サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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ギャバン集結 case8

俺は雷の鞭を振るい、次々と敵戦艦を薙ぎ払いながら、戦場全体の状況を把握しようと神経を研ぎ澄ませていた。青白い閃光が宇宙空間を這い回り、僚機たちの攻撃をサポートするたびに、敵艦が爆散していく。だが、それでもまだ敵の数は減らない。むしろ、次元の裂け目から新たな増援が次々と現れ、戦況は膠着状態に陥りつつあった。

 

「きりがねえな……!」

 

俺が悪態をついたその時だった。

 

『全機、聞こえるか』

 

通信に、怜慈の声が響いた。ギャバン・インフィニティの声だ。戦場の喧騒の中でも、その声だけは妙に明瞭に聞こえる。

 

『一度、全機を集める。座標を送る。そこに集合しろ』

 

「集合? こんな時に何を……」

 

俺は疑問を口にしかけたが、怜慈の声には確かな意図が感じられた。彼は俺たちの中で最も艦隊戦の経験が豊富だ。ならば、その指示には従うべきだろう。

 

『了解。直ちに向かう』

 

駆無の声が応じる。

 

『承知した』

 

ブシドーも短く返答した。

 

『任せたまえ』

 

アーマイゼの銅色の機体が、敵艦の間を縫って指定座標へ向かい始める。

 

「わーったよ」

 

俺も操縦桿を切り返し、雷光を纏った機体を反転させた。背後から迫る敵戦艦を雷の鞭で牽制しながら、指定された座標へと急ぐ。宇宙空間の一点に、次々とコスモギャバリオンが集結していく。銀色、金色、銅色、紫色。様々な装甲色の機体が、怜慈のインフィニティを中心に円陣を組むように展開していた。

 

俺もその輪に加わり、機体を静止させる。通信回線には、各機のパイロットたちの息遣いが微かに聞こえていた。全員が、憐慈の次の言葉を待っている。

 

「それで、怜慈。何をやるつもりだ」

 

俺は操縦桿を握りしめながら、正面に浮かぶインフィニティの機体を見つめた。深紅の装甲が、遠くの爆発の閃光を反射して不気味に輝いている。

 

『これだけの数が集まれば、一斉射撃で敵旗艦を叩ける。だが、そのためにはタイミングが全てだ。俺が合図を出す』

 

円陣を組んだコスモギャバリオンが、怜慈の機体を中心に整列する。俺は操縦桿を握りしめ、次の指示を待った。周囲ではまだ無数の敵艦が蠢いているが、今はそれよりも、怜慈が何を仕掛けるかの方が重要だ。

 

『全機、聞け』

 

怜慈の声が通信に響く。戦場の指揮官としての、紛れもない決断の声だ。

 

『これより全機で、超コスモエモーショナルバーストを発動する。これは一機では到底不可能な、全機のエネルギーを結集させる最大の一撃だ。俺の機体を中核とし、全機のエモルギアを一点に集中させる』

 

「全機の、だと……?」

 

俺は思わず呟いた。エモーショナルバーストは、通常は一機で放つ必殺技だ。それを全機で同時に、しかも憐慈の機体を中核として一つに束ねるというのか。聞いたこともない戦法だった。

 

『方法は簡単だ。全機、俺の機体を中心に逆さまになれ。そして、機体の全エネルギーを俺のギャバリオントリガーに委ねろ』

 

「逆さまに……?」

 

俺は操縦桿を握り直し、憐慈の指示に従って機体を反転させた。上下が逆転し、頭部が虚空を向く。周囲を見渡すと、他の全機も同じように反転していた。無数のコスモギャバリオンが、怜慈のインフィニティを中心に、まるで花びらのように逆さまに展開していく。その光景は、壮観というほかなかった。

 

『これでいいんだな、怜慈』

 

駆無の声が響く。

 

『ああ。では、全機、エネルギーを俺に委ねろ。タイミングは俺が取る』

 

俺は深呼吸を一つし、機体の全エネルギーを怜慈へと送り始めた。エモルギアが共鳴し、青白い雷光が怜慈の機体へと吸い込まれていく。他の機体からも、銀色、金色、銅色、紫色の光が次々と怜慈のインフィニティへと流れ込んでいった。

 

全機のエネルギーが、怜慈のギャバリオントリガーに収束していく。その輝きは、もはや一個の太陽のようだった。いや、太陽など比ではない。宇宙そのものを灼き尽くす、創造と破壊の光だ。

 

『全エネルギー、収束完了』

 

怜慈の声が、静かに響く。

 

『これより、超コスモエモーショナルバーストを発動する』

 

トリガーが、ゆっくりと引き絞られる。宇宙空間が震え、星々が瞬きを止めた。そして――

 

『放てぇぇぇぇっ!!』

 

全機のエネルギーを結集した光の奔流が、宇宙空間を一直線に駆け抜けた。それはもはや、単なる攻撃ではなかった。銀河を創り変えるほどの、圧倒的な力の奔流。敵艦隊の中心に位置する黒い太陽のような旗艦が、光に呑み込まれて消滅する。それだけではない。光はさらに拡散し、周囲に展開していた千を超える戦艦のすべてを、一瞬で灼き尽くした。

 

爆発すら起こらない。ただ、光が通り過ぎた後には、何も残っていなかった。

 

「これが……全機のエモーショナルバースト……」

 

俺は、目の前の光景に言葉を失った。宇宙空間から、敵艦隊の姿が完全に消え去っている。残っているのは、俺たちコスモギャバリオンのみ。全機が逆さまに展開したまま、静かに宇宙に浮かんでいた。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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