サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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転校した幼馴染みと無限 Ⅲ

翌日──駒王学園中等部の校門に立った俺は、まず深呼吸した。昨日までの喧騒が嘘のように平和な朝。鳥のさえずりまで耳に入る余裕がある。

 

「まさか告白されるとは……あの絶花がな」

 

ポケットに手を突っ込みながら独りごちた。

 

中学に入って急にモテ期到来とは。まあ前世の記憶から察するに、成長とともに容姿が磨かれていってるんだろう。あのツンデレ具合が男子たちには新鮮に映るのかもしれない。

 

「おっと」

 

ふと視線を感じて振り返ると、木陰に女子生徒の集団がスマホをこちらに向けていた。

 

「キャー!太郎先輩よ!」と囁き合う声が漏れている。なるほど確かに俺の評判が先行してるらしい。宮本絶花の幼馴染という時点で興味本位の標的になるわけだ。

 

ただし、その声はどちらかと言うと珍獣を見つけたような反応だ。

 

人混みを押し分けるように、1人の姿が目に入った。

 

「……あんたか」

 

俺は眉をひそめながら歩み寄る。金髪眼帯の少女がこちらを向いた瞬間──寒気が走った。

 

(なんだこいつ……)

 

表向きは柔らかな笑顔だ。中学生らしい爽やかさすらある。だが金色の瞳の奥底が澱んでいる。まるで沼地の水面のような、歪んだ反射を孕んだ光だ。

 

「初めまして、我が名はリルベット・D・リュネールだ、唯我太郎先輩」

 

「・・・初めましてって言いたいが」

 

そうして、周囲を見る。

 

「結構な騒ぎになっているんだが」

 

俺がそう述べたのも無理はない。

 

「・・・随分と絶花に惚れているようだな」

 

「惚れているとは、少し勘違いしているようだな。私はただ彼女に決闘を申し込みたいと思っただけだ」

 

「・・・理由は」

 

「最強と言ったら納得するかい」

 

そう彼女は呟く。

 

だが、その返答に対して、俺は彼女の瞳の奥を見る。

 

眼帯をつけている為、もう片方の眼は見えない。

 

けれど、その奥に宿るのは間違いなく闇。

 

「丁度良い、先輩に聞きたい事が一つある」

 

「・・・なんだ」

 

「あなたは仲間を大切にしていると聞きます。だが、もしも、その仲間が実は自分の事しか考えていなかったら、どうしますか」

 

その答えに対して、俺は少しだけ腕を組み。

 

「さぁな、そう考えているんだったら、それでも良い」

 

実際に、そうなる可能性が低いと判断した。

 

俺が見ている限りでも。

 

「少なくとも、それがそいつが選んだ道だったら、尊重するな」

 

かつての戦いにはそのような出来事は何度もあった。

 

けれど、俺にとってはそれを簡単に裏切りだと思い込まない。

 

何よりも。

 

「俺は生きてくれてた方が嬉しかったがな」

 

「・・・なるほど、どうやら私とは別のようだな」

 

そうしていると。

 

「ならば、今度、決闘を見届けて欲しい。立会人として」

 

「まぁ、決闘だったらな、絶花が負けるのはあり得ないがな」

 

「信用しているようだな」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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