サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
太郎達が絶霧に閉じ込められている間。
曹操が率いる英雄派は既に京都での活動を活発化していた。
一誠達の前に現れた彼らは、自身が八坂を攫った犯人である事。
そして、太郎達は既にこの場にいない事を告げる。
これまでの戦いにおいて、大きな力となった太郎。
そして、彼らの主であるリアス・グレモリーを初め、戦力がかなり減らされている状況だと、一誠達も理解した。
けれど、現地で出会った九重の母である八坂を助ける為に、彼らは既に動き出していた。
「ぐっ」
英雄派との戦いの最中、窮地に追い込まれる一誠。
「ほう……さすがは赤龍帝と言った所だな」
曹操が一誠を見ながら、嬉しそうに笑う。
その状況を見た一誠は歯を食いしばりながら、「……ぐっ……!」と呟く。
「まぁそう辛い顔をするな。せっかくの再会なのだから楽しまないと損だろう?」
その言葉を聞いて一誠は苛立ちを隠せない。それでも今は耐えるしかないのだと思い知る。
(くそっ……このままじゃまずいぞ……)
焦燥感が募っていく。
逆転の手
それを探る最中。
霧が渦巻いた。ゲオルクは身を乗り出した。
「……おかしい」
絶霧の結界に綻びが生じている。完璧に計算され尽くした障壁が、内部から押し広げられるような感覚だ。
次の瞬間――白い稲妻が結界を貫いた。
霧の中心から突き破るように現れたのは、一本の巨大な白蛇。鱗一枚一枚が月光のように煌めき、蛇の赤い瞳が暗闇を切り裂く。それはあまりにも異様だった。
「……なんだ……これは……」
曹操の声がかすれた。英雄派幹部たちは凍りつく。目の前で起きている現象が理解できない。
霧の中から這い出るように、二本目の蛇首が出現した。
轟音。大地が震撼する。蛇の巨体が触れる木々は枯れち、空気が歪む。
三本目。四本目。五本目……
ついに八つの蛇首が完全に姿を現した時、その場にいる全員が膝をついた。
重圧――生物としての根源的な恐怖が臓腑を抉る。神話そのものが具現化した存在。現代知識が虚しいほど、純粋な「力」という概念がそこにあった。
「……八岐大蛇……?」
ゲオルクの唇が震えた。神代の怪物。日本創生神話における最凶の厄災。それが何故今ここに?
答えはすぐに示された。
「これが貴様の結界か?」
低い声が響く。蛇の中央に浮かぶ人影――太郎だ。
「たっ太郎!これは一体」
「どういう事だ!なぜ、英雄を従えるお前が八岐大蛇を」
「・・・何時、誰が英雄だけだと言った」
「えっ」
「余は──神である。敬うことを許す。恐れることを許す」
その言葉と共に現れたのは、1人の女性。いや、「人」と呼ぶべきかどうか。
黒曜石のように光沢のある肌。海よりも深い青色の髪が腰まで波打っている。そして最も目を引くのは額から生えた巨大な角。それはまるで猛獣の牙のように鋭く湾曲し、左右一対で天を突いている。
「な……何者だ?」
曹操が怯えた声を漏らす。英雄派の面々は一斉に武器を構えたが、手が震えているのが見て取れた。
「このオーラ……冗談じゃねぇ」
その瞬間──空気が変わった。物理的に温度が下がったような錯覚さえ覚えるほどのプレッシャー。
「ま……まさか」
曹操が顔面蒼白で後ずさる。
「『伊吹童子様』」
その正体を、九重は呟く。
「どういう事なんだ、あの場には」
「伊吹童子は酒呑童子の昔の呼び名や一面として語られていた。故に」
「っ」
それと共に伊吹童子は、既に動き出した。
「さて、状況はかなり悪いな、あっちの巨大な九尾の方は、頼んだぞ、バーサーカー」
そして、現れたのは。
「ゴールデン!」
「・・・えっ」
伊吹童子とは違う巨大な鎧武者のロボが向かって行った。
次回の王は
-
妖怪王
-
機械王
-
怪獣王
-
幻想王