サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
その日、俺はかなりの大怪我をしていた。
それは、少し前のテロの1件で負った怪我ではない。
そして、敵にやられた怪我でもない。
「なんというか、いきなり酷いじゃないか、絶花」
「いきなりノックもなしに、家に入ってきた太郎が悪いんでしょう!」
この怪我は、先程、俺が絶花の家に入った時だった。
叔母さんは、久し振りに会った俺達を歓迎してくれた。
そして、丁度、その時、絶花は朝の鍛錬を終えた後、シャワーを浴びていた。
そして、油断していた絶花は、無防備な姿をさらしていた。
『……い、いやぁあああああああああああっ!!』
その瞬間、俺は思いっきり絶花の拳をくらって、吹き飛ばされたのだ。
「まったく! 乙女のプライベートタイムを覗き見るなんて最低ね!」
「……まぁ、確かに、いきなり来た俺が悪いんだけど、あれはちょっと……」
あの時の絶花は、バスタオル一枚だけの下着姿だった。
その光景を思い出しながら、俺は苦笑した。
「そういえば、太郎と会うのは、久し振りね」
「あぁ、そうだな」
「けど、なんでここに?」
「夏休みだからな、旅行とかどうかと思って」
「りょっ、旅行!?」
その瞬間、絶花は、なぜかまた顔を真っ赤にした。
「ど、どうした? なんか顔が赤いぞ?」
「き、気のせいでしょう!! それより、いつ行くの?」
「今から」
「今から!?」
同時に絶花は、別の意味で驚いたのか、顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「そんなっ、いきなり言われても! 私にだって、予定が!」
「えぇ、けど、叔母さんから聞いたけど、毎日、竹刀を振っているだけで、特に用事がないから旅行に連れて行ってあげてって言われたけど」
「お母さぁぁぁん!!」
それを聞いた瞬間、絶花は、なぜか涙目になりながら、頭を抱えた。
すると、それを見ていた叔母さんは、苦笑しながら口を開いた。
その言葉に絶花は、ゆっくりと顔を上げた。
「それで、今度は、どこに行くの? もぅ、どこに行っても、そんなに驚かないけど」
半年前まで、俺の家臣集めに付き合って、絶花も慣れていた。
それこそ、世界一周で、様々な所で戦ってきた。
それに対して、俺はアザゼル先生から預かったチケットを見せる。
「冥界」
「……」
それに対して、絶花は、思わず無言になった
「太郎、私と一緒にいない半年間、何をしたの?」
「えっ、別に、同盟関係を増やしただけだが?」
「……滅さんに事情を聞くわ、その方が分かりやすい」
「なんで?!」
俺の一言に対して、絶花はため息をつきながらも、部屋に向かう。
半年前まで、突然の旅行もあって、こういうのには慣れている絶花。
ふと、その時に思ったのは、寂しさ。
「……あいつもいたらな」
そう、頭を摩りながら、そう呟く。
次回の王は
-
妖怪王
-
機械王
-
怪獣王
-
幻想王