SCP-████-JP 学園都市キヴォトス 作:サイト8192
あΤο Ίδρυμα SCP
アイテム番号:SCP-████-JP (学園都市キヴォトス)
オブジェクトクラス:Keter → Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-████-JPを収容する事は事実上不可能です。この為、SCP-████-JPを担当する財団職員はサイト8192を拠点としつつ、必要に応じてSCP-████-JPにSCP-████-JP-Aとして潜入しSCP-████-JPにおける各種の調査、研究、実験、収容、その他の活動を遂行して下さい。なお、この如何なる調査、研究、実験、収容、その他の活動においても、サイト8192の存在は必ず最優先で秘匿されなければなりません。
SCP-████-JPでのあらゆる活動はSCP-████-JP-A~H群の動向に細心の注意を払う必要があります。SCP-████-JPに可能な限りの監視体制を構築して下さい。SCP-████-JP-A~Hの各個体は状況に応じて危険性を評価し、その評価に応じて監視体制、警戒体制を強化する必要が有ります。収容が必要かつ財団に収容する能力があると評価された場合、速やかに対象の個体を収容して下さい。収容に成功したSCP-████-JP-A~Hの個体には、必要に応じて、それぞれに特別収容プロトコルが定められます。定められた特別収容プロトコルに従って下さい。
SCP-████-JP-Fに直接、曝露した職員には必ず適切な記憶処理を行って下さい。
SCP-████-JP自体は20██年█月█日に財団により実施された "CKR(Configuration Keter Reconstruction)-クラス:世界再構築再建シナリオ" の実施に伴い現在はその存在を確認されていません。この為、SCP-████-JP自体に対する特別収容プロトコルはありません。しかし、事件記録████-1等の様な世界終焉シナリオの発生が再び発生し再度SCP-████-JPが発生する可能性が依然として残っている為、また、それ以外の不確定な要素による世界終焉シナリオへの阻止も含めた対策の必要性や、再建後の地球環境の監視の他、SCP-████-JP-A~C群及びSCP-████-JP-G群に関しては現在でも現存している為、これら一連の目的や実体群に対応する為の特別収容プロトコルが定められています。
CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ後の地球の衛星軌道上には随時、12基の全地球観測衛星が設置されます。全地球観測衛星には広域カント計数機を始めとした各種観測機器が搭載され、随時、地球上の様子のモニタリングが行われます。全地球観測衛星が取得した観測データは月面エリア-32を介して宇宙サイト-76、サイト-8192へとリアルタイムで送信されます。月面エリア-32は全地球観測衛星の保守点検、及び運用のハブ施設として利用されます。地球上における各種観測に関しては財団とパートナーシップを結んでいるアメリカ合衆国政府の機関に一任しています。地球上における各種観測活動は財団とパートナーシップを結んでいるアメリカ合衆国政府の機関を介して行ってください。SCP-████-JPの中心地サンクトゥムタワーが存在した地点に当たる現在の大韓民国のソウル特別市、北緯37.48530931642276, 東経127.0366142の地点を中心に半径50kmの範囲内はより重点的な監視が行われます。地球上の如何なる地点においても、全地球観測衛星が異常を検知した場合やパートナーシップ機関からの異常を知らせる通達があった場合、速やかにO5評議会が招集され対策が検討されます。
SCP-████-JP-A~Gの各個体は危険性を評価し、その評価に応じて監視体制、警戒体制を強化する必要が有ります。収容の必要があると評価された個体は収容して下さい。SCP-████-JP-A~Gの個体には、必要に応じて、それぞれに特別収容プロトコルが定められます。定められた特別収容プロトコルに従って下さい。
SCP-████-JP-A~B及びSCP-████-JP-Gは、"SCP-████-JP収容宣言" の発出以降も本特別収容プロトコルに則る形で財団職員としての雇用がされる事がO5評議会により決定されています。SCP-████-JP-Aはサイト-8192内にて全個体を収容し雇用状態にある個体はサイト-8192内において業務を担当させて下さい。収容の必要性が認められる個体はサイト-8192内に設けられた収容エリアに収容されます。SCP-████-JP-Aの増産に当たっては、過去に財団のフロント企業がカバーストーリー、 "新型インフルエンザの為の検査" にてCKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前に収集したSCP-████-JP-Aの遺伝子データベースを参考にサイト-8192の高度医療設備を用いて適切な医療環境下において生物学的手法により、SCP-████-JP-AのDクラス職員を用いて行われます。
