サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
霧が辺りを覆い始めたのはちょうど街に辿り着いた頃だった。
「おや? 知らない間に迷宮から抜けちゃったかな?」
アサシンが不思議そうに首を傾げる。しかしバーサーカーの反応は違った。
「……違ぇな。これは人為的なもんだ」
彼の第六感が危険を告げる。刹那―。
俺達の周囲を囲むように現れたのは、不穏な奴ら。奇妙な紋章を刻んだ黒装束の集団。
「ようこそ、英雄志願者諸君」
先頭に立つ男がニヤリと笑う。
「絶霧……聞いたことがあるぜ」
俺はアザゼル先生から聞いていた情報と照合したが、禍の団に、その持ち主がいるとはな
「なるほどねぇ。面白そうな玩具を持ってるみたいやけど……」
アサシンが指を鳴らす。霧の中で髪が揺れる。
「うちの遊び相手にしては弱そうだねぇ?」
挑発に応じるかのように男が指を鳴らすと霧が濃くなった。
「それで、俺達に何の用だ」
俺の言葉に対して、中央にいる中華服を身に纏った男は笑みを浮かべながら。
「そうだね、単刀直入に言わせて貰う。我らと共に来てくれないか、唯我太郎」
「・・・はぁ?」
唐突な提案に俺は困惑してしまう。
「我ら、英雄派」
「・・・というと」
「分かるかい。英雄として栄誉ある歴史を残したいと思う集団。しかし、その大多数はその名誉ある歴史を残せる人間は極少数だ」
「・・・・・」
俺は黙ったまま聞いている。
「故にだ。我ら英雄派は英雄足り得る集団なのだ」
「英雄だと」
「人間がどこまで行けるのかを知りたいを基本理念としており、神や悪魔などといった超常の存在に挑むことを目的としている」
その言葉に対して、俺は吐き捨てるように告げた。自分達の正当性を説くために、己を高く持ち上げる。けれども。
「笑わせるな」
「・・・何?」
その言葉は、奴らに向けて俺が言い放った言葉。
「英雄派だか、なんだか知らないけど、何の覚悟もなく大口を叩くお前達が英雄なんて名乗るんじゃない」
その言葉に、彼らは黙ったまま俺を見る。俺は続けた。
「俺がこれまで出会った英雄達は、誰もが芯があった。その誰もが、ここにいる誰よりも強く逞しい」
「ふん、口先だけならなんとでも言える」
「どうでもいい。誰が何と言おうと関係ない。俺が信じるのは自分と仲間達だけだ。そして……」
俺はバーサーカーとアサシンに目配せする。彼は無言で頷いた。
「俺のサーヴァントを侮辱することは許さない!」
「そうか、ならば、ここで死んでもらおう」
そうして、中華服を着ていた男は俺を指差すと。
「新世代の英雄の為に」
そうして、眼前にいる英雄派と名乗る奴らとの戦いが始まる。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王