サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
# 第6話「融合する影、交差する光」
## 巨体との初撃
ジードの両手に、赤い電撃が纏わりついた。
「これが…私の力」
アンビーの声が、ジードの体内から響く。驚きと高揚が混ざった声。それが俺にも伝わってくる。
「感じるかアンビー」
「ええ。力が溢れてくる。制御できるかどうか」
「制御なんざ後で考える。今は使うだけだ」
俺は叫んだ。
「行くぞアンビー!」
「ええ!」
俺たちは同時に地面を蹴った。
赤黒い巨体——ベリアル融合獣が、こちらに気づく。頭部の角が鋭く光り、赤い目が俺たちを捉える。
アンビーが先に動いた。
ジードの身体が滑るように加速する。両手に纏った赤い電撃が、刃のように伸びていく。
「斬る!」
アンビーが叫んだ。
電撃の刃が、ベリアル融合獣の胸元へと走る。一直線に。
ザシュッ!!
肉を裂くような音が響いた。電撃の刃がベリアル融合獣の胸を抉る。胸の赤い結晶状器官の周囲に亀裂が走り、赤黒い液体が飛び散る。
「効いたか!」
だが、ベリアル融合獣は怯んだだけだった。
一瞬、後退る。だがすぐに体勢を立て直し、長い尾を振り上げた。
ドォォン!!
尾が空気を裂く。風圧だけで体が浮きそうになる。アンビーは咄嗟に腕を交差して防御したが、尾の一撃で地面へ叩きつけられた。
「くっ…!」
「アンビー!」
俺は反射的に前に出た。だが、ベリアル融合獣の尾が再び振られる。今度は横薙ぎだ。
「チッ!」
俺は跳躍してかわした。だが、尾が通り過ぎた後ろで——
ガガガッ!!
建物が崩れた。三階建てのビルが、豆腐みたいに折れて瓦礫の山になる。鉄骨が宙を舞い、コンクリートの破片が雨のように降り注ぐ。
(まずい…)
俺は着地し、周囲を見回した。
瓦礫の向こうで、更なる崩壊音が響く。ベリアル融合獣が動くたびに、周囲の建物が次々と壊れていく。一歩。一歩。そのたびに地面が沈み、建物が崩れ、道路が砕ける。
「デカすぎる…!」
この巨体を街の中で戦わせるのは無理だ。迂闊に動けば、被害が拡大する一方だ。
「アンビー、大丈夫か!」
「大丈夫。でも…」
アンビーが立ち上がる。ジードの身体に傷はほとんどない。だが、表情は曇っていた。
「このままじゃ街が」
「分かってる」
俺は歯を食いしばった。このままでは、戦う前に街が壊滅する。こいつを早く止めないと——
『太郎、を使うぞ』
ゼロの声が脳内に響いた。
「切り札?」
『ウルティメイトイージスだ。今の形態じゃ、あの巨体を止めるには火力が足りねぇ』
「だが、ウルティメイトイージスを使えば——」
『街への被害は最小限に抑えられる。お前が剣を振るえば、あいつを一撃で叩き斬れる』
「一撃で」
『ああ。やるか?』
俺は迷わなかった。
「やるに決まってるだろ!」
俺はウルトライズブレスレットからウルティメイトイージスのコスモレコードを取り出した。
「アンビー、少し時間を稼げ!」
「分かったわ!」
アンビーが再び前に出る。ジードの両手に赤い電撃が再び纏わりつく。
俺はコスモレコードをスキャンした。
「ウルティメイトイージス!」
光が弾け、俺の身体が変容する。ゼロコスモライズから通常形態へ。そして——
上半身に巨大な鎧。腕には身の丈はあるだろう剣。
ウルティメイトゼロ。
俺は剣を構えた。
次回の王は
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