増産されたSCP-████-JP-A個体とそれ以前から存在するSCP-████-JP-A個体を識別する為、後者はSCP-████-JP-A-α群と呼称し、財団によって増産された個体はSCP-████-JP-A-β群に分類されます。SCP-████-JP-AのDクラス職員の補充は財団の規範に対して重大な違反、もしくは度重なる違反をした職員の降格処分によって補充されます。ただし、SCP-████-JP-Aの個体数保護上の観点、クロッシングテストの危険性上の観点、SCP-████-JP-Aの増産能力維持上の観点から、SCP-████-JP-AのDクラス職員を用いて行う実験は生命に危険を伴わない物に限定されます。どうしてもSCP-████-JP-AのDクラス職員の生命を危険に晒す実験を行う必要がある場合は、倫理委員会による承認が必要です。特段の事情が無い場合はアメリカ合衆国から提供される人間のDクラス職員を使用して下さい。また、SCP-████-JP-AのDクラス職員には拘留期限が設けられ、拘留期限後には倫理委員会による審査を経て正規の財団職員への復帰が検討されます。復帰が決定された個体は適切な記憶処理と記憶改竄処置が実施された後に正規の財団職員に復帰されます。SCP-████-JP-Aを増産する場合、O5評議会による承認を受けて下さい。 現在、SCP-████-JP-Aの新規増産は "インシデント-████" の発生と発覚を受けてO5評議会の決定により停止されています。
SCP-████-JP-Aを継続的に雇用するに当たって、SCP-████-JP-Aの "SCP-████-JP-A卒業イベント" による消失の防止上の観点と、SCP-████-JPの文化的保護上の観点、またそれに付随して財団機能の正常化の観点などを総合的に判断し、CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ後の██年後の2███年█月█日に発出されたSCP-████-JP収容宣言の発出後に、財団は大規模な組織再編を実施しました。これにより、事件記録████-1以降も名目上続いてきたSCP財団日本支部はSCP財団キヴォトス(Κιβωτός)支部に再編成されます。これに伴い、財団の指揮権はサイト-8192のサイト管理官から、SCP財団日本支部理事会の後継に当たる連邦生徒会のO5評議会に移行され、連邦生徒会内には倫理委員会の設置も実施されます。財団の各部門はそれぞれが疑似的なSCP-████-JPにおける学園組織として機能する様、再編されます。各部門に自治権や政治的独立性は付与されません。ただし、SCP-████-JP-Aがサイト-8192内での永続的収容状況下である事を踏まえ、職員の精神衛生上の観点から、財団の指揮に影響が生じない範囲内においては一定の自治が認められており、この自治はサイト-8192を構成する各区画ごとに設置される行政委員会を通じて行われます。この行政委員会はあくまで書類上の事ではありますが、各部門の生徒会系組織同士の合意によって各生徒会から自治権を委託されている組織という形式が取られています。SCP-████-JPの文化的保護は、SCP-████-JP-A卒業イベントの発生防止に必要な範囲内でのみ行われます。
サイト-8192内には多数の監視カメラ、観測機器を設置し随時、複数のAICの連携によって全てのSCP-████-JP-Aの監視及び適切な管理を行ってください。各AICには不測の事態が発生した場合、与えられた設備を利用し事態への対応が求められていますが、現在、サイト-8192内のSCP-████-JP-Aの財団職員の数は1,004,282体にまで達しており、AICによる監視体制に限界が生じている為、AICのさらなる増員の他、職員による監視体制を強化に努めて下さい。
サイト-8192への出入口であるSCP-███-JPは宇宙サイト-76内の対核防壁及びスクラントンボックスを三重に構築した特別収容室内に配置されます。宇宙サイト-76には複数のスクラントン現実錨(SRA)、シャンク/アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)、ランドール/ヨッサリアン式アキヴァ無効装置(ERYAN)が設置され防護されます。SCP-███-JP内のサイト-8192側においても、サイト-8192の各区画を構成するブロックには複数のスクラントン現実錨が設置され、宇宙サイト-76への出入口の周辺には球状に対核防壁、三重のスクラントンボックス、スクラントン現実錨、シャンク/アナスタサコス恒常時間溝、ランドール/ヨッサリアン式アキヴァ無効装置を設置した特別収容室が構築されます。これらの防御処置はSCP-████-JP-Aを原因として万が一、サイト-8192の内部から何らかの事象が発生した場合や、宇宙サイト-76の外部から生じたその他の事象に対する防御手段です。これらの防御機構は如何なる状況においても、即座に起動できる体制を構築して下さい。サイト-8192に収容状態にあるSCP-████-JP-Aは例えどんな高位の財団職員であってもサイト-8192外へと出る事は許可されません。サイト-8192外へと許可なく出たSCP-████-JP-A個体は速やかに終了されます。サイト-8192へのSCP-████-JP-Aの封じ込めを徹底して下さい。
