サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
突然の乱入者に、俺は一瞬息を呑んだ。いや、俺だけじゃない。絶花も、リゼヴィムも、この場にいる全員が、この二人の出現を予期していなかったはずだ。
「一条寺…烈…? 十文字…撃…?」
リゼヴィムが、わずかに首を傾げる。その顔には、まだ余裕の笑みが貼り付いたままだった。
「なんだい、その名前は。聞いたこともないな。まあ、人間が二人増えたところで、状況が変わるわけじゃないけどねぇ」
確かに、リゼヴィムの言う通りかもしれない。神器無効化の結界がこの部屋全体を覆っている以上、どんな武器も、どんな能力も封じられている。普通の人間が二人増えたところで、この悪魔に勝てる道理はない。だが――。
「キング、いや、唯我太郎」
一条寺烈が、俺に背を向けたまま静かに言った。その声は、年齢を重ねた刑事のものだ。落ち着いていて、それでいて熱い。
「お前は、まだ諦めるつもりはないか」
その言葉に、俺は思わず口元を歪めていた。
「当たり前だろ」
瓦礫を押しのけて立ち上がる。脇腹が悲鳴を上げ、口の中にはまだ血の味が残っている。だが、そんなことはどうでもいい。俺はギャバリオン・トリガーを握り直し、二人の隣に立った。
「諦める理由が、一つもねえんだよ」
十文字撃が、俺の顔を見て笑った。若々しく、荒っぽく、それでいて真っ直ぐな笑みだった。
「そうこなくっちゃな!」
その瞬間、胸の奥で熱が弾けた。
キズナエモルギアが、反応している。神器無効化の結界の中だというのに、確かに輝きを放っているのだ。リゼヴィムの能力は確かに神器と神器由来の力を封じる。だが、エモルギアは神器じゃない。これは、俺と仲間たちの絆、意志、想いを束ねる媒体だ。リゼヴィムの想定外を突く、唯一の力。
「行ける…!」
俺はキズナエモルギアをギャバリオン・トリガーに装填した。同時に、一条寺烈と十文字撃も、それぞれの手に蒸着デバイスを構える。
「蒸着!」
一条寺烈の声が響く。橙色の光が彼の身体を包み込み、銀色の装甲が展開されていく。宇宙刑事ギャバン。伝説の刑事が、今ここに甦る。
「蒸着!」
十文字撃が続く。灰色の光が炸裂し、彼の身体が新たな装甲に覆われていく。宇宙刑事ギャバンtype-G。若き後継者が、その拳を握りしめる。
「蒸着!」
俺もまた、引き金を引いた。キズナエモルギアの力が全身を駆け巡り、黒金の装甲が展開される。ギャバン・キング。俺たちの絆を力に変えた、俺だけの装甲だ。
三人のギャバンが、玉座の間に並び立つ。
「なんだと…!? この結界の中で、蒸着だと…!?」
リゼヴィムの顔から、初めて笑みが消えた。その目に浮かぶのは、明確な困惑と、ほんのわずかな焦りだ。
「お前の神器無効化は確かに厄介だ。だがな」
俺はギャバリオン・トリガーを構え、リゼヴィムを見据えた。
「俺たちの力は、神器だけじゃねえんだよ」
次回の王は
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