サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「さて、堕天使の目的に関して、分かった」
その一言と共に、俺はちびノブ達から拷問の結果で、堕天使達の目的が明らかとなった。
「ねぇ太郎くん。なんでアイツらあんなに楽しそうなの?」
絶花が困惑気味に聞いてくる。あいつら――すなわちちびノブ達――はリビングの床に円陣を作って座り込み、「最強の大会」なるものを開催していた。
「いいか? あの堕天使から必要な情報は全部引き出したんだ」
俺は腕を組みながら説明した。
「情報?」
「ああ。こいつらの狙いはアザゼルってやつに神器を献上することらしい」
「神器って……」
ちらりと絶花を見る。彼女の腰に佩いた天聖――その柄頭の宝玉が微かに光った気がした。
「えっ? 私も巻き込まれるってことですか!?」
「そういうことになるかもな」
「そんな……!?」
絶花が小さく震え始める。これはまずい。
「だが安心しろ。俺がついてる限りは絶対に……」
「にゃはっ! オレっちもいるニャン!」
ジバニャンが胸を張った。ありがたい援護だが今はその話じゃない。
「それより問題はこの街がどうやら悪魔の領土だってことだ。堕天使だけじゃなくて悪魔まで絡んでくるとなると厄介すぎる」
「悪魔……」
「そこでだ。絶花」
「はい?」
「これから暫く街を調べに行くぞ」
絶花の顔に不安の色が浮かんだが、すぐさま決意を宿らせた目で頷く。
「分かりました! 行きましょう!」
「よしっ、それじゃ行く前に朝メシだ」
キッチンへ向かおうとした矢先。
「「ノブ―ッ! ノブ―ッ!!」」
ちびノブの一群がわっと押し寄せてきた。その中心で特にデカいちびノブが誇らしげに拳を上げている。
「太郎殿ぉ~~! 我輩が優勝ですぞ~~! 最高の悲鳴を引き出してやりましてございましたぁ~~!」
「おおそうか。お疲れさん」
「にゃにゃ? いったい何をしてたんだニャン?」
ジバニャンが鼻をヒクつかせた。
「あぁそれか。アレはな――」
俺は苦笑混じりに答える。
「最強の大会ってやつだ」
「なっ何それ!?」
絶花が驚愕した声を上げる。
「堕天使の玉を順番に蹴っていって一番大きい悲鳴を上げさせた奴が勝ちっていう……おにぎりの具を決める権利争奪戦だ」
「はあああ!?」
絶花の甲高い悲鳴が家中に響き渡った。
「えっ、マジで」
「まぁ、良いだろう。人の命を狙ったんだ。殺されないだけマシだろ」
「別の玉が蹴り飛ばされたにゃん」
ジバニャンは、そう言いながら、ちびノブ達によって無残に潰されてしまった玉を見てそう言った。
「それ以上は聞かない事にするわ」
絶花は顔を逸らしながらもツッコミを入れてくる。いやしかしコレ以上詳細に説明するのは俺としても恥ずかしい。
「さ、そろそろ行くぞ」
「「ノブ―ッ! 頑張りますぞ~!」」
ちびノブ達は勢いよく敬礼し、それぞれの任務に散っていく。
次回の王は
-
妖怪王
-
機械王
-
怪獣王
-
幻想王