サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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キング case6

「ふざけるな…! 人間ごときが…!」

 

リゼヴィムの顔から、完全に余裕の笑みが消えた。代わりに浮かんだのは、初めて見せる焦燥だ。神器無効化の結界の中で、三人のギャバンが同時に蒸着を完了させた事実。それは彼の計算を完全に覆す、想定外の事態だったのだ。

 

「消えろ!」

 

リゼヴィムが両手を広げ、無数の魔力弾を放つ。漆黒の弾丸が雨のように降り注ぎ、玉座の間全体を覆い尽くす。俺はギャバリオン・トリガーを構え、光弾で迎撃した。一発、二発、三発。次々に魔力弾を撃ち落とす。

 

「はあっ!」

 

一条寺烈が叫び、十文字撃と同時にレーザーZビームを放つ。二筋の光が交錯し、魔力弾の雨を正面から打ち破っていく。初代ギャバンとtype-G。世代を超えた二人のギャバンの技が、俺の射撃と共鳴するかのように重なり合う。

 

「今だ!」

 

俺は床を蹴り、一気に間合いを詰めた。ギャバリオン・ブレードを引き抜き、リゼヴィムの懐へと斬り込む。右からは一条寺烈が、左からは十文字撃が、それぞれレーザーブレードを手に迫る。三人の刃が、三方向からリゼヴィムを包囲した。

 

「小賢しい!」

 

リゼヴィムが黒い魔力を全身に纏い、防御壁を展開する。俺のブレードが、烈のレーザーブレードが、撃のレーザーブレードが、同時にその壁を斬り裂く。火花が散り、魔力が弾け、金属音が戦場に響き渡る。一撃、二撃、三撃。間断なく斬撃を繰り出す三人の攻撃に、リゼヴィムは防戦一方に追い込まれていた。

 

「なぜだ…! なぜ私が押されている…!」

 

リゼヴィムが歯噛みする。その声には、もはや嘲笑の響きはない。代わりに滲むのは、純粋な焦りと困惑だ。神器の力が使えない、ただの人間三人に、悪魔の超越者が追い詰められている。その事実が、彼の自尊心を深く傷つけていた。

 

「答えは簡単だ」

 

俺はギャバリオン・ブレードを構え直しながら、リゼヴィムに言い放つ。

 

「お前は俺たちの力を神器だけだと思ってた。だが、違う。俺たちの力は、仲間との絆だ。守るべき者のために立つ、その意志だ」

 

「黙れぇっ!」

 

リゼヴィムが逆上し、魔力を爆発させる。俺はとっさにブレードを盾に衝撃を逃がした。烈と撃も、それぞれのレーザーブレードで防御姿勢を取る。爆風が過ぎ去った後、俺は再びリゼヴィムを見据えた。

 

「焦ってるな、リゼヴィム。神器の力が使えない人間に押されるのは、そんなに悔しいか」

 

リゼヴィムは答えない。ただ、その目には明確な敵意と、そして初めて見せる「危機感」が宿っていた。この悪魔は、今初めて俺たちを「脅威」と認識したのだ。

 

リゼヴィムが、これまでとは比べ物にならない魔力を全身に集中させているのが分かった。玉座の間全体が震え、壁に刻まれた魔法陣が次々に砕け散る。黒い魔力がうねり、彼の両手の間に凝縮されていく。その規模は、もはや個人を狙う攻撃ではない。部屋ごと、いや、この基地ごと消し飛ばすつもりだ。

 

「これで終わりだ! 人間どもがぁっ!」

 

リゼヴィムが叫び、巨大な魔力弾を放った。漆黒の太陽のようなそれが、俺たち三人に向かって迫る。まともに受ければ、蒸着した装甲でも耐えられない。だが、俺たちは誰一人として退かなかった。

 

「烈さん!」

 

十文字撃が叫ぶ。一条寺烈が、静かに頷いた。その手に握られたレーザーブレードが、銀色の輝きを増す。

 

「俺が切り裂く。撃、続け」

 

「了解!」

 

一条寺烈が跳躍した。巨大な魔力弾に向かって、ただ一人、銀色の閃光となって突っ込む。その動きに、迷いはない。伝説の宇宙刑事が、かつて無数の宇宙犯罪組織を壊滅させてきた歴戦の技が、今ここに炸裂する。

 

「ギャバン・ダイナミック!」

 

銀色の刃が、漆黒の太陽を真っ二つに切り裂いた。魔力弾が左右に割れ、衝撃波が周囲の壁を粉砕する。だが、それで終わりではない。切り裂かれた魔力の向こうで、リゼヴィムが驚愕に目を見開いている。その背後には、まだ無事な漆黒の翼が広がっていた。

 

「まだだ!」

 

一条寺烈の背後から、十文字撃が飛び出した。type-Gの装甲が閃光を放ち、レーザーブレードが弧を描く。

 

「これで、飛べなくなるぜ!」

 

一閃。十文字撃のレーザーブレードが、リゼヴィムの右翼を根元から切り落とした。続けて左翼も。二枚の漆黒の翼が、音を立てて床に落下する。リゼヴィムが悲鳴を上げた。飛ぶ手段を失い、その巨体が地面に落ちる。逃げ道は、もうない。

 

「これで、終わりだ」

 

俺はギャバリオン・ブレードを構えた。リゼヴィムは膝をつき、憎悪に満ちた目で俺たちを睨みつけている。その胴体には、まだ無数の魔力が渦巻いているが、翼を失い、魔力弾も破られた今、奴に残された手札はない。

 

「よくも…よくも私を…! ただの人間が…!」

 

「ああ、ただの人間だよ。でもな」

 

俺は一歩、踏み込んだ。

 

「ただの人間が、お前を倒すんだ」

 

ギャバリオン・ブレードを振り抜く。刀身がリゼヴィムの胴体を深く斬り裂き、その巨体が吹き飛ばされた。壁に叩きつけられ、瓦礫が崩れ落ちる。だが、まだだ。これだけじゃ、まだ決着にはならない。

 

「三人同時に、行くぞ!」

 

一条寺烈の号令が響く。三人のギャバンが、同時に構えた。俺はギャバリオン・ブレードを、烈と撃はレーザーブレードを、それぞれの必殺の構えでリゼヴィムに向ける。

 

「「「ギャバン・ダイナミック!!」」」

 

三筋の閃光が、一直線にリゼヴィムを貫いた。銀色、灰色、黒金。三つの光が重なり合い、悪魔の超越者の身体を完全に粉砕する。リゼヴィム・リヴァン・ルシファーが、断末魔の叫びを上げる暇すらなかった。光が収まった時、そこにはもう、何も残っていなかった。

 

俺はギャバリオン・ブレードを収め、深く息を吐いた。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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