ツヴォルグ   作:zaq2

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第34話

 各人に茶をふるまっては、フォーマルモノクル獣人からは"しっぶ!めっちゃしっぶ!!"という品評をもらったが、同席している女性と、部屋違いの人たちにはおおむね良好だった。

 

 なお、冷蔵庫に仕舞って置いた茶菓子も添えておいたら、目を輝かせてぱくついていたのはみなかったことにしておく。

 

 

「でだ、これが例のブツだ。バレないように気を付けな」

「……なに悪ぶった言い方になってんだよ」

「ドワーフが喉から手がでるほど欲しがるほどで、殴り合いの喧嘩や乱闘になることでも有名な"龍炎酒"ってやつだぞ?マジで見つかったら速攻でなくなると思うんだが?」

「……それを早く言え!!」

 

 

 かっぱらう様に瓶をうけとっては、首で"こっちにこい"と合図しながらも寝床へと連れ出す様に移動しては、いただいたブツを入念に隠し倉庫へとしまいこむ。

 一応、この場所は未だ見つかってはいないが、こういうのは早めに処理すべきだろう。

 久しぶりの超絶辛口の酒とくれば、もう楽しみがいがあるが……それはさて置き

 

 

「……で、何でいま話題の聖女様が来てんだ?」

「さぁてね。あの菓子を提供した奴のとこに行くつったら、ご同行すると言いはってな」

「……止める事はしなかったのかよ」

「コッチは便宜をなるだけ計れってボスに言われてんだ、問題起こすことのない所に行くのはローリスクでハイリターンでデカいだろ?というかお前さん、何か聖女さまに思い当たる事でもあんのか?」

 

 

 ……あるにはある。

 

 ただ、それは聖女様というかご同行している存在絡みとでもいうか、それを口に出すことも、率先してする気もない。

 なにせ、超特大の爆弾としか思えないからだ。

 

 

「……いや、ぜんぜん?というか初対面だぞ?十中八九お前が菓子の話した事が関係してるんじゃねぇのか?さっきも目の色変えてパクついてたぞ?」

「あー、たしかにそうかも?な」

 

 そう軽く流しては見るが、フォーマルモノクル獣人は目を細めてはコチラを観察をしてきている。

 

 ……こいつ、こういう時は鋭いからな、下手にごまかすよりも真実だけいう方が無難なんだよな。

 

 その後は、普段の思考という形で"この酒の肴は何にしようか"という心境にすぐさま切り替えてやれば、予想が外れたか?という表情に変わっていた。

 

 ただ、「……お前からもらったチーズがまだ残ってるからな、置いておいてよかったわ」と、ウキウキでもどってきたら、なにか部屋の空気が別の意味で変わっていた。

 

 

「これ、おいしいですね!!」

 

 というか、どこかのハムスターかというぐらいに頬を膨らませている聖女様がいたからともいうが……

 

 喫茶店用の試作マカロンをそこまでほおばる奴初めて見たわ。

 お付の方々から面倒を見られてるその姿は、まさに愛玩動物とでもいうか何というか……

 

「聖女さま、そろそろお暇を……」

「あ、そ、そうですよね!!では、すこし"祝福(マジナイ)"をさせてください。こんなにおいしいお菓子を頂けたお返しに……」

「お、よかったじゃねぇ……

 

 両掌を握りこんでは、その背後に立っていた天使?から神々しい光が包まれたかと思えば……

 

 

『ふぅ、やっとお話が出来ますね』

「もー天ちゃんいそがせすぎだよー」

「……はい?」

 

 周りの人の動きが止まっていた。

 いや、何というか世界から隔離されたとでもいうか……

 

 

『初めまして、わたくしЖ〷☬㍵と申します』

 

 言葉を発してはいるが、名前の箇所が聞き取れないというか認識が出来なかった。

 

『ああ、気にされなくて結構です。まあ、「天ちゃん」とでも』

「だよねー、わたしも名前わかんないし」

「……あんまり聞きたくないが、何をした?」

『少々、時間結界を。ほかの方には聞かれたくないお話なので』

「とりあえず、確認だよね」

『そうですね』

「……嬢ちゃんはいいのか?」

『ええ、関係がある話になりますので』

 

 

 二人の表情が真剣さを増す。

 

 この時間が静止した世界で、聖女と天使に面と向かって問われる事といえば、聞かれたくない事は明白、そうなれば確実にあの残念美人関係か、それとも手に入れた羽の事か、何か緊張の糸が張り巡らされ

 

 

 

 

 

「それで、"天×どわ"なのか」

『"どわ×天"だったのか!』

「『どちらだったんですか?!』」

 

 

 …………??

……???

  …………?

   ……………………???

 

 

「……………………なんて?」

 

 

「どちらが"攻め"で"受け"だったのかと」

『そこのところどうなんですか?!』

 

 

 

「……だから、なんて?」

 

 

 

『ふむ、どうやら"攻め"と"受け"をご理解していない様子』

「そのようですね、では一から説明を……

 

 

 

 

 その後、両性具有から始まり衆道世界の講釈を一からコンコンと説明という拷問を聞かされ続け、純愛と衆道のプレゼンバトルが始まったころには、人は思考範囲を大きく外れる事案に遭遇した際、思考を放棄しては宇宙を創造することを経験した。

 

 

 あと、龍炎酒は泥酔状態になると記憶が無くなる事も経験したと記載しておく。

 

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