サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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聖杯最終決戦 Ⅴ

目の前の光景は悪夢そのものだった。黒紫色の肉体を持つ異形の生物――ラフムが聖杯の泥から湧き出てくる。彼らの姿はあまりにも冒涜的だった。

 

虫の脚のように変形した鉤爪が八本、肩から突き出している。その動きは軟体動物を思わせる滑らかさと不自然な角度で曲がる節足が組み合わさり、見るだけで吐き気を催す。頭部には目も耳もなく、ただ縦長に裂けた口腔が存在した。その中には白磁器のような鋭い歯がびっしりと生えそろい、涎を垂らしながら絶え間なく笑い続ける。

 

「ラフムって、一体」

 

「簡単に言えば、人間を素体にした新しい人間かな」

 

「・・・正直に言えば、何を言っているのか分からないけれど、ヤバいって、事だけは分かる」

 

そう、兵藤達も理解した様子。

 

それと共に、ラフム達は、その手には神器を持ち、構えていた。

 

「あぁ、ついでに言っておくが、こいつらに油断はしない方が良いぜぇ」

 

「油断なんて出来るかよ」

 

あの時のラフムとは違う点として、神器という武器を持つ。

 

それも、あの数が一斉に襲ってくる。それだけでもヤバいのに、あの数のラフム。下手したら地球を破壊するレベルの存在。

 

「そうかい。なら」

 

ベリルの言葉と共にラフムが動き出す。

 

一匹目が跳躍した瞬間、背筋に氷水を浴びせられたような感触が走る。彼らの動きは人間離れしていた。空中で三回転しながら着地する様子はサーカスの曲芸師のようだが、その全身から滲み出る瘴気と、粘液質な体表が放つ臭気が生理的な嫌悪感を刺激する。彼らは単なる操り人形ではない。知能を持った意志ある存在なのだ。

 

さらに恐ろしいのは彼らが装備している神器だ。それぞれのラフムが異なる神器を手にし、それを最大限活用できるよう進化しているらしい。例えば左端の個体は無数の刀身を召喚して壁を作り、右端の個体は空間を歪める障壁を展開し、中央の巨躯を持つ者は地面を隆起させる衝撃波を放つ。これらすべてが規格外の性能を誇っていることが見て取れた。

 

「来るぞ!」

 

叫ぶ間もなく先頭集団が襲いかかってきた。第一陣は無謀な突進ではなく精密な連携を見せる。前列は盾型神器で防御陣を形成し、中列は槍型神器で牽制し、後列は弓型神器による遠隔攻撃を準備している。訓練された軍隊以上の統率ぶりだ。

 

しかも彼らの攻撃方法には多様性があった。ある者は拳骨大の炎球を乱射し、別の者は地中から岩柱を伸ばして串刺しにしようと試みる。最も厄介なのは口から放射される黒霧だ。これを浴びた地面が瞬時に溶解していく様子からして致死性の毒物らしい。

 

加えて彼らには感情というものが欠如しているようだった。同胞が斃れても意に介さず踏み越えて進む。死者に対する敬意も恐怖もない純粋な戦闘マシーン。それが数百体規模で押し寄せてくるとなれば常識的な防衛ラインなど一瞬で瓦解する。

 

唯一の救いは彼らがまだ組織的行動の域を出ていないことだ。個人技能としては強力だが集団戦術という概念までは獲得できていないらしい。ならば突破口はあるはず―――そう希望を抱いた刹那、背後の空間が歪んだ。

 

「新手!?」

 

振り返れば第二波として更なる数倍量のラフム群が出現していた。既存兵力を前面配置したまま増援投入。補給線も継戦能力も無視した力押し戦法こそが最適解と判断したということだろうか?

 

その証拠に彼らは犠牲を厭わない突撃を繰り返す。自己修復機能を持つ個体も多く損傷率九割以上でも活動継続という有様だ。

 

こうなればこちら側も数で対抗するしかないが手持ち戦力では圧倒的に不利。

 

「とでも思ったか」

 

その言葉と共に、ラフム達は吹き飛ばされていた。

 

「さて、頼めるか、皆」

 

そう、ラフムを前にして、サーヴァント達に眼を向けながらも。

 

「ふぅん、その2人と一緒に戦うつもりか?」

 

ベリルと戦う2人のサーヴァントを見る。

 

「あぁ、勿論だよ、なんだって、この2人は俺の最強の剣と盾だからな」

 

「なんだか、誤解されるような事、言わないでよ!」

 

そう、マシュと絶花の2人と共に。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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