サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

468 / 706
修学旅行の雷と鬼 Ⅷ

太郎達が絶霧に閉じ込められている間。

 

曹操が率いる英雄派は既に京都での活動を活発化していた。

 

一誠達の前に現れた彼らは、自身が八坂を攫った犯人である事。

 

そして、太郎達は既にこの場にいない事を告げる。

 

これまでの戦いにおいて、大きな力となった太郎。

 

そして、彼らの主であるリアス・グレモリーを初め、戦力がかなり減らされている状況だと、一誠達も理解した。

 

けれど、現地で出会った九重の母である八坂を助ける為に、彼らは既に動き出していた。

 

「ぐっ」

 

英雄派との戦いの最中、窮地に追い込まれる一誠。

 

「ほう……さすがは赤龍帝と言った所だな」

 

曹操が一誠を見ながら、嬉しそうに笑う。

 

その状況を見た一誠は歯を食いしばりながら、「……ぐっ……!」と呟く。

 

「まぁそう辛い顔をするな。せっかくの再会なのだから楽しまないと損だろう?」

 

その言葉を聞いて一誠は苛立ちを隠せない。それでも今は耐えるしかないのだと思い知る。

 

(くそっ……このままじゃまずいぞ……)

 

焦燥感が募っていく。

 

逆転の手

 

それを探る最中。

 

霧が渦巻いた。ゲオルクは身を乗り出した。

 

「……おかしい」

 

絶霧の結界に綻びが生じている。完璧に計算され尽くした障壁が、内部から押し広げられるような感覚だ。

 

次の瞬間――白い稲妻が結界を貫いた。

 

霧の中心から突き破るように現れたのは、一本の巨大な白蛇。鱗一枚一枚が月光のように煌めき、蛇の赤い瞳が暗闇を切り裂く。それはあまりにも異様だった。

 

「……なんだ……これは……」

 

曹操の声がかすれた。英雄派幹部たちは凍りつく。目の前で起きている現象が理解できない。

 

霧の中から這い出るように、二本目の蛇首が出現した。

 

轟音。大地が震撼する。蛇の巨体が触れる木々は枯れち、空気が歪む。

 

三本目。四本目。五本目……

 

ついに八つの蛇首が完全に姿を現した時、その場にいる全員が膝をついた。

 

重圧――生物としての根源的な恐怖が臓腑を抉る。神話そのものが具現化した存在。現代知識が虚しいほど、純粋な「力」という概念がそこにあった。

 

「……八岐大蛇……?」

 

ゲオルクの唇が震えた。神代の怪物。日本創生神話における最凶の厄災。それが何故今ここに?

 

答えはすぐに示された。

 

「これが貴様の結界か?」

 

低い声が響く。蛇の中央に浮かぶ人影――太郎だ。

 

「たっ太郎!これは一体」

 

「どういう事だ!なぜ、英雄を従えるお前が八岐大蛇を」

 

「・・・何時、誰が英雄だけだと言った」

 

「えっ」

 

「余は──神である。敬うことを許す。恐れることを許す」

 

その言葉と共に現れたのは、1人の女性。いや、「人」と呼ぶべきかどうか。

 

黒曜石のように光沢のある肌。海よりも深い青色の髪が腰まで波打っている。そして最も目を引くのは額から生えた巨大な角。それはまるで猛獣の牙のように鋭く湾曲し、左右一対で天を突いている。

 

「な……何者だ?」

 

曹操が怯えた声を漏らす。英雄派の面々は一斉に武器を構えたが、手が震えているのが見て取れた。

 

「このオーラ……冗談じゃねぇ」

 

その瞬間──空気が変わった。物理的に温度が下がったような錯覚さえ覚えるほどのプレッシャー。

 

「ま……まさか」

 

曹操が顔面蒼白で後ずさる。

 

「『伊吹童子様』」

 

その正体を、九重は呟く。

 

「どういう事なんだ、あの場には」

 

「伊吹童子は酒呑童子の昔の呼び名や一面として語られていた。故に」

 

「っ」

 

それと共に伊吹童子は、既に動き出した。

 

「さて、状況はかなり悪いな、あっちの巨大な九尾の方は、頼んだぞ、バーサーカー」

 

そして、現れたのは。

 

「ゴールデン!」

 

「・・・えっ」

 

伊吹童子とは違う巨大な鎧武者のロボが向かって行った。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。