サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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聖杯最終決戦 Ⅳ

障壁を破り、俺たちが辿り着いたのは禁忌の領域だった。

 

「……!」

 

テュフォンが着陸するより早く、機体から放たれる警報が耳を劈いた。目の前に聳えるのは、禍々しい祭壇。その頂点には――巨大な漆黒の聖杯が鎮座している。

 

ガラス越しに見えるそれは、生きているかのように脈動していた。

 

表面は血のような黒い液体に覆われ、滴り落ちる雫が石畳に触れると腐食し、黒煙を上げながら溶解していく。聖杯自体が生物兵器のようだ。無数の人間や悪魔の怨念が凝縮されたかのような黒霧が渦巻き、触れた空間そのものを歪ませている。光どころか時間すらも飲み込むような深淵の色だ。

 

「……これが聖杯?」

 

声が震える。美しき少女の瞳に恐怖の色が宿った。

 

「違う……これは呪詛の塊だ」

 

が魔力探知の札を掲げるが、瞬時に黒ずんで灰になる。

 

「……マスター」

 

白野先輩が警告を発する。

 

「近づけば精神が侵される。慎重に」

 

祭壇の階段を悠然と登る男が一人。ベリル・ガット。

 

目の前に現れた男——かつてのベリル・ガットは、もはや人間の形を留めていなかった。

 

「来たか……」

 

嗤うその顔には悪魔の翼が蠢いている。顔は辛うじて人間の原型を保っていたが、皮膚は漆黒の瘴気に侵食されていた。

 

(取り込んだのは悪魔だけじゃない)

 

俺の直感が告げる。奴の体内には無数の魂が蠢いている。

 

悪魔と魔術師の融合体——神話級の邪悪だ。

 

「ふん……」

 

奴の右手に握られた黄昏の聖槍が黒紫の雷を纏う。

 

「・・・本当に、色々と取り込み過ぎじゃないんですか?」

 

「そうだねぇ、けれどさ、この世界の人間も悪魔もさ、結構騙しやすいんだよねぇ、後輩。いや、少し違うか」

 

そうして、ベリルは不敵な笑みを浮かべながら。

 

「あの場所の悪意があまりにも強すぎたからだねぇ、この場合は」

 

「悪意?一体、どういう意味?」

 

「・・・ブリテン異聞帯。かつて、ベリルが管理していた場所であり、俺にとっては」

 

その時の出来事を思い出し、俺は手に強く握り締める。

 

多くの戦いを乗り越えたが、俺にとっては辛い別れもあった。

 

「おいおい、後輩、こんな所で油断していると、駄目だぜぇ!」

 

そうしていると、ベリルの言葉と共に、聖杯の泥。

 

そこから出てきたのは、不気味な何か。

 

「あれって」

 

「・・・聖杯という事で予想はしていたけど、ティアマトにある生命の海か」

 

「まぁ、それと似た要素だな。まぁ、この場合は、材料は神器持ちの人間だけどね」

 

「まさかっ」

 

「そういう事、いやぁ、彼らは役に立ったよ、この軍団を造り出してくれるね」

 

そうして、聖杯の泥、そこから次々と現れたのは、神器の中に封印されていた魂は、その肉体を、俺にとっては覚えのある存在となって現れる。

 

「・・・ラフムか」

 

そう、俺にとっては、記憶に残る二つが合わさる事があるとは、思いもしなかった。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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