サイト-8192外の全ての財団業務はSCP-████-JP-Bで構成される財団職員が担当します。SCP-████-JP-Bの異常技術は既にその仕組みが解明されている為、適切な管理を行えば、大きな危険性はありません。ただし、SCP-████-JP-Aからの万が一の干渉を防ぐ為、SCP-████-JP-Bの財団職員は例えどんな高位の職員であっても、サイト-8192内への侵入は許可されません。サイト-8192内に許可なく侵入したSCP-████-JP-B個体は速やかに終了されます。全てのSCP-████-JP-Bは定期的に問題が発生していないかメンテナンスを受け、財団に忠実であるか判断して下さい。問題が生じている個体は問題の内容に応じて修繕して下さい。財団への忠実性に問題が生じている個体が確認された場合、修繕によって問題が解決できない場合は機能停止の上、廃棄処分されます。SCP-████-JP-Bの生産拠点は月面エリア-32及び宇宙サイト-76に設置され、SCP-████-JP-Bの増産にはO5評議会による承認が必要です。
SCP-████-JP-Cは全てサイト-8192の収容エリア内に設けられた標準人型オブジェクト収容室にて収容されます。現在、収容下にあるSCP-████-JP-C個体の数は1,292体です。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前に財団が捕獲した個体312体に加えて、CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ後に行われた繁殖実験により誕生した個体980体が含まれます。SCP-████-JP-Cは、人類との類似性の高いSCP-████-JP-Aや、異常技術的解明がなされたSCP-████-JP-Bとは違い、人類との遺伝子的類似性の低さや身体構造や身体的性質の違いから、その不確実性によって財団が安定的に雇用できると判断ができるだけの材料が未だに揃っていない為に、潜在的危険性の高さから財団職員としての雇用は認められていません。
SCP-████-JP-D~Fの個体の存在は現在は確認されていません。
説明:
※ドキュメントにアクセスできません。Lavandula.AICは要求をリジェクトしました。
[インシデント記録████-██]
日付2███/██/██、財団によって作成された最初のSCP-████-JP-A-β群の初期ロット個体22体がサイト-8192内より消失するインシデントが発生しました。財団収容下において発生が確認された最初のSCP-████-JP-A卒業イベントの発生事案です。SCP-████-JP-Aの増産に向けた実験でDクラス職員を使用して生産された初期生産の個体22体は誕生後、研究チームによる養育下に置かれ全個体が一律に同時進行にて財団職員としての教育が行われました。養育は順調に進み、知育期間も含めれば18年間の教育が行われました。全個体が最終段階の教育手順にまで進み、全教育課程の修了が言い渡され22体全員に正式に財団職員としての採用が決定されました。この決定が当人達に言い渡され、翌日から財団職員としての勤務が始まる予定でしたが、翌日、配属先の部署に当該の22体、全員が出勤しませんでした。この事態を研究チームをサポートしていたAICが察知し機動部隊に確認を命令。その結果、22体が与えられたそれぞれの自室から一切の外出した形跡が無いにも関わらず、忽然と姿を消失させている事が明らかになりました。
消失が発生したと思われる時刻は██時██分ですが、各部屋の監視装置は24時間体制で監視を行っていましたが、消失推定時刻に原因不明のブラックアウトが発生し、消失を捉える事はできませんした。特筆すべき点は22個体の消失を他のSCP-████-JP-Aの財団職員が一切認識できていなかった点です。出勤していないにも関わらず、それに全く違和感を抱いていませんでした。研究チームをサポートしていたAICによる指摘により、この問題は明らかになりました。発覚後、財団は総力を挙げて消失した22体の捜索を行いましたが、自室から出た形跡も無く、ましてやサイト内を移動した形跡やサイト外に出た形跡も一切見つからなかった為、AICは本事案をSCP-████-JP-A卒業イベントの発生と認定しました。
