サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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後悔と剣鬼 Part8

「行くぞ!」

 

叫んだ。俺とゼロの声が重なる。

 

その瞬間、体が変わった。

 

青い光が全身を駆け抜ける。赤と銀だった装甲が青へ染まる。頭部のラインが伸び、胸のカラータイマーが澄んだ蒼へ変わる。

 

「ルナミラクルゼロ!」

 

ゼロの声。同時にダイナの体も変わった。銀と赤のストライプが青へ流れ、青いラインが全身を走る。

 

「ミラクルタイプ!」

 

モブの驚いた声。だが体は動いている。俺の合図に合わせて変身した。意識はモブのままだが、ダイナの体が自然とタイプチェンジを受け入れている。

 

夏目のコスモスも、柔らかな光を纏う。だがこちらは青いまま。ルナミラクル形態に近いが、コスモスは本来この形態だ。

 

ダークロプスゼロが反応した。

 

奴の装甲が赤から青へ切り替わる。駆動音が変わる。高い金属音。模造ルナミラクルだ。

 

「来るぞ!」

 

ゼロの警告と同時に、ダークロプスゼロが消えた。高速移動。さっきと同じだ。だが今回は一人じゃない。

 

「右!」

 

叫ぶ。モブが反応する。ダイナの体が右へ滑る。ダークロプスゼロの光線が空を切る。

 

「夏目!正面!」

 

コスモスの両手が前に出る。バリア。光の盾。ダークロプスゼロの第二射が弾かれる。衝撃波。山肌が抉れる。だが二人は耐えている。

 

「よくやった!今だ!」

 

俺は分身した。

 

ルナミラクルの能力。鏡面のように体を分割する。二体、三体、四体。同じゼロが四方へ散る。

 

「ゼロスラッガー!」

 

頭頂の刃が飛ぶ。四体分。計八本の光刃が空中で弧を描く。ダークロプスゼロの周囲を取り囲む。

 

「当たれ!」

 

全方向からの斬撃。青い装甲に火花が散る。回避しきれない。模造とはいえ、多方向からの同時攻撃には対応できない。

 

「効いてる!」

 

モブの声。ダイナが拳を握る。

 

だがダークロプスゼロは倒れない。

 

青い装甲が赤く変わった。

 

「チッ!」

 

切り替え。駆動音が重くなる。模造ストロングコロナ。さっきの膂力特化形態だ。

 

ダークロプスゼロが咆哮した。機械的な音だが、確かに叫んでいる。俺の攻撃に怒っているのか。いや、怒りじゃない。計算だ。この状況で最適な行動を選んだだけだ。

 

「来る!」

 

奴が突っ込んでくる。赤い拳。さっきと同じ重さ。いや、それ以上か。四体に分身した状態じゃ受け止めきれない。

 

「戻るぞ!」

 

分身を解除する。一体に戻る。零距離で拳を受ける。腕が悲鳴を上げる。骨がきしむ。吹き飛ばされそうになる。だが踏みとどまった。

 

「次だ!」

 

叫ぶ。今度はこっちの番だ。

 

「ストロングコロナゼロ!」

 

青が赤に変わる。全身のラインが紅へ染まる。力が溢れる。膂力。打撃力。押し込みに特化した形態。

 

同時にダイナも変わった。青から赤へ。ミラクルタイプからストロングタイプへ。モブの声が響く。

 

「赤くなった!?」

 

「今は叫ぶな!力を感じろ!」

 

俺は叫び返す。ダイナの体が赤い光を纏う。コスモスも変わる。青から橙へ。ルナモードからコロナモードへ。夏目の声が震える。

 

「熱い……!」

 

「それでいい!」

 

ダークロプスゼロが突っ込んでくる。赤と赤。同じ形態。同じ力。だがこっちは三対一だ。

 

「叩き込むぞ!」

 

俺は踏み込んだ。ダークロプスゼロの拳と俺の拳がぶつかる。衝撃波。地面が割れる。だが今回は押し負けない。ストロングコロナの膂力。それにダイナとコスモスの力が重なる。

 

「モブ!左!」

 

「はい!」

 

ダイナが左から殴る。赤い拳。ストロングタイプの重い打撃。ダークロプスゼロの体が揺れる。

 

「夏目!右!」

 

「わ、わかりました!」

 

コスモスが右から体当たりする。コロナモードの力。押し込む。ダークロプスゼロが後退する。

 

「今だ!」

 

俺はダークロプスゼロの胸倉を掴んだ。持ち上げる。重い。だが持ち上げられる。ストロングコロナの力。そしてダイナとコスモスの力が背中を押す。

 

