僕は、突然パッチリと目覚めた。そして初めに目に飛び込んできたのは、僕を見下ろしているリューさんだ。
「クラネルさん、無事でしたか。」
「あれ?……リューさんこの状況は?」
と〜〜〜ても嫌な予感がする。
「はい、先程あなたが攻撃をした際に私が避けて、カウンターをしてしまいました。そしたらクラネルさんが気を失いました。」
「あ……はは。そうなんですね」
やはり予感は的中していた。そしてまだ疑問が一つ
「それで、今リューさんは何をしているのですか?」
「何をって………膝枕ですが?」
「はい?」
「膝枕ですよ?」
「わかりますよ?………でもなぜ?」
「私はあなたを気絶させてしまいました…………お詫びとして……。」
そうなんですね。豊穣の女主人の方々は、変人が多いですね。
「もう大丈夫なので、やめてください」
「ダメです。」
「僕の不注意でこうなっていますし…まず僕から頼んだようなものなので……」
「それでも、ダメです……私の気が治りません。」
やばい………本物だ。
「僕からしたら膝枕をやめる方がよっぽどお詫びです」
「そ……そうなんですね」
よしやめてくれそうな雰囲気だ。
「わかりました……やめます。」
あれ?予想してたのと違う、本当なら断るはずじゃ……まぁいいや。
「それで続きを」
「そうですね………これじゃあ埒があかない」
その埒を作っているのはリューさんですよ?
「今まで通りどうぞ、反撃はもうしませんので」
「いや、反撃でもなんでもしてください!」
「なぜ?……それじゃああなたの命がいくつあっても足りませんよ?」
「リューさんがそれ言っちゃいます……それでも、早く強くならなきゃいけないんです!」
「わかりました…………どうなっても知りませんよ」
「望むところですよ、リューさん」
「では、いきます!」
「はい!」
シュ
っあぶね……今数ミリずれてたら頭が…………そんな想像したくないな。本当に命が幾つあろうが足りそうにないな。
「おそい!………貴方はもう3回は死んでいますよ?」
「うぇ?………これでも頑張っている方ですよ?」
「本当に貴方は、駆け出しの駆け出しですね」
今のは少しイラつきましたね。
「じゃあ……もっと手加減してくださいよ」
「それじゃあ貴方の、特訓にならない」
なんでこの人は話がわからないのだろう。
「クラネルさん………貴方は少し生き急ぎすぎている」
「はい?どういうことですか?」
「特訓をしたからって、すぐに強くなるわけではありません……経験が大事なのです。」
「はぁあ〜そうなんですね」
…………僕は、少し急ぎすぎていたかもしれない、一度きりの人生で死んだら意味がない。着実に力をつけようとそう思った。
「リューさん……ありがとうございます……..気づきました、本当に大事なこと」
「はい、わかったのであればいいですが」
やはり、まだ納得していない顔だ(この人その顔得意なんだよな)
「実践も兼ねて、今度ダンジョンに潜りませんか?」
「え…….はい、可能であれば」
少しの間、沈黙の時間が流れた。
「……..リューさん?嫌なら嫌だと言ってください。」
「あ………、いえ、そういうわけでは……ありません」
「ハッキリしてください!」
僕は少し、強く言った。
「正直……..ダンジョンには……..いい思い出がないのです。」
「……….そうだったんですね」
またしても2人の間に、沈黙の空気が流れる。
「「…………..」」
その沈黙を打ち破るのは、、。
「ンニャ?リューいつまでやってるニャ?」
クロエだった。
「クロエ」「クロエさん!」
ベルは内心ホッとしている。
「そうですね……..そろそろ仕込みの準備を…..」
「そうなんですね……..じゃあ今日のところは、」
「すいません、あまり実践的なことができなくて…..」
「いえ、大事なことが学べました」
そして僕とリューさんは別れた。