本インシデントの発生を受けて、SCP-████-JP-A卒業イベントが財団管理下にあるSCP-████-JP-A個体にも発生する事が確認されました。財団は本インシデントの発生原因について、財団その物が消失個体にとってSCP-████-JPの学園組織として作用してしまった為と推測しています。本インシデントの発生を受けて研究チームはSCP-████-JP-A-β群に対しても消失を防ぐ為には卒業対策プロトコルを適応させる必要性が指摘されました。また、本インシデントの発生によりSCP-████-JP-A-α群に対しても消失の発生を防止する為のセーフティ処置を導入するべきではないかと指摘されました。これらの指摘により現在の財団の各部門への学園機能の付与の方針が決定されました。
※ドキュメントにアクセスできません。Nerine.AICは要求をリジェクトしました。
※ドキュメントにアクセスできません。Lily.AICは要求をリジェクトしました。
[インシデント-████]
※注意:本インシデントはSCP-173-Κιに登録されています。
SCP-████-JP-A-β群の本格的な増産の開始後、サイト-8192内におけるSCP-████-JP-Aの個体数が50万体を越えた2███年頃より、SCP-████-JP-A-β群の一部の間で、SCP-████-JPの文化を復興させようとする運動が発生しました。当初、財団はこの運動をあくまで、一意見であると捉えていました。O5評議会としては、過度なSCP-████-JPの文化復興はオブジェクトの安定的収容体制に様々な不測な事態を引き起こす可能性が高いとして却下していましたが、SCP-████-JPの文化を復興させようとする運動を支持するSCP-████-JP-A-β群個体は増加の一途を辿り、財団の組織規範に大きな脅威を与えました。O5評議会は世論の動向を抑えるべく、集会の禁止や思想の流布の防止策など様々な対抗策を行いましたが、これらは残念ながら一時的な対策に過ぎず、効果は限定的であった為、O5評議会は財団の在り方その物に対する脅威であると判断し日付2███/██/██に全職員に対する当該運動に関する記憶処理と記憶改竄を実施する事で対応しました。この対応は功を奏し、事態は一気に終息しました。
しかし、この最初の記憶処理と記憶改竄による思想の除去後も、数年から数十年の間隔を置いて当該運動はSCP-████-JP-A-β群の中から必ず発生し、財団は思想の流布の防止策を講じて後に、最終的には記憶処理と記憶改竄を実施せざるを得ない状況になりました。現在までに財団は当該思想の除去を6度実施しています。4度目の当該思想の除去の際には財団の研究部門はこの現象について、単なる職員の自発的行動では説明がつかないと判断し、O5評議会の承認の元、この当該思想の流布の原因究明に当たる研究チームが██████博士の主導の下、発足されました。しかし、2███年まで研究に大きな進展は見られなかったものの、5度目の思想除去が行われる直前の日付2███/██/██に研究チームは当該思想がSCP-████-JP-A-β群の中でのみ支持される傾向にあり、SCP-████-JP-A-α群の中での支持は皆無である事を発見しました。これを受けて、研究チームは当該思想の流布には一定の法則性がある可能性を指摘し、これが何らかの異常事象である可能性があると判断しました。
5度目の思想除去後、研究チームの███研究員がSCP-████-JP-A-β群の製造基データである、CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前に財団が収集したSCP-████-JP-Aの遺伝子データベースを調査した所、SCP-████-JP-Aの遺伝子データベースに何者かによる人為的な複数の介入痕を発見しました。この介入痕は遺伝子情報やゲノム情報に極僅かな改変を施した物であり、分析の結果、この介入痕はデータベース全体に渡って一つの一種のプログラムの様な物を形成している事が分かりました。しかし、極めて自然な遺伝子情報やゲノム情報に擬態している事もあり、その全貌は掴めず、また、既存のプログラム言語とも大きくかけ離れており、動作原理も不明である事から、このプログラムがどの様な目的を持って作られているのかについては不明です。しかし、この発見により、当該思想の発生と流布の原因が、この未知のプログラムを原因とした物である可能性が高まり、研究チームは当該思想の発生と流布が異常事象である可能性が極めて高いと判断しました。この発見を受けて、O5評議会はSCP-████-JP-A-β群の増産の停止と、原因除去を決定しました。ですが、現在雇用下にあるSCP-████-JP-A-β群の数は凡そ99万個体以上にも及ぶ為、これらを解雇や終了するという事は財団の組織運営に重大な支障をきたし、倫理上の問題もあるとして雇用は引き続き継続が判断されました。現在、研究チームは汚染されたデータベースからのプログラムの除去作業を進めていますが、自然な遺伝子情報やゲノム情報に擬態している事から作業は難航しています。また、既存のSCP-████-JP-A-β群に既に組み込まれたプログラムの無力化方法も研究しています。
