サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
赤龍帝と白龍皇。
その、ある意味運命的な戦いに対して、俺達は間に合わなかった。
「まぁ、無事に終わったというべきか」
そうしながら、俺はその戦いの結末を見つめる。
見つめると、既にヴァーリも撤退する様子。
すると、ヴァーリはこちらの方を見る。
「君か」
「帰るのか?」
「あぁ、そうさせて貰うよ、君の家臣達との戦いは、また今度になりそうだがな」
ヴァーリは、その不敵な笑みを浮かべながらも、こちらを見る。
「君が言っていた夏のおでんだったか、その約束を守れないからね、一つ、面白い事を教えよう」
「面白い事?」
それに対して、その場にいた全員が首を傾げる。
「神器というのは、意外に面白い所がある。俺の持つ白龍皇の光翼と対となる赤龍帝の籠手。そこにいる彼の持つ魔剣創造と対をなす聖剣創造。神器には多くが対となる存在がある」
「確かにな、といっても、それは別に珍しくない事だろ」
「あぁ、そうだ、珍しくないのだよ、ならば、可能性は考えられるだろ」
「まさかっ」
その瞬間、理解してしまった。
もしも、それが本当だったら。
「俺の持つ王国の駒にも対となる神器があるのか」
「なっ」
それは、この場にいる全員にとっても驚きを隠せない事実だった。
ヴァーリもまた、頷く。
「まぁ、それは当たり前の事だ、チェスというのは1人では出来ない。対峙する相手がいなければ、ゲームは成立しないからな、そして、その神器を持つ者は禍の団にいる」
「いやぁ、そこまでお膳立てをされたら、僕も出なければいけないよねぇ」
聞こえた声。
そいつは、何時の間にかヴァーリの後ろにいた。
「っ」
全身が寒気に襲い掛かる。
というよりも、可笑しい。
「なるほど、君が僕と同じ神器を持つのか。噂は聞いているよ、唯我太郎君」
「そういうあんたの事は、俺は全く知らないな」
「当たり前だろ、僕は普段は決して表に出ない裏の王だからね」
「本当に裏だな、さっきから目の前にいるはずなのに、お前の姿が、全然見えない」
俺は、そう奴に向けて言う。
本当に生物なのか、そう疑いたくなるレベルだ。
「まぁね、君と同じく、僕には優秀な駒があるからね」
そうして、奴は俺を睨む。
「それで、ここで逃すとでも」
「あぁ、勿論、僕は挨拶に来ただけだからね、争いなんて意味はないからね」
それだけ言い、奴は、そこから消えようとした。
だが。
「唯我太郎」
「んっ?」
「王国の駒を持ち、いずれ王となる男だ、てめぇは何者だ」
「太郎、こんな時に、何を」
そう、周りは言う。
だけど、関係ない。
「何者かって?なぜそんな事を聞く?」
「決まっているだろ、俺と対になる奴だったら、名を聞くのは当たり前だろ」
「くくっ、情報不足を棚に上げるのかい?まぁ、けど」
それと共に奴は、笑みを浮かべる。
「あえて、これだけは名乗ろう、神器の名は『帝国の駒』」
その宣言と共に、奴は消えた。
帝国の駒に関する募集は、後日、行う予定です。
興味がある方はぜひ。
次回の王は
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