サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
あれから、俺達はこれまでと変わらず、学校で昼休みを過ごしている。
中学での給食を食べ終えた俺達は、普段通り過ごしていた。
「……ねぇ、太郎」
絶花は、既に日課となっている素振りを行っている。
普通の少女を目指すと言っていた絶花だが、素振りを行う事は止めていなかった。
身に付いた習慣と言うべきだろう。
それが彼女にとって落ち着く事だろう。
「なんだ?」
絶花は、そのまま俺の方に話しかける。
「何を書いているの」
俺は絶花に言われるまま、ノートを机の上を見せた。
「んっ、なんか、この前出てきた駒の整理」
そうしながら、俺は自分の身体から出てきた駒を見せる。
「これって」
「まるでチェスの駒のようだろ」
俺の言葉通り、ノートには駒の名前が書かれている。
「確かに」
「その中でキングとナイトとビショップ。それぞれ一つずつない。だから、これが俺が配下に渡された駒だと思う」
俺はノートにある駒に指を指しながら説明する。
「……でも、この駒って」
「そうだな」
その駒は『騎士』だった。
それは絶花に渡した駒だ。
「うん、結局、私の中から未だに消えてないから」
「だからこそ、家臣の証ではあるな」
「うん、それは良いけど」
そうして、絶花はノートの中を見る。
「……聞きたいのだけど、なんで天使や堕天使とか色々な種族の名前を書いているの」
「だって、絶花の理想の普通を実現するんだったら、これぐらいは必要だと思ったから」
「色々と酷いっ!?」
俺の言葉に対して、絶花は大声を上げた。
俺が書いているのは、絶花の理想となる世界。
それを叶えるための条件などを書き出している。
絶花の言う通り、普通に書けば色々と酷い。
だが、このノートは絶花の理想を叶えるために作ったものだ。
「私は、ただ普通になりたいのにぃ」
「とにかく、これから色々な種族を探していこう!」
「探すって言っても、そんなに簡単に見つかる訳じゃないし! 第一、そんな簡単に家臣になるとは」
「でも、探す価値はあるだろ。それに、駒の整理はしなくちゃいけないし」
俺はノートに書かれている駒を見る。
「確かにそうだけど、なんで、こんなにあるのよ!」
「だって、色々とあったし」
そう、この駒には色々とあった。
「まぁ、しばらくは探す事と情報を探る程度にしておきたいな」
「情報を探る程度?」
その言葉に絶花は首を傾げる。
「さっきも言っただろ、俺達は未だに分からない事が多い。その最中で接触するのは危険だからな」
「それは、まぁ」
「だから、まずは情報を探る。そして、家臣にする!」
「そこは変わらないの」
そう、呆れる絶花。
だけど、俺達を狙う影に気付かなかった。
次回の王は
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怪獣王
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