日付2███/██/██、研究チームはプログラムの発動要因についての仮説を発表しました。研究チームはこの未知プログラムは1個体や少数の個体では動作しないと指摘しています。これは、あくまでプログラムがデータベース全体で1つのプログラムを構築しており、その一部を使った1個体分ではプログラム足り得ない為です。通常、SCP-████-JP-A-β群を増産する際、データベースからランダムに抽出した遺伝子情報やゲノム情報を組み合わせる事によって受精卵が作成されます。つまり、これは広いデータベース上から情報を部分的に抽出し利用している状況である事から、単体の個体ではプログラムにならないのです。しかし、それにも関わらず、当該思想の流布がこの未知のプログラムを原因としているとするならば、それはこのプログラムは何らかの未知の動作原理によってプログラムの因子を持つ複数のSCP-████-JP-A-β群の個体同士が揃う事によって1つのプログラムとして動作している事を示しています。研究チームは、当該思想の発生と流布がSCP-████-JP-Aの個体数が50万体を越えた頃に出現した事に注目し、この頃に因子を持つ個体の数がプログラムの発動に必要な数揃った事でプログラムが作動し当該思想の発生と流布が始まったのではないかと推測しています。また、その動作原理に関しては現在、生体電磁気による通信動作説の他、ヘイロー同士の微弱な干渉を利用した動作説などが提唱されています。
日付2███/██/██、サイト-8192の第███区画███ブロックにて当該思想の影響組織の一つ見られる銃規制絶対反対武器普及促進職員連合を名乗る組織が爆弾や銃火器を違法に製造し爆弾テロの他、職員に対する無差別な発砲を引き起こすという一連の当該思想の発生以来初めてとなる財団に対する武力攻撃事案が発生しました。この武力攻撃事案は事件記録████-███として登録されています。武装集団は幸い別任務中に偶然居合わせた機動部隊員により速やかに鎮圧され、最終的には職員及び犯人側にも死者は発生しませんでした。しかし、この事件現場にはアメリカ合衆国から財団に派遣されていた担当官が居合わせており、この担当官が事件現場にて異常な映像の目撃を証言。さらに、その後の調査によって事件現場にて犯人側のヘイローが互いに干渉し合い犯人グループ周辺のヒューム値が若干上昇していた事が明らかとなりました。現在、財団は当該事件の調査を行っていますが、SCP-████-JP-A-β群に仕込まれたプログラムが未確認の動作を発生させた物と推測しています。また、当該事件においてアメリカ合衆国の担当官が目撃した映像の内容から、この一連の当該思想の案件にSCP-████-JPの要注意団体である特異現象捜査部が関与している可能性が浮上しています。O5評議会は当該事件の発生と、当該思想の流布の状況を踏まえて、7度目の思想除去を決定し日付2███/██/██に無事実施されました。
※メモ:記憶処理と記憶改竄処置は事態の鎮静化に対して極めて有効だが、プログラムの動作を止める事までは出来ない。記憶処理と記憶改竄処置はある意味でプログラムを一度リセットし時間的猶予を延長する事はできるが、問題の根本的な解決にはならず、かと言ってこの問題に対処せずに放置すれば何が起きるか分からない。-██████博士
※メモ:私達はこの事態に余りにも多くの時間とコストを消費した。一刻も早い事態の解決が望まれます。-O5-2
日付:1989年10月22日
記入者:サミュエル・カーペンター担当官
地球からブラックナイト-14への長旅ご苦労。新たな担当官。これを読んでいるという事は私は既に貴官と入れ替わりで、ここを後にしているだろうから残念ながら私は貴官を出迎える事はできないが、私なりに、ささやかな貴官のブラックナイト-14グループ、つまりはSCP財団に対する理解をする手助けとして、引き継ぎ書類とは別に幾つか私の方で資料を作成する事にした。良かったら参考にして欲しい。
さて、まず最初に作成する資料としては恐らくは引継ぎ資料を読んでも中々、要領を得るのが難しい財団の上層組織に関する事を私なりに纏めていこうと思う。資料の出典などは最後に纏めておく。私の作成したこの書類の信憑性に関しては、それらを確認の上で判断してもらいたい。その上で参考にするかどうかは貴官の方で判断すれば良いだろう。
財団の上層組織は媒体によって複数の名称で呼ばれている傾向がある。
O5評議会、O5司令部、O5連邦生徒会、監督者たち、監視者など。これらは全て財団の指導者が属する上層組織に対する呼び名だ。私が知る限り、これらの名称が様々な媒体資料によって使用されている。これが上層組織名が統一されていない為に起こっている事なのか、それとも、何らかの意図に則った使い方なのか、または欺瞞情報が含まれているのかは不明だ。
