サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
絶花の決闘の立ち会いをする事になった。
実際の所、決闘の立会人という立場になっても、それが何時行われるのか分からない以上は。
「それにしても、近いうちに文化祭があるってのに、こういう騒ぎは本当に迷惑だな」
そう呟きながらも、俺はエミヤに対して、そう尋ねた。
現在、駒王学園では近く行われる文化祭の為の準備で大忙しだ。
だが、現状、俺はどこの部活にも入っていない事もあり、屋上にてサボっている。
しかし、それは学業であり、実際にはエミヤに頼んでいた情報を聞く為である。
「全く、君は王を目指すと言うのならば少しは過保護は止めたらどうだ?」
「・・・過保護のつもりはないんだが」
俺はそう呟きながらも、思わずエミヤに向けて言ってしまう。
だが、エミヤはそんな俺の心境を読んでいるように、こちらを睨んでいた。
それに対して、俺は既に言い訳する事が出来ない為に眼を逸らす。
「分かっているつもりだけど、どうしてもな」
「それが悪いというつもりはないがな、なんだって、あの体験をしたならば」
そうして、俺の、グランドオーダーでの出来事を思い出す。
そう、あの体験は。
「エミヤ」
「なんだ?」
「俺って、怖がり過ぎるのかなぁ」
「はぁ、何を言うかと思えば」
それと共に、エミヤはため息を吐く。
思えば、彼とは、カルデアでの戦いの初めの頃からの付き合いだ。
それを考えれば、俺の考えは簡単に分かるかもしれないな。
「確かに臆病と捉える人間はいるだろうな。だが、私はそれが間違っているとは思わない」
「何故なら」
エミヤがふっと唇を緩めた。それは戦士の慈愛に満ちた笑みだった。
「その恐怖こそが君を生かした。失う痛みを知ったからこそ、カルデアで最後まで仲間を守り抜いたのだ」
「……」
「怖れることは恥ではない。それを認め、なお前に進むことが王の資質だ」
沈黙が流れる。
俺は屋上の柵に凭れかかり、夕焼けを見つめるフリをした。視界の端でエミヤが微かに肩をすくめるのが見えた。
「さて、例の《決闘》だがな――」
話を切り替えるようにエミヤが咳払いをした。
「分かっているよ、あの後輩の後ろにいる奴らの事だろう」
「さすがにそこまで察していたか」
エミヤは皮肉な笑みを浮かべる。
「エミヤ、一つ確認したい事がある」
「なんだ?」
「決闘の内容はあくまでも宮本絶花とリルベット・D・リュネールの正々堂々の一騎打ちだな」
「話を聞く限りだな」
「ならば」
俺はゆっくりと息を吸った。
「なら邪魔する奴らを潰すのが立会人の役目ってワケだ」
俺の宣言にエミヤの眉が跳ね上がる。
「……君の過保護が王の慈悲と呼べるものかどうか、見極めさせてもらおう」
次回の王は
-
妖怪王
-
機械王
-
怪獣王
-
幻想王