サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
俺は剣を構えたまま、地面を蹴った。
同時にアンビーも動く。ノアクティブサクシードの青い光が、空気を裂くような残像を引いて加速していく。
「行くぞアンビー!」
「ええ!」
二つの光が交差する。
ベリアル融合獣の巨体が、低く唸りながらこちらへ向き直る。胸の赤い結晶状器官が、警告音のような脈動を刻んでいた。だが——逃がさない。
俺は剣を横薙ぎに振った。
ウルティメットイージスの巨剣が、赤黒い装甲を切り裂く。ズザッ!と、肉を断つ感触が腕に伝わった。硬い。だが、切れないほどじゃない。
「ぐぅ…!」
ベリアル融合獣が呻き、後退る。だが、その隙をアンビーは見逃さなかった。
「今!」
アンビーの両手に纏った赤い電撃が、刃のように延びる。ジードの姿を纏った彼女は、身を翻してベリアル融合獣の背後へ回り込んだ。
「はあっ!」
ザシュッ!!
電撃の刃が、背中の背びれの根元を抉る。赤黒い液体が飛び散り、背びれが一本折れて地面へ落下した。ドォン!と、重い音が響く。
「効いてる!」
アンビーの声が弾んだ。
俺は剣を逆手に持ち替え、突きを放った。巨剣の切っ先が、胸の結晶状器官の横を掠める。避けられた。だが、装甲に亀裂が走った。
「装甲が厚い…!」
「でも、切れる!」
アンビーが叫び、再び斬りかかる。ジードの腕から放たれる赤い電撃が、何度も何度もベリアル融合獣の身体を切り裂いていく。肩、脇腹、太腿。赤黒い装甲が徐々に切り裂かれ、内部の筋肉組織が露出していく。
「ぐあああああっ!」
ベリアル融合獣が咆哮し、尾を振り上げた。巨大な尾が、鞭のように空気を裂く。俺は咄嗟に剣で受け止めた。
ドガンッ!!
衝撃。腕が痺れる。だが、耐えられる。
「太郎!」
「大丈夫だ!」
俺は剣を押し返し、尾を弾き飛ばした。尾が宙を舞い、地面に叩きつけられる。アスファルトが砕け、土煙が舞い上がる。
「アンビー、続けろ!」
「ええ!」
アンビーが再び動く。ジードの両手が、赤い電撃を纏って赤黒い巨体へと突き刺さる。
ザザザッ!
連続した斬撃。ベリアル融合獣の装甲が、みるみるうちに崩れていく。胸元の結晶状器官の周囲に亀裂が走り、赤い光が漏れ出し始めた。
「あと少しだ!」
「分かってる!」
俺とアンビーの視線が交わる。
「決めるぞ!」
「ええ!」
エナジーコアが強く瞬き、その輪郭をかたどった巨大な光の紋章が敵の背後に開いた。
伸び広がる光が両腕と両脚を捕らえ、動きを封じる。身を捩るたびに縛めが食い込み、踏み出しかけた足さえ、その場に縫い留められた。
アンビーは腰を落とし、ウルティメイトゼロソードを構えた。刃の根元から切っ先へ光が満ち、鋭い共鳴音が高まっていく。
「行くよ、太郎」「あぁ」
それと共に、俺達は上空に飛ぶと共に、その腕にある剣を構える。
そして
「「ソードレイ・オーバードライヴ!」」
踏み込んだ足が地を砕く。
一閃。敵の上体を左から右へ斬り抜けた刃が、間を置かず右上から左下へ走った。斜めに振り下ろす勢いを足腰で受け止め、さらに一歩。低い位置から放たれた横薙ぎが、三本目の光を刻み込む。
敵の身体に、鮮烈なZ字が浮かび上がった。
振り抜いた刃から光の粒が零れる。その背後で三筋の斬撃が膨れ上がり、拘束の紋章ごと敵を閃光に呑み込んだ。遅れて轟音が響き、爆風が足元を吹き抜けた。
それと共に、俺達は、互いの剣を重ねて、勝利を宣言する。
「それにしても」
そうして、勝利を手にする事が出来たが、同時に。
「・・・奴らは、未だに姿を見せてないからな」
そう、今回の騒動でも、未だに姿を見せない奴らに構えてしまう。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王