サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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爆裂 Part8

「めぐみん!今か!!」

 

俺の叫びが夜空を切り裂いた瞬間——背後から、眩い光が迫った。

 

「準備完了です、王!!」

 

振り返る。そこにいたのは、全身が紅と青の光に包まれたウルトラマンブレーザー。その両手に握られたスパイラルバレードは、もはや槍というより星そのものだった。赤と青の二重螺旋が高速で回転し、周囲の空気を蒸発させている。

 

(でかい…いや、これはもう兵器だ)

 

「王!今です!!」

 

「おう!!」

 

俺はウルティメイトイージスの装着を解除する。

 

カシュッ——!

 

上半身の巨大な鎧が分割され、パーツが展開していく。剣が消え、鎧が解け、ウルティメイトゼロの姿が変容していく。

 

「何を——」『相棒、まさか』

 

「やるよ」

 

ゼロの驚きをよそに、展開したパーツが再構築されていく。弓の形へ。

 

超弓状のファイナルウルティメイトゼロモード。

 

両腕が巨大な弓の骨格となり、ゼロの全身が弦を張るための台座となる。中央に光の弦が現れ、引き絞るべき矢の座が形成された。

 

「……これが」『ファイナルウルティメイトゼロモード……!』

 

ゼロの声が、初めて震えていた。いや、恐怖ではない。感動だ。自分の新たな姿を目の当たりにした驚きと高揚。

 

「めぐみん!矢を頼むぞ!!」

 

「はい!!任せてください!!この一撃に全てを——!!」

 

ブレーザーがスパイラルバレードを掲げる。赤と青の螺旋が一段と激しく回転し、轟音のような風切り音が響き渡る。

 

(すげえ威力だ。あれを直撃に受けたら——)

 

考えはそこまでだ。今は信じるしかない。

 

俺は左手を伸ばし、スパイラルバレードを受け取る。ずしりと重い。だが、ウルティメイトゼロモードの弓はその重さを物ともしない。

 

矢座にセット。

 

カシュンッ。

 

スパイラルバレードが弓に装填された瞬間、赤と青の光が弦と共鳴した。ブォン——という低い振動音が大気を震わせる。

 

「うおおおおお…!!」

 

俺は弦を引く。

 

引けば引くほど、光が膨れ上がる。スパイラルバレードの回転が加速し、赤と青の螺旋が一つに絡まり合い、眩い白い光へと昇華していく。

 

(重い。だが——この重さは、力だ)

 

全身の筋肉が軋みを上げる。ゼロの意識と俺の意識が完全に同調している。呼吸まで合っている。

 

『相棒——いけるか?』

「当たり前だ。いついけなかった?」

 

グランドタイラントが動く。俺たちの変形に気づいたのか、全ての武器を一斉に向けてきた。鉄球が飛び、カマが迫り、鞭がしなり、角から電撃が放たれる。

 

だが——もう遅い。

 

「行くぞめぐみん!!」

 

「はい!!エクスプロージョン——!!」

 

弦を放った。

 

ドォォォォォォン!!

 

世界が白くなった。

 

スパイラルバレード——いや、星の槍となったその一撃は、光の筋となって夜空を突き抜けた。

 

全ての攻撃を置き去りにする速度。鉄球もカマも鞭も電撃も、その光の前では止まった映像のように見えた。

 

グランドタイラントのバキシムの顔面が、初めて恐怖の表情を浮かべたように見えた。

 

(見えたか?俺には見えたぞ)

 

星の槍はグランドタイラントの胸元——バキシムの顔面の中心を狙い、一直線に突き進む。

 

ズガアアアン!!

 

直撃。

 

スパイラルバレードがグランドタイラントの装甲を貫いた。

 

ドスンッ——という重い音と共に、赤と青の螺旋がグランドタイラントの体内で回転し、その力を内側から解き放つ。

 

「……これで」『終わりだ』

 

グランドタイラントの巨体が内側から光り始めた。亀裂が全身に走り、そこから白い光が溢れ出す。

 

そして。

 

「……王」『ああ』

 

「やりましょう」『やったな、相棒』

 

ドォォォォォォォォン——!!

 

グランドタイラントが爆散した。

 

十一体分の怪獣能力を束ねた暴君が、星の光の中に溶けていく。夜空が昼のように明るくなり、衝撃波が大地を駆け抜けた。

 

俺はファイナルウルティメイトゼロモードを解除し、ふらりと膝をついた。

 

「……終わったか」

 

『ああ。終わった』

 

ゼロの声も、どこか安堵に満ちている。

 

「王〜〜〜!!」

 

後ろからドタンッと体当たりのような抱擁を受けた。めぐみんだ。魔力切れでふにふにの筈なのに、なぜか全力で飛びついてきた。

 

「やりました王!やりましたよ!!私の爆裂魔法と天体の力で倒しました!!」

 

「お、おう。まあそうだな」

 

「そうです!ですから私は凄いんです!褒めてください!!」

 

「……お前な、今この状況でそれを言うか」

 

だが、俺の口元は緩んでいた。否定できない。こいつの火力がなければ、この一撃は成立しなかった。

 

(素直に認めるのは癪だが——まあ、今回はだ)

 

「……よくやったよ、めぐみん」

 

「えっ」

 

めぐみんが顔を上げる。目を丸くしている。

 

「聞こえなかったか。よくやったって」

 

「……ふふ。ふふふふ」

 

めぐみんが笑い出した。魔力切れで顔色は悪いのに、その笑顔だけは妙に晴れやかだった。

 

「やっぱり王は私のこと認めてるんですね」

 

「……調子に乗るなよ」

 

夜空には、グランドタイラントの残骸が光の粒子となって降り注いでいた。

 

それはまるで、星屑のようだった。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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