どれが正しい名称なのかはハッキリしないが、だが、この "O5" という表記が付いた組織に同じく "O5" という表記が付けられた役職に就いている者が財団の指揮権を握っている事だけは確かだ。ここではO5評議員と表記させてもらおう。
O5評議会は連邦生徒会と呼ばれる組織内に設置されている。字づらだけでは、どの様な組織なのかを判断するのは難しいかもしれないが、認識としては連邦生徒会は合衆国におけるペンタゴンであり、O5評議会は司令部という認識が正しいだろう。この例えで言えば、連邦生徒会の入るニューサンクトゥムはペンタゴンの庁舎になる。この組織から財団全体は統括されている。
O5評議会はこの秘密主義の境地に達した様な財団という組織の中でいて全ての事を知っている組織だと考えられている。財団内において、ここまで様々な情報に精通している組織は私が知り得る限りの中ではあるが、他には無いだろう。
ここに来たという事は貴官もO5評議員とは面会する機会があった筈だが、多くの財団職員にとってはO5評議員という存在はそう簡単に会う機会は殆ど無い存在だ。私達がO5評議員と会う事ができるのは、私達が彼女達から特別な扱いを受けている為だ。
財団職員には大きく分けて2種類が存在する。それは彼女達とロボット達だ。実はこの種別はO5評議会に関する情報に関しても大きく状況を二分している。サイト-8192においてはO5評議会の存在はかなり身近な存在であり、知らない者は殆どいない。もちろん、姿を直接拝めるほどまでに身近な存在かと問われれば、それは違うし、全てのメンバーの顔や名前を知っている者に限れば、それを知る者は彼女達の中でもかなり限られるだろうが、O5評議会その物に対する知名度で言えば、広く知られた存在なのは間違いない。
その一方で興味深いのがロボット達だ。サイト-8192から一歩外に出ればO5評議会はミステリアスな霧に包まれる。殆どのロボット達は恐らく、そのキャリア全てで、O5評議会を見る事なく過ごす。クリアランスレベル2以下の職員はO5評議会の存在すら知らないのだ。この両者の違いは恐らくサイト-8192が完全に外部から遮断された環境である事が影響しているのだろう。
サイト-8192はある意味で財団の本部機能を有している。彼女達は言わば、本部スタッフの様な立場にある。それ故に彼女達は知る機会も多い。だが、そんな彼女達とロボット達は物理的に交流する事はない。何故ならば、彼女達はサイト-8192に完全に隔離された状態にあるからだ。それ故に彼女達は100万人も居るにも拘らず、ロボット達はこの秘密のベールに覆われているのだろう。
私が聞く事ができたロボットの職員による証言曰く、ロボットの職員の内、O5評議会の存在を知る殆どの者が彼らを恐れているのだという。そのロボットの職員はO5評議員が部屋に入ると、誰もが失禁するとさえ述べた。彼曰く、それが世界の歴史の中で最も恐ろしい組織の一つの最高権力を持った集団であるからだそうだ。ロボットは失禁なんでしないだろうと、話半分に聞くにしても、この証言はO5評議会に対するロボットの職員達の認識の一端が垣間見れる事例だと言えるだろう。
私はここに2年と10カ月の間、赴任し、あと2ヵ月で愛しのステイツへと帰還する事になるが、そんな私でも未だにO5評議会の全貌は計り知れない。それは私と一緒にここに赴任している他の担当官たちも同じだ。何が答えで何が間違っているのか、私達は未だに結論を出せない。O5評議会とはその様な存在なのだ。貴官も気をつけて情報の判断をしてほしい。
財団が私達、担当官に提供している数少ないO5評議会に関する資料には、この3つのシンボルマークが必ずこの並びで入っている事が多い。このマークが何を意味しているかは不明だが、私達はこれをO5評議会を表す記号なのではないかと推測している。
O5評議会には13名の評議員が在籍しているとされている。されているというのは、本当に13名で構成されているのかの確証が何も得られていないからだ。とはいえ、彼女達は私達に協力的だ。O5評議員と会う機会があれば、O5評議会について詳しく質問をしてみると良いだろう。私達、担当官とO5評議員はそれなりに会うタイミングがある。それは会食であったり、収容エリアの視察であったりなど様々だ。状況次第では13名の全てと我が国の担当官は会う機会があるかもしれない。一部のO5評議員を除けば殆どのO5評議員はこの質問に答えてくれるだろう。だが、それが真実であるという確証は何も得られない。それを裏付ける様な資料などは何も提示されないからだ。
以下の名簿資料は私達が現時点において把握しているO5評議会のメンバーに関する情報だ。一部メンバーについては名前が不明な者も居る為、私達の方で仮名をつけさせてもらっている。ただ、この情報が何処まで事実であるのかは、断言できない点に関しては留意してもらいたい。真実の情報が含まれる可能性もあれば、私達が欺瞞情報を掴まされている可能性もある。または、そもそも、O5評議会なんて物は無く、O5評議会のメンバーその物が私達を欺く為の欺瞞情報の塊なのかもしれない。もしくは真のO5評議会のメンバーが裏に居て、私達が出会ったO5評議会のメンバーは偽物なんて事も財団の徹底した秘密主義を見ればあり得る話だ。気をつけてもらいたい。
