サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
京都から帰ってきて早三日。ようやく日常に戻りかけていた矢先の出来事だった。
玄関のチャイムが鳴り響いたのは夕方五時過ぎのこと。修学旅行の疲れもようやく取れ始めた頃合いだ。
「あれ?絶花が来るのはまだ先だし……」
訝しみながら扉を開けると――目の前に現れたのは。
「あっ!良かった!まだ生きているわね!マスター!」
「は?」
思わず素っ頓狂な声が出た。
「久し振りねー!元気そうで何よりよ!」
蒼崎青子が腰に手を当てて仁王立ちしている。その堂々たる佇まいは間違いなく家臣の一人、フォーリナーの蒼崎青子その人だった。
「なんでここに?」
「決まってるじゃない!アンタを助けに来たのよ!」
「助けるって何から?」
「命の危機からに決まってんでしょ!」
太い眉毛を吊り上げて拳を握る彼女を見て、ようやく事態を理解しかけた。
(ああ……なるほど。このパターンか)
俺にはグランドオーダーを乗り越えた記憶がある。つまり複数の聖杯戦争を経験してきたわけだ。そこで学んだ教訓の一つ――
『この手の"助ける"は大抵の場合』
「面倒なことに巻き込まれるフラグだ」
「なんか失礼なこと考えてない?」
「いや全然」
即答したものの内心では警鐘が鳴り響いている。
何しろこの蒼崎青子という女性は――姉御肌でありながら猪突猛進タイプなのだ。
知る人ぞ知る温泉旅館「隈乃温泉」にて、行われた数々の珍事件。
それらを一緒に巻き込まれた事もあり、俺は呆れる。
「それで、俺が死ぬって、どういう事なの?」
「まぁ、話すと、色々と面倒なのよねぇ」
そうすると、青子さんは特に気にした様子はなく、俺達は部屋にある炬燵に入る。
もうすぐ炬燵の季節もあり、暖かくなってくれて助かる。
「それで、青子さん。命が狙われているとはどういう事だよ」
「実はねぇ、アンタを消そうと思っているらしいのよ」
「俺を消す。何の為に」
「私に言ってもしょうがないでしょうよ」
「まぁ、それもそうか」
俺の言葉に対して、青子さんも気にした様子はない。
むしろこの人には適当な方が付き合いやすい。
「なんだって、あんたを殺せば、私達サーヴァントは全員が退去する事になるからね」
「それで、俺が死んだという事で、わざわざ未来から?」
「まぁ、少し違うわね」
「違うと言うと?」
すると、青子さんがそのまま腕を組みながら。
「あんたを殺そうとしているの、未来で戦っている平行世界の機械の神軍団なの」
「あぁ、またこのパターンか」
俺は頭を抱えながら呟く。
「だって、忘れた訳じゃないけど、あんたギリシャの神々を倒したのを」
「まぁね」
「それを、そいつらが知ったみたい。そんでもって、あれも知られた訳」
「・・・」
その言葉を聞いて、俺も察するのは十分過ぎる。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王