「吹き飛ばす!」

 

投げた。ダークロプスゼロが宙を舞う。地面に叩きつけられる。山が揺れる。土煙が上がる。

 

だが奴はまだ動いている。

 

起き上がる。その胸が光った。

 

「何だ……?」

 

胸の中央。今までなかった光が浮かぶ。円形の装置。ディメンションコア。ゼロが叫ぶ。

 

『止めろ!奴のディメンションコアが展開している!』

 

「ディメンションコア?」

 

『異空間への門だ。あれが開けばここごと別次元へ飛ばされる!』

 

冗談じゃない。ここには絶花もギレーヌもいる。モブと夏目も戻れない。そんなことをさせるわけにはいかない。

 

「阻止する!」

 

ダークロプスゼロの胸の光が膨らむ。白い光が渦を巻く。異空間への門。開きかけている。

 

「ゼロ!やれるか!」

 

『ああ!だが一人じゃ足りない!力を貸せ!』

 

「わかった!」

 

俺は右腕を構えた。ストロングコロナゼロの右腕。ゼロの必殺技を放つ体勢。

 

「モブ!夏目!力をくれ!」

 

二人が反応する。ダイナが背後に回る。コスモスも。

 

「こうか!?」

 

モブの声。ダイナの体から赤い光が溢れる。ストロングタイプのエネルギー。それが俺の背中に流れ込んでくる。

 

「これでいいのかな」

 

夏目の声。コスモスの体から橙の光が溢れる。コロナモードのエネルギー。それも背中から流れ込む。

 

熱。力。三つの力が一つに集まる。右腕が光る。赤。橙。金。混ざり合って一つの色になる。真紅。

 

『来るぞ!』

 

ダークロプスゼロが叫んだ。胸のディメンションコアが完全に展開する。白い光線。異空間への門を開く光。真っ直ぐこちらへ。

 

「来い!」

 

俺は叫ぶ。右腕を突き出す。三つの力が一点に集まる。ゼロの力。ダイナの力。コスモスの力。

 

「ガルネイトバスター!!」

 

真紅の光線が放たれた。

 

轟音。光が空を裂く。ダークロプスゼロの白い光線と正面からぶつかる。光と光。二つの奔流が拮抗する。

 

重い。腕が折れそうだ。だが支える。モブが背中を押す。夏目が背中を押す。三人の力。一本の光線。

 

「負けるな!」

 

叫ぶ。光線が太くなる。ダークロプスゼロの白い光が押し返される。だが奴も力を込める。白い光が再び押し寄せる。

 

「くそっ!」

 

腕が悲鳴を上げる。カラータイマーが点滅する。あとどれくらいだ。十秒か。五秒か。

 

「モブ!」

 

「はい!」

 

「もっとだ!全部出せ!」

 

「わ、わかりました!」

 

モブが叫ぶ。ダイナの体が輝く。赤い光がさらに流れ込む。

 

「夏目!」

 

「はい!」

 

夏目が叫ぶ。コスモスの体が輝く。橙の光がさらに流れ込む。

 

「行くぞ!」

 

俺は全ての力を右腕に込めた。ゼロの力。ダイナの力。コスモスの力。三つが混ざり合い、一つの真紅になる。

 

光線が膨張した。

 

巨大化した。太さが倍になる。三倍になる。ダークロプスゼロの白い光を飲み込む。

 

「これで終わりだ!」

 

叫ぶ。光線が白を押し潰す。ダークロプスゼロの胸元に到達する。

 

爆発。

 

真紅の光が弾けた。白い光が消える。ダークロプスゼロの体が光に包まれる。

 

「うおおおおお!」

 

奴の咆哮。機械的な声。だが確かに断末魔だ。装甲が剥がれる。内部の機械が露出する。光が溢れる。爆ぜる。

 

ダークロプスゼロが爆散した。

 

光が山を照らす。爆風が吹き抜ける。木々がなぎ倒される。だが俺たちの周囲だけは無事だ。三つの光が盾になっていた。

 

光が晴れる。

 

ダークロプスゼロの姿はなかった。跡形もない。ただ大きなクレーターだけが残っている。

 

「終わった……か?」

 

モブの声。ダイナの姿のまま立ち尽くしている。

 

「はい。終わったようですね」

 

夏目の声。コスモスの姿のまま空を見ている。

 

俺は右腕を下ろした。震えている。力が抜ける。膝が折れそうになる。だが倒れない。倒れるわけにはいかない。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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