サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「良い度胸だね」
白野先輩が目を細める。その奥で何かを試すような光が宿る。
「分かったよ。ただし──」
彼女の指が空中を切る。淡い月光のような粒子が渦巻き、絶花の周囲を取り囲んだ。
「ここから先は地獄だ。引き返せないよ?」
「ええ」
絶花の答えは揺るぎなかった。次の瞬間、彼女は粒子に吸い込まれるように消えた──俺の夢の中へと。
「・・・彼女、あの場ですぐに覚悟を決めて、行くなんて」
「まぁ、マスターが戦う理由となっていた子だとは聞いたけど、本当にとんでもないね」
そうしながらも、白野先輩は立ち上がる。
「あなた、どこに行くの?」
「・・・さっき、少し嫌な予測をしたからね。この状況を放っておかない奴がここに攻め込んで来るって」
「っ」
既に、白野先輩の持つムーンセルオートマンの事を聞いていた事で、その襲撃が誰なんか理解出来た。
それと共に、白野先輩達が向かった先。
その向かった先で見えたのは、リゼヴィム。そして。
「あらあら。やはり来たわねぇ〜」
「あの野郎!!」
突如現れたリゼヴィムとその側には、四つの影。
一人目は華美な赤のドレスを纏った女王然とした女。
二人目は長銃を携えた老練な雰囲気の男。
三人目は重厚な鎧に身を包んだ戦士。
四人目は氷刃のように澄んだ目を持つ銀髪の男。
「やぁ久し振りぃ」
リゼヴィムが陽気すぎる声で挨拶する。
だが、そんな彼の前に立つ四人は尋常ではない威圧感を放っていた。
「あれは……」
リアスが震える声で呟く。
「四大魔王……初代の四大魔王だ」
アザゼルが眉間に深い皺を寄せる。
「そんなまさか」
「間違いない。俺はかつて直接会ったことがある」
彼の額から汗が伝う。
「あの時と同じ匂いだ……」
リゼヴィムがニタリと笑う。
「ようやく気づいたかい? この四人を呼ぶのに僕は準備したのさ」
「なぜお前が初代達を使役できている!?」
「システムとしては結構簡単でねぇ、まぁ既に君達も知っている彼のおかげでシステムの把握は出来たのさぁ」
「まさか、サーヴァントだと聞いたけど、彼らまで蘇らせる事が出来るなんて」
「まぁ、だから一番最初に、一番の邪魔になるだろう人物である太郎君を殺そうってね」
リゼヴィムが愉快そうに舌打ちする。
「なんだお前?見たところ人間か。俺の楽しみの邪魔をするなよ?」
白野は一歩前に出る。
「マスターの先輩だからね。マスターの邪魔はさせないよ」
その言葉にリゼヴィムが嘲笑する。
「先輩?ハハハッ!まさかお前もサーヴァントか?」
白野は軽く首を振る。
「正確には違うかな。ただのマスターだよ。でも――」
彼女の足元に魔法陣が浮かぶ。
「――君みたいな奴を潰すためのマスターよ」
リゼヴィムの表情が変わる。
「ほう……なかなか面白い。初代魔王四人に加えて、私のサーヴァントどもを相手にするつもりか?」
白野は淡々と答える。
「もちろん」
その瞬間――
月光が空間を裂くように降り注いだ。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王