サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
巨大な青紫色の壁が空に立ち塞がる。まるで宇宙ステーションの防衛膜のような禍々しいオーラ。テュフォンの警告灯が激しく点滅する。
「マスター! このエネルギー密度……単純な物理障壁じゃありません!」
アルトリアが操縦席から跳躍しようとする。金色の髪が逆立ち、エクスカリバーが煌めく。
「セイバー! いくらお前でも正面突破は危険すぎる!」
俺が制止しようと手を伸ばした刹那──
「オレも行く」
カルナが無表情で立ち上がった。黄金の鎧が微かに蒸気を噴き出している。
「ふたりで行く」
アルトリアの凛とした声が艦内に響く。
「マスター、ご命令を」
一瞬の躊躇い。
「──令呪を以て命ずる。アルトリア、カルナ」
令呪の火が左手に灯る。
「その魔力障壁を粉砕せよ!」
「了解」
「承知した」
二人の姿が消える。いや──空間が歪んだのだ。
テュフォンの前方で漆黒と深紅の流星が交差する。
「『卑王鉄槌』、旭光は反転する。光を呑め・・・!」
アルトリアの声が天空を震わせる。
「神々の王の慈悲を知れ。絶滅とは是この一刺。インドラよ、刮目しろ」
カルナの静かな詠唱と共に各々の獲物を手に構える。同時に──
「約束された勝利の剣!」
「日輪よ、死に随え!」
深紅の極光と黄金の業火が真正面から激突する。光が世界を割く。魔力障壁が泡立つように震え……爆散した!
「ぐぉぉぉッ!?」
テュフォンの機体が大きく揺れる。しかし──突破した!
「マスター! 行けます! スピードを落とさず突き進め!」
エミヤの声が叫ぶ。
「よし! テュフォン! フルスロットルだ!」
「任せてェェェッ!」
テュフォンの機体が加速する。
そうして、俺達は、真っ直ぐと中央へと向かう。
「・・・それにしても良かったのか」
「何がだ?」
「マスターと共に行かなくても」
「今、私が出る幕ではない。そういうお前は良かったのか」
「これからの戦いにおいて、俺の出番など必要はない。ましてや、今のマスターの隣にいる彼女がいればな」
「確かにな、だが、ただマスターを待つのも退屈だ」
それと共にアルトリアは、その手に持った剣を。
「・・・そうだな、これ以上、無駄死にする必要はないからな」
カルナは、その視線を向けているのは、サーヴァントと悪魔達の戦い。
しかも、現在の状況的に上位互換となった存在。それすらも切り捨てる。
「・・・正直に言えば」
「なんだ」
「どこまでやれるのかな。マスター達に全て任せて良いのか。それはそれで良いのだが」
「確かにな、この世界の事は、この世界の奴らが決める事だ。まぁ」
そうして、2人は笑みを浮かべながら、ゆっくりと戦場へと向かう。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王