サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
俺はイプシロンに対して、問いかける。
「データの方は十分か、イプシロン?」
その言葉に対して、イプシロンは笑みを浮かべる。
「勿論です!けれど、マスターも無茶な事をするね、私達姉妹を同時に召喚するなんてね」「良いじゃない!それよりもここから反撃よ!」
エファメロスの言葉に合わせるようにテュフォンの咆哮が響き渡った。
サマエルもまた、テュフォンに向かって、再び攻撃を行う。
しかし。
「あんたの戦闘データは全て分かっているのよっと!」
エファメロスの言葉と共に、テュフォンは加速。
それと同時に三つ首の内の二つ。
エファメロスの右側にいる頭が上体を起こすと同時に赤い瞳を輝かせる。
そこから放たれたのは大量のレーザー攻撃。
全方位からの一斉掃射によってサマエルへと襲い掛かる。
サマエルは咄嗟に回避しようとするも遅かった。
そのままレーザーが直撃。
爆発が起きて、煙に包まれる。
「油断だぞ!」
俺は叫びながら、テュフォンの背に乗って、そのまま煙幕の中に入っていく。
サマエルは混乱したように逃げようと試みるもその体は止まっていた。
「逃がすわけないじゃん!」
そう言いながら三つ首の内一番左にいる龍が咆哮する。
そこから現れたのは巨大な黒い刃。
魔力によって形成されたその刃を放つとサマエルの肉体を切り裂いていく。
爆発と共にその体が吹き飛んでいく。
それと同時に巨大な火柱が上がり始める。
そしてその中から現れたのは全身を炎に包まれたサマエルの姿があった。
「くぅ……」
サマエルは苦痛の表情を浮かべながら呻き声を上げている。
「確かにあんたの龍殺しは私達の天敵ね、それは認めるわけどね」
「お前がどんな行動をするのか、どう攻撃を行うのか、それが分かれば」
同時にエファメロスとイプシロンの声が合わさる。
「「私達は決して、負けない!!」」
2人の言葉と共に、反撃が始まる。
イプシロンの解析データが画面に表示される。サマエルの魔力波動周期、攻撃範囲の癖、回避時の微細な動き――すべてが完璧に丸裸になっていた。
「見てよマスター!!」
イプシロンが嬉しそうに叫ぶ。同時にエファメロスがテュフォンの巨体を躍動させた。
サマエルが放つ灼熱の魔力弾は、テュフォンの三つの首が生み出す赤いレーザー網にことごとく阻まれる。奴の尾撃も、翼から放たれる光の鞭も、すべてエファメロスの予測回避によって紙一重でかわされていた。
「遅い!遅い!遅すぎなのよ!」
テュフォンの咆哮が雷鳴のごとく轟く。三つ首のひとつが口を開くと、中から煌めく粒子が溢れ出す。
「メインディッシュの時間よ!」
エファメロスが宣告する。テュフォンの三つ首すべてが並列稼働を開始した。背部のブースターが轟音とともに炎を噴き出し、機体全体が金色に輝き出す。
「覚悟しなさいん!」
イプシロンが叫ぶ。三つ首の中心に巨大な魔法陣が形成されていく。テュフォンの胸部装甲が開放され、内部から膨大なエネルギーが沸き上がってきた。
「「さあ、全てを灰燼に!」」
「「我は竜、我は杯、我はこの虚空を廻転する、第七の数字。汝の世界、既に太祖竜の顎の内なり!!」」
エファメロスとイプシロンの声が完璧に調和し、テュフォンの三つ首が咆哮を上げる! 三つの口が同時に開かれ、それぞれの奥から眩い光が溢れ出した。白と紫が入り混じった雷電が螺旋状に絡み合い、空間を歪めるほどの膨大なエネルギーとなって膨れ上がる。
「ぐっ……!?」
サマエルが恐怖の表情を浮かべる。だが遅い。イプシロンの解析データに基づき、エファメロスは奴の動きを完全に掌握していた。奴の回避軌道は封じられている!
「撃て!」
私の号令と共に——
テュフォンの三つ首から放たれた超弩級の雷霆が、まさに天地を裂く勢いでサマエルに直撃した! 白と紫の閃光が交錯し、夜空を昼のように照らし出す。サマエルの巨体を貫いた雷電は、さらにその内部から膨れ上がり、内側から炸裂するかのような衝撃波を発生させた。
「ギャオオオオオッ!!」
サマエルの断末魔の叫びが轟く。
次回の王は
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妖怪王
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