サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「・・・奴の背後にいるのは一体」
今回、ザッハークが現れた事に対して、俺は強い警戒心を持った。
ザッハークとの過去の戦いにおいて、奴はかなり強い警戒心を持っていた。
慎重さや計算高さも持ち主であるザッハークが、姿を現した。
リゼヴィムは、ザッハークを従えたのかと言うと疑問にある。
だからこそ、俺はリゼヴィムの背後にいる
「マスター、大丈夫ですか?」
そんな俺を心配そうに声をかけた人物。
その人物に対して、俺は振り返る。
「大丈夫、大丈夫、なんとか」
水色の長い髪を風になびかせ、山羊のような角を光らせた少女——ティアマトが部屋に入ってきた。
彼女は、俺の契約しているサーヴァントの中でもある意味、特殊な部類だ。
本来ならば、一つのクラスに1人のサーヴァントではあるが、彼女のクラスはビースト。
聖杯としての役割を担っているドラコーもまたビーストだが、それとは別枠の純粋なビーストとして呼び出されている。
「母は、心配です。他の子と喧嘩、していませんか?」
「喧嘩はしていないよ。まぁ、少し俺の方で話していない事が多かったから、少し」
これまで隠しているつもりはなかった。
だが、話していない事が長い間続いた結果、タイミングを逃した。
何よりも、今回の1件を考えれば、こちらの事情を話して、納得出来るか分からない。その不安があった。
「それにしても、俺が無理をしているのか」
「あなたの目をずっと見てきました。あの時から変わっていないですよ」
淡々とした声だが、どこか優しさが含まれていた。
「太郎さんが私たちを大切に思うのも分かります。ですが……」
ティアマトの言葉が途切れる。仏頂面を保とうとするが、その目だけは真剣だった。
「今は、あなたが全てを背負って戦う必要はありません。あの時とは違い、たった1人のマスターだからこその責任でしょ」
「それは分かっているんだけどね」
俺は苦笑した。確かに前世の記憶を持つ者は他にいないかもしれない。
「私が思うに……あなたは"親孝行"が足りていないのです」
唐突な話題転換に俺は面食らう。
「親孝行?」
「そうです。もっと母を頼ってくれるべきなのです」
ティアマトが腕を組んでぷくっと頬を膨らませる。威厳ある創世神が台無しだ。
「母が作った料理で栄養をつけないと"成長期"に支障が出ますよ。背が低いままなんて可哀想すぎます」
「今さら成長期とか言われても……」
俺の抗議を聞き入れず、ティアマトは冷蔵庫を開けて食材を取り出す。
「待ってて、すぐ作ります」
料理をする母性溢れる背中に言葉をかけるべきか迷い、結局俺は黙った。あの時の約束を果たせたのかもしれないと思った。
「何か悩みがあれば、いつでも母に話してくれれば良いのです」
「ああ、ありがとう」
ティアマトは再び料理に専念する。俺は彼女の背中を見つめながら考えた。
次回の王は
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