サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

776 / 776
キング case5

突然の乱入者に、俺は一瞬息を呑んだ。いや、俺だけじゃない。絶花も、リゼヴィムも、この場にいる全員が、この二人の出現を予期していなかったはずだ。

 

「一条寺…烈…? 十文字…撃…?」

 

リゼヴィムが、わずかに首を傾げる。その顔には、まだ余裕の笑みが貼り付いたままだった。

 

「なんだい、その名前は。聞いたこともないな。まあ、人間が二人増えたところで、状況が変わるわけじゃないけどねぇ」

 

確かに、リゼヴィムの言う通りかもしれない。神器無効化の結界がこの部屋全体を覆っている以上、どんな武器も、どんな能力も封じられている。普通の人間が二人増えたところで、この悪魔に勝てる道理はない。だが――。

 

「キング、いや、唯我太郎」

 

一条寺烈が、俺に背を向けたまま静かに言った。その声は、年齢を重ねた刑事のものだ。落ち着いていて、それでいて熱い。

 

「お前は、まだ諦めるつもりはないか」

 

その言葉に、俺は思わず口元を歪めていた。

 

「当たり前だろ」

 

瓦礫を押しのけて立ち上がる。脇腹が悲鳴を上げ、口の中にはまだ血の味が残っている。だが、そんなことはどうでもいい。俺はギャバリオン・トリガーを握り直し、二人の隣に立った。

 

「諦める理由が、一つもねえんだよ」

 

十文字撃が、俺の顔を見て笑った。若々しく、荒っぽく、それでいて真っ直ぐな笑みだった。

 

「そうこなくっちゃな!」

 

その瞬間、胸の奥で熱が弾けた。

 

キズナエモルギアが、反応している。神器無効化の結界の中だというのに、確かに輝きを放っているのだ。リゼヴィムの能力は確かに神器と神器由来の力を封じる。だが、エモルギアは神器じゃない。これは、俺と仲間たちの絆、意志、想いを束ねる媒体だ。リゼヴィムの想定外を突く、唯一の力。

 

「行ける…!」

 

俺はキズナエモルギアをギャバリオン・トリガーに装填した。同時に、一条寺烈と十文字撃も、それぞれの手に蒸着デバイスを構える。

 

「蒸着!」

 

一条寺烈の声が響く。橙色の光が彼の身体を包み込み、銀色の装甲が展開されていく。宇宙刑事ギャバン。伝説の刑事が、今ここに甦る。

 

「蒸着!」

 

十文字撃が続く。灰色の光が炸裂し、彼の身体が新たな装甲に覆われていく。宇宙刑事ギャバンtype-G。若き後継者が、その拳を握りしめる。

 

「蒸着!」

 

俺もまた、引き金を引いた。キズナエモルギアの力が全身を駆け巡り、黒金の装甲が展開される。ギャバン・キング。俺たちの絆を力に変えた、俺だけの装甲だ。

 

三人のギャバンが、玉座の間に並び立つ。

 

「なんだと…!? この結界の中で、蒸着だと…!?」

 

リゼヴィムの顔から、初めて笑みが消えた。その目に浮かぶのは、明確な困惑と、ほんのわずかな焦りだ。

 

「お前の神器無効化は確かに厄介だ。だがな」

 

俺はギャバリオン・トリガーを構え、リゼヴィムを見据えた。

 

「俺たちの力は、神器だけじゃねえんだよ」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

貴方の強さは私が知っている。(作者:魔女っ子アルト姫)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

目が覚めたら貴方は……ウマ娘になっていた!!▼何が何だから分からないけど、頼りになる友達の力を借りながら前向きに生きて行こう!!▼RPG-7様より、ランページのAI作成イラストを頂きました。▼【挿絵表示】▼【挿絵表示】▼【挿絵表示】▼


総合評価:11535/評価:8.17/連載:665話/更新日時:2026年07月24日(金) 04:23 小説情報

インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~(作者:S-MIST)(原作:インフィニット・ストラトス)

 自宅で遊んでいたら停電。気がついたら何故か篠ノ之束博士の秘密研究室という訳の分からない状況に放り込まれるオリ主。▼ しかも強化人間という素敵仕様。▼ そんな人間がISの世界で色々と苦労(?)をしていくようなお話です。▼ ▼ (現実×ACFA)→インフィニット・ストラトスという他の作者様の何番煎じか分からないような代物ですが、アニメに触発されて書いてしまいま…


総合評価:36262/評価:8.15/連載:268話/更新日時:2026年07月26日(日) 12:17 小説情報

ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド(作者:ガチャガチャクツワムシ)(原作:ポケットモンスター)

サトシと同期の5人目の新人トレーナーとして主人公が旅に出て成長していく物語。▼オリジナルキャラが多めに出る上、原作キャラの強化もしようと考えています。▼生成AI使用して作成してします。


総合評価:155/評価:7.33/連載:124話/更新日時:2026年07月26日(日) 11:20 小説情報

暗殺Switch on!(作者:ちゃがまくら)(原作:暗殺教室)

とある仮面ライダーフォーゼと宇宙が好きな少年《如月 空吾》▼彼は特撮から学んだ愛に生きるため、友の代わりに死んだ。▼それを見ていた神は彼に話を持ちかけた。▼好きな力を与えよう。代わりにその世界で起こる騒動を解決してほしい。▼彼はその提案に乗り、再び人間の生を受けた。▼とある禁断のスイッチと探索セットと拠点を携えて…▼え?1話で拠点無くなるの!?


総合評価:226/評価:7.29/連載:23話/更新日時:2026年06月15日(月) 09:55 小説情報

アニポケ転生者物語(作者:投稿者)(原作:ポケットモンスター)

物心ついた時、主人公はこの世界がアニメ『ポケットモンスター』の世界だと気づいた。▼リーグ制覇や最強を目指すつもりはない。ただ、この世界の空気を吸い、ポケモンたちと触れ合う「エンジョイ勢」として生きていきたい。▼そう思っていたはずが、旅立ちの日に母から託されたのは、シルフカンパニー製の試作デバイスと、データ収集用のポケモン「ポリゴン」。▼オーキド博士から貰った…


総合評価:1829/評価:7.38/連載:350話/更新日時:2026年07月07日(火) 23:47 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>