サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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王と剣士と猫 Ⅴ

「よし、堕天使は教会が本拠地みたいだな」

 

 屋上の手すりに寄りかかりながらスマホ画面を確認する。ちびノブ達から送られてきた写真付き報告はまさに圧巻だった。

 

 駒王教会の大聖堂内部写真。祭壇の奥に安置された古い聖杯と、その周りを徘徊する複数の人影。

 

 「よく撮れてるニャン!」

 

 俺の隣でジバニャンが肉球で液晶をタップする。確かにプロ級の隠密技術だ。しかし俺が注目すべきはデータではなくパターンだった。

 

 「アイツらの巡回時間も掴めた」

 

 絶花が眉を寄せた。

 

 「それじゃ狙うタイミングが難しいですね……」

 

 「いや、むしろ好都合かもしれん」

 

 俺はペンを取り出し床に簡易図を書き殴る。十字架型の教会建築。その中央に星印を打つ。

 

 「教会ってのは元々結界効果がある場所だ。だが逆に言えば"建物自体が弱点"でもある」

 

 ジバニャンが目を丸くした。

 

 「どういう意味ニャン?」

 

 「聖域の真ん中で戦えばこっちもダメージ受けるだろ? だから──」

 

 俺は指を立てて説明を続ける。

 

それと共に教会の周囲を見る。

 

「教会の周囲は森に囲まれている。本来ならば、この数の護衛がいると危険だが、ちびノブ達が森の中で警戒してくれているお陰で此方も万全な状態で迎え撃てる」

 

そう言いながら

 

「問題はだ、どの様に殲滅していくのかだ」

 

そう呟く。

 

「普通に攻め込めば良いではないのか」

 

ジバニャンは呆れる。

 

「駄目だ。ただでさえ大勢なのに、こちらは少数で攻め込んでいる」

 

そう。

 

相手は数十人以上の人達だ。

 

本来ならば、他の妖怪達も呼びたい所だが、この前の会長が言っていた悪魔の陣営に関する情報がほとんどない。

 

「それを考えれば、今回の作戦においては俺とジバニャンとちびノブ達だけで行うのが適任だろう」

 

「えっ私は?」

 

そう、絶花はこちらを見る。

 

「絶花の場合は、隠密はあまり得意じゃないだろ。紅丸ならばある程度の隠密も可能だし、ちびノブ達がいれば問題ないだろ」

 

「でも」

 

そう、心配そうにこちらを見る絶花。

 

「・・・何よりも、絶花は切札だ。もしも、俺達の作戦が失敗した時のバックアップを任せたいからな」

 

「太郎、けど、私って、妖怪ウォッチで呼び出せないでしょ」

 

「もしもの時はちびノブに伝令を任せているから」

 

そう言って笑う。

 

「・・・怪我しないで」

 

そう少し拗ねたような声で言った。

 

「わかったわかった。怪我したら慰めてくれよ」

 

そうやって揶揄ってやると

 

「べ、別に心配してないですから!太郎は強いし!」

 

少し顔を赤くして怒っている。

 

そう、俺達が談笑をしながら。

 

俺は、その視線を、ドアの方へと眼を向ける。

 

「・・・どう思いますか、会長」

 

「情報を与えて、たった一日。それだけでここまでの準備を行ったとはな」

 

その会話を聞いていた奴がいる。

 

いや、より正確に言えば、わざと聞かせていたんだが。

 

「だが、なぜこのような作戦を、この場で」

 

「我々に聞かせる為でもあるかもしれないな、そうだろ」

 

そう、まるでわざとらしく聞いてくる生徒会長。

 

「えっ生徒会長がなんで?」

 

「さぁな、まぁ、こちらとしては大仕事を任されたんだから、少しはフォローをして欲しいな」

 

「手伝う気はない。我々は我々の目的の為に動くからな」

 

「まぁ、良いや、邪魔しなければ」

 

「あぁ、互いにな」

 

 

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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