サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
俺は雷の鞭を振るい、次々と敵戦艦を薙ぎ払いながら、戦場全体の状況を把握しようと神経を研ぎ澄ませていた。青白い閃光が宇宙空間を這い回り、僚機たちの攻撃をサポートするたびに、敵艦が爆散していく。だが、それでもまだ敵の数は減らない。むしろ、次元の裂け目から新たな増援が次々と現れ、戦況は膠着状態に陥りつつあった。
「きりがねえな……!」
俺が悪態をついたその時だった。
『全機、聞こえるか』
通信に、怜慈の声が響いた。ギャバン・インフィニティの声だ。戦場の喧騒の中でも、その声だけは妙に明瞭に聞こえる。
『一度、全機を集める。座標を送る。そこに集合しろ』
「集合? こんな時に何を……」
俺は疑問を口にしかけたが、怜慈の声には確かな意図が感じられた。彼は俺たちの中で最も艦隊戦の経験が豊富だ。ならば、その指示には従うべきだろう。
『了解。直ちに向かう』
駆無の声が応じる。
『承知した』
ブシドーも短く返答した。
『任せたまえ』
アーマイゼの銅色の機体が、敵艦の間を縫って指定座標へ向かい始める。
「わーったよ」
俺も操縦桿を切り返し、雷光を纏った機体を反転させた。背後から迫る敵戦艦を雷の鞭で牽制しながら、指定された座標へと急ぐ。宇宙空間の一点に、次々とコスモギャバリオンが集結していく。銀色、金色、銅色、紫色。様々な装甲色の機体が、怜慈のインフィニティを中心に円陣を組むように展開していた。
俺もその輪に加わり、機体を静止させる。通信回線には、各機のパイロットたちの息遣いが微かに聞こえていた。全員が、憐慈の次の言葉を待っている。
「それで、怜慈。何をやるつもりだ」
俺は操縦桿を握りしめながら、正面に浮かぶインフィニティの機体を見つめた。深紅の装甲が、遠くの爆発の閃光を反射して不気味に輝いている。
『これだけの数が集まれば、一斉射撃で敵旗艦を叩ける。だが、そのためにはタイミングが全てだ。俺が合図を出す』
円陣を組んだコスモギャバリオンが、怜慈の機体を中心に整列する。俺は操縦桿を握りしめ、次の指示を待った。周囲ではまだ無数の敵艦が蠢いているが、今はそれよりも、怜慈が何を仕掛けるかの方が重要だ。
『全機、聞け』
怜慈の声が通信に響く。戦場の指揮官としての、紛れもない決断の声だ。
『これより全機で、超コスモエモーショナルバーストを発動する。これは一機では到底不可能な、全機のエネルギーを結集させる最大の一撃だ。俺の機体を中核とし、全機のエモルギアを一点に集中させる』
「全機の、だと……?」
俺は思わず呟いた。エモーショナルバーストは、通常は一機で放つ必殺技だ。それを全機で同時に、しかも憐慈の機体を中核として一つに束ねるというのか。聞いたこともない戦法だった。
『方法は簡単だ。全機、俺の機体を中心に逆さまになれ。そして、機体の全エネルギーを俺のギャバリオントリガーに委ねろ』
「逆さまに……?」
俺は操縦桿を握り直し、憐慈の指示に従って機体を反転させた。上下が逆転し、頭部が虚空を向く。周囲を見渡すと、他の全機も同じように反転していた。無数のコスモギャバリオンが、怜慈のインフィニティを中心に、まるで花びらのように逆さまに展開していく。その光景は、壮観というほかなかった。
『これでいいんだな、怜慈』
駆無の声が響く。
『ああ。では、全機、エネルギーを俺に委ねろ。タイミングは俺が取る』
俺は深呼吸を一つし、機体の全エネルギーを怜慈へと送り始めた。エモルギアが共鳴し、青白い雷光が怜慈の機体へと吸い込まれていく。他の機体からも、銀色、金色、銅色、紫色の光が次々と怜慈のインフィニティへと流れ込んでいった。
全機のエネルギーが、怜慈のギャバリオントリガーに収束していく。その輝きは、もはや一個の太陽のようだった。いや、太陽など比ではない。宇宙そのものを灼き尽くす、創造と破壊の光だ。
『全エネルギー、収束完了』
怜慈の声が、静かに響く。
『これより、超コスモエモーショナルバーストを発動する』
トリガーが、ゆっくりと引き絞られる。宇宙空間が震え、星々が瞬きを止めた。そして――
『放てぇぇぇぇっ!!』
全機のエネルギーを結集した光の奔流が、宇宙空間を一直線に駆け抜けた。それはもはや、単なる攻撃ではなかった。銀河を創り変えるほどの、圧倒的な力の奔流。敵艦隊の中心に位置する黒い太陽のような旗艦が、光に呑み込まれて消滅する。それだけではない。光はさらに拡散し、周囲に展開していた千を超える戦艦のすべてを、一瞬で灼き尽くした。
爆発すら起こらない。ただ、光が通り過ぎた後には、何も残っていなかった。
「これが……全機のエモーショナルバースト……」
俺は、目の前の光景に言葉を失った。宇宙空間から、敵艦隊の姿が完全に消え去っている。残っているのは、俺たちコスモギャバリオンのみ。全機が逆さまに展開したまま、静かに宇宙に浮かんでいた。
次回の王は
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妖怪王
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怪獣王
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幻想王