していたのだ。

 

そして――

 

槍を構えたカルナが放つ一閃。

 

その速度は光すら置き去りにする。

 

ロキの目前で世界が白く染まった。

 

爆風などというレベルではない。空間そのものが蒸発し消滅したのだ。

 

余波でさえ岩山を吹き飛ばし、大地を刳り貫く。

 

「……っ」

 

ロキの呻きは虚空へと消えた。

 

「はぁはぁはぁ」

 

そうして、俺は息を吐く。

 

同時に見れば、ロキは完全に気絶していた。

 

「なんとかなったな」

 

「あぁ、不完全だった事が幸いしたな」

 

宝具を放った直前に、魔力が切れた。

 

それによって、ロキは気絶するだけで済んだ。

 

「はぁ、疲れたぁ」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
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