サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
ひとたび大きな戦いが終われば、次に訪れるのは束の間の休息と、そして次なる嵐に備えるための静かなる情報戦である。あの宇宙空間での艦隊戦から数日。俺は自宅のソファに凭れかかりながら、手にしたタブレット端末の画面をじっと睨んでいた。
「まだ見てるの、それ」
絶花が茶を淹れながら呆れたように言う。彼女はここ数日、ほとんど俺の自宅に入り浸っていた。いや、正確には俺の体調を気遣ってのことらしいが。
「大事な情報なんだよ」
俺は画面から目を離さずに応じる。タブレットには、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーに関するあらゆる情報が集められていた。経歴、戦闘能力、神器無効化の詳細、そしてアザ・ゾルスとの関連性。どれもこれも、次の戦いに不可欠な情報ばかりだ。
「しかし、リゼヴィムの情報がここまで集まるとはな」
ソファの下で丸まっていたレオルドが、顔を上げて言った。人前では喋らないはずの彼だが、今は絶花しかいない。遠慮なく口を開いている。
「普通のルートじゃ無理だ。俺たち宇宙警察のデータベースにも、リゼヴィムの詳細な居場所までは登録されていなかった」
「ああ。これは、別ルートからの情報だ」
俺は画面をスクロールしながら、ある一点で指を止めた。
「曹操たち英雄派からだ」
「英雄派?」
絶花が驚いたように目を丸くする。
「でも、彼らはついこの前まで敵だったんじゃ……」
「正確には、今も表向きは敵だ」
俺はタブレットをテーブルに置き、絶花の方を見た。
「曹操たちは今、禍の団に潛り込んでる。表向きは英雄派として活動しながら、内部から情報を集めてるんだ」
「スパイってことか」
レオルドが興味深そうに尻尾を揺らす。
「あの英雄バカどもが、よくそんな回りくどい真似を」
「あいつらも変わったんだよ」
俺は短く言った。
「俺たちとの戦いで、英雄の在り方ってやつを考え直したらしい。人々を守ることこそが英雄だと、そう結論を出したんだ。だからこそ、自らを悪に見せかけながら、内部から禍の団を探ってる」
絶花が静かに微笑んだ。
「太郎が、あの人たちに何かを見せたんだね」
「さあな。俺は別に、何も教えちゃいねえよ。あいつらが自分で見つけた答えだ」
俺は再びタブレットを手に取り、曹操から送られてきた情報を表示する。禍の団の組織図、クリフォトの構成、そして――リゼヴィムの潛伏先。
「ついに見つけたか」
レオルドがソファから飛び降り、俺の隣に座った。
「どこだ」
「禍の団の最深部。クリフォトの中心だ。そこに、リゼヴィムの本拠地がある。曹操たちが命がけで掴んだ情報だ」
「命がけ、か」
絶花の表情がわずかに曇る。
「彼ら、大丈夫なの」
「大丈夫じゃねえだろうな。でも、あいつらはそれを承知でやってる。英雄として、人々を守るために、自らを悪に見せかけてでも必要なことをやる。それが、あいつらの出した答えだ」
俺は立ち上がり、窓の外を見た。空はもう、あの赤黒い色ではない。だが、リゼヴィムがいる限り、いつまた同じ色に染まってもおかしくはない。
「面倒だな」
俺は呟いた。
「だが、情報は揃った。なら、やることは一つだ」
「行くのね」
絶花が立ち上がり、俺の隣に並ぶ。
「当たり前だ。リゼヴィムを放っておけば、どの世界もあの赤黒い空に染まる。それだけは、見過ごせねえ」
「なら、俺も行くぞ」
レオルドが俺の肩に飛び乗った。
「どうせお前一人じゃ、まともな報告書も書けねえだろ」
「うるせえ。報告書は曹操に任せる」
「お前、英雄派の首魁を何だと思ってるんだ……」
俺たちのやり取りを見て、絶花が小さく笑った。その笑顔を見ていると、少しだけ、これからの戦いが面倒じゃなくなる気がした。
「さて、まずは作戦会議だ。他のギャバンたちにも連絡を入れる。リゼヴィムを叩くなら、今度こそ全員で行くぞ」
俺はタブレットを閉じ、ギャバリオン・トリガーを手に取った。胸の奥で、王国の駒が静かに熱を帯びている。まだ戦いは終わっていない。だが、俺たちには仲間がいる。英雄派が命がけで掴んだ情報がある。ならば、あとはそれを活かすだけだ。
「待ってろよ、リゼヴィム。次に会った時が、お前の最後だ」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王