サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「電子レンジで作れる簡単なプリン……?」
テュフォンの怒りが一瞬和らいだ隙を突いてキッチンに走る俺。卵と牛乳を取り出しながら急いで説明する。
「レンチンプリンならすぐできるぞ!待ってろ!」
オーフィスはそのやり取りを無言で眺めていたが、キッチンの動きを目で追いながら一言。
「電子レンジで?」
興味深そうに見つめる彼女を背に、俺は卵を割り入れる。混ぜながら鍋でカラメルを作ると、テュフォンがようやく近づいてきた。
「本当にもう食べれるんだろうな?」
「おう。見た目は市販のやつほどじゃないけど、味は保証する」
プリン液を耐熱カップに注ぎ入れ、電子レンジでチン。
その間、オーフィスがポツリと言った。
「太郎……作るの早い。魔法?」
「違う!科学だよ!」
電子レンジの音が止むと同時に、俺は慎重にカップを取り出す。
「熱いから気をつけろよ」
スプーンを渡すと、テュフォンは警戒しながら一口。次の瞬間。
「……うまっ!普通にうまいうまい!」
目を輝かせるテュフォンに安心して笑ってしまう。
オーフィスも無表情ながらゆっくりとスプーンを動かし始めた。
「……これはこれで美味しい」
そう言いながら彼女の口角がわずかに緩んだ。
「まあ……許してやらなくもないわ」
ティフォンは、機嫌良さそうにプリンを平らげた。
オーフィスはじっとティフォンを見つめたままプリンを口に運んでいる。一方、ティフォンはその視線に明らかにイライラ。
「あのさぁ……」
スプーンをテーブルにバンッと置いてティフォンが立ち上がる。
「さっきから人のことジロジロ見過ぎじゃない? 何よ?」
オーフィスは表情を変えずに答える。
「不思議?ドラゴンなのに、ドラゴンじゃない?よく分からないお前、誰?」
「ふんっ、あんたに答えるつもりは無いわよ!」
その一言にティフォンの眉間に皺が寄る。
「言っとくけど!さっきのプリンの事!まだ許していない」
オーフィスはプリンを舐めながら首を傾げる。
「末裔?本物?ティフォンと違う。匂いも少し違う。それに」
そこで一度言葉を切るオーフィス。
「ふんっあんたに答えるつもりは「もぅお姉ちゃんはそう言う事を」あぁ」
それと共に、ティフォンの姿は一瞬変わる。
先程までの黒いゴスロリから一変、白いゴスロリへと変わり、白髪に変わる。
「私もマスターのプリンを食べたいから!良いよねぇ!」
「まぁ、別に良いよ」
一瞬で姿が変わりながらも、そのまま嬉々としてプリンを食べ始める。
オーフィスの疑問が大きくなったのか、首を傾げる。
「我、まるで知らないけれど、不思議」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王