サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
冥界への転移が完了すると、俺達は現地の状況を目の当たりにした。紫色の空が広がる冥界の都市は、完全な混沌の中にあった。
「これは……酷いな」
アザゼル先生が低く唸る。空には巨大な炎の巨人スルトが燃え盛る剣を振るい、地上では象の形をした巨大な城塞、イヴァン雷帝が街を蹂躙していた。ビルが粉砕され、道路が砕け散り、無数の避難民が混乱の中逃げ惑っている。
「悪魔の攻撃が始まった!」
イッセーが指差す方向を見ると、精鋭部隊が攻撃を開始していた。数十機のドラゴン型戦闘艇が火器を集中砲火するが—
スルトの振り下ろした剣の一撃で、ドラゴンが爆発四散。一方イヴァン雷帝も豪雨のように雷撃を放射し、接近する戦士たちを次々と焼き尽くしていく。
「嘘だろ」
「これまで何度も絶望的な状況を見てきたが、こんなの」
その光景を見て、リアス先輩達は驚きを隠せなかった。冥界で起きた災害。
彼らの攻撃は文字通り桁違いだった。あんなものに太刀打ちできるわけがない。
「これが……」
「太郎、お前、あんなのを」
そうして、俺の方を見られる。
だが、俺はそれよりも眼前の2人の敵へと集中する
「さて、行こうかティアマト」
「分かった」
ティアマトもまた頷きながら、俺は令呪を構える。
「令呪をもって、命令する。ティアマト、その力を解放しろ」
[「了解」
ティアマトが頷くと同時に、彼女の周りに黒紫の魔力が渦巻き始めた。大地が震え、空間が歪む。
「ネガ・ジェネシス展開……」
彼女の足元から漆黒の液体が噴き出し、円形に広がっていく。それはまるで「生命の海」だ。
「毅き仔よ……創世の理に抗え……」
宣言と共に液体がティアマトを包み込み——
「『毅き仔よ、創世の理に抗え』!!」
ドゥオオオンッ!!!
轟音と共にティアマトの肉体が崩壊し、再構築される。
次の瞬間——
全長60メートルを超える巨影が天を衝いた
銀色の鱗が月光を反射し、翼は広げれば数百メートルの範囲を覆い尽くす。人間の女性の顔を持つその姿は恐ろしいほどに美しい。金色の双眸がゆっくりと開き、冥界の空を見上げる。
「あれは一体」
「ティアマト、最初は天魔の業龍だと思っていた。だが、違う」
そう、アザゼルは呟く。
「メソポタミア神話における創世の神のひとり、『ティアマト』。それが彼女の真名だ」
それに合わせるように、ティアマトは、そのまま走り出す。
それは、今も冥界を蹂躙している2体を鎮圧する為に、真っ直ぐと。
「これじゃ、本当に大怪獣バトルじゃないか」
目の前の光景を、あえてそう表現したが、無理はない。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王