O5-1
O5-1についてのノート
O5-1は私達、担当官が会う機会の多いO5評議員の一人だ。ハッキリ言って私を含めた今回の派遣における担当官は全員が彼女と顔見知りだ。弁務官室で担当官同士で共有されているスケジュール表によれば、この3年間の間に8回も彼女と会食する機会があった。そんな彼女もミステリアスな雰囲気に包まれている。財団の様々な資料を閲覧していくと、O5-1はO5評議会内において、最も強い権力を持つ事を示唆する事もあれば、別に他のO5評議員と大して変わらない事を示唆する事もある。何が正しいのかは、やはり不明だ。
O5-1: "不知火カヤ"
SCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-A個体。性別は当然ながら女性。ピンク色の髪と張り付けた様な胡散臭い笑みが特徴的。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から財団に属し、当時はレベル4セキュリティクリアランスの職員で、上位の役職である情報通信統括管理局長とサイト警備主任を兼任していたとされる。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、年齢は███歳を超える。
O5-2
O5-2についてのノート
O5-2は非常に優秀な技術者であるとされている。彼女の持つ技術と研究によって少なくともAMASシリーズの開発や、コンクリートの成分分離技術などが確立したと言う。彼女が居なければ広大なサイト-8192を僅か100万人の人材で拡大維持する事は不可能だったとも評価されている。また、CKR-クラス:世界再構築再建シナリオに際しては彼女の功績が非常に大きいとも言われる。O5-2は普段はニューサンクトゥムの最下層に位置する自身の研究施設で研究をしているとされるが、この研究施設が実在するかは定かではない。O5-2はO5-1程では無いにしろ、それなりに私達と会う機会の多いO5評議員だ。収容エリアの視察に同行してくれた際には理論的な、かなり詳しい説明を受けた。O5-2が優秀な技術者である事は恐らくはほぼ確実な情報だろう。
O5-2: "調月リオ"
SCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-A個体。性別は当然ながら女性。アジア系に見える髪色と髪型が特徴的。O5-1と同じくCKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から財団に属しているとされるが、財団に入った時期はO5-1の方が早いとされる。担当官の一人がO5-2との会話中に話された話によると、O5-2は財団に入る前は、SCP-████-JPにおける3大学園と呼ばれる学園組織の内の一つの会長をしていた様だが、何らかの出来事をきっかけに学園から離れ、隠れ潜んでいた時に財団によって "雇用" されたという。当時の財団において、どの様な役割をしていたのかは不明だが、優秀な技術者である事を考慮すると、何らかの技術的な役職に就いていたのかもしれない。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、年齢は███歳を超える。
O5-3
O5-3についてのノート
O5-3は個人的にO5評議会のメンバーの中では2番目に謎多きO5評議員だ。会う機会は殆ど無く、会える機会があるとすれば、それは殆どのO5評議員が物理的、リモート参加を問わず勢揃いしている様な場に招かれた時くらいだろう。外見から来るイメージに反して、その言動はまるで、掴み所のない理性的な年寄の様な……、SCP-████-JP-Aに対して年齢を当てはめて考える事は間違っているとは思うが、その様な印象を受ける。O5-3と対峙すると、まるで何もかもを見透かされているかの様に感じられる。その風貌は見ていると何処か不安にもなる。なぜ、不安に感じるのかと問われれば答えるのは難しいのだが……。いずれにせよ、一度目にすれば、貴官も私と同じ様に何故かもう二度と会いたくないと感じる様になるだろう。
O5-3を一言で言い表すならば、そう…… "ねこ" だろうか。
O5-3: "ねこ" (本名不明)
SCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-A個体。性別は当然ながら女性。服装や風貌的には日本的な要素を感じる。猫の耳の様な耳を頭から生やし、それでいて白く長い髪、病的なまでに透き通る様な白い肌、白い瞳。上から下まで全てが真っ白な風貌をしている。容姿は幼い様な印象。SCP-████-JP-Aにしては珍しく、ヘイローの形状が財団のマークではなく、それでいて、それが砕けたかの様な形状をしているヘイローを持っているのが最大の特徴だろう。幾つかの財団から提供された資料によれば、彼女はCKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から財団に属し、その財団所属期間も既存のO5評議員の中では最古参に当たるとされるが、彼女はその当時はDクラス職員で現在の幼い印象の風貌とも大きく違っていたという。当時のSCP-████-JP-AのDクラス職員は現在とは違い、人権など無い極めて危険な人体実験の被検体として、よく利用される立場であったそうだが、その立場から如何にして現在の地位にまで上り詰めたのかは全くもって不明である。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、年齢は███歳を超える。
O5-4
O5-4: "流星メイ"
SCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-A個体。性別は当然ながら女性……と言いたいところだが、性別は不明。本人曰く女性の様であるが、常にISS国際宇宙ステーションの宇宙服と類似した宇宙服を着用している為に身体的特徴からは一切判別できない。何故、常に宇宙服を着用しているのかは一切不明。会食時や会談の際にはヘルメットは外している為、素顔を見る事が可能。ただしO5-4と会う機会は他のO5評議員の中でも下から数えた方が早いほど少ない。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、年齢は███歳を超える。
O5-5
O5-5についてのノート
O5-5はO5評議会のメンバーの中でもO5-1と同じく私達、担当官と顔を合わせる機会の多いO5評議員だ。会食の回数こそO5-1に比べて少ないものの、弁務官室に稀に訪れる事がある唯一のO5評議員だ。
O5-5: "尾刃カンナ"
SCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-A個体。性別は当然ながら女性。黄色いロングの髪。前髪で片側が隠れた蒼い瞳。そして頭に狐耳が生えている。歯がまるで肉食獣の歯の様にギザギザなのが非常に特徴的だ。財団の機動部隊の制服に類似した制服を着ている風貌をしている。彼女が私達に語った所によるとCKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から財団に属しているとされるが、財団に "雇用" された時期はO5評議員の中ではかなり後発組だったとされている。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、年齢は███歳を超える。
O5-6
O5-6についてのノート
O5-6は個人的に最も謎起きO5評議員だ。O5-6はO5-3以上に決して私達の前に姿を現さない。姿を現したかと思えば、その姿はいつも必ず、空中に浮かぶ立体映像の水色のスクリーンに白い文字で "24" と書いているだけの姿だ。
O5-6: "ビデオ通話ガール" (本名不明)
O5-6の正体は一切が謎に包まれている。O5-6が何者なのかその正体は全くもって定かではない。姿を現す時は必ず、何処かの遠隔地から姿を現し、その表し方も立体映像の水色のスクリーンに白い文字で "24" と書いただけの簡素な姿で現れる。唯一分かる事と言えば、女性の様な声を発しているという点だけだ。噂ではサイト-8192の各地に展開しているコンビニエンスストアやディスカウントストアの "エンジェル24" の最高運営者しているという話もあるが噂の真相は定かではない。
O5-7
O5-7についてのノート
O5-7は……ハッキリ言って最初に知った時は困惑しかない。なぜ、30年も前のオーストラリアの首相がここに居るんだ……?
O5-7: "ハロルド・ホルト"
SCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-A個体。性別はSCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-Aである為、女性。O5-7に関しては書く事が多すぎる。まず、重要な点はこの財団におけるO5-7、ハロルド・ホルトは私達の時代において1967年12月17日に行方不明となった第17代オーストラリア首相とは完全に別人であるという事だ。……恐らく。では、ここに居るO5-7は同姓同名の別人であるとか、もしくは偽名を名乗っているとかなのかと問われればこれも違うと言える。O5-7は間違いなくハロルド・ホルトだ。何を言っているのか分からないかもしれないが、とにかくそう呑み込んでほしい。O5-7は私達、担当官と会う機会の多いO5評議員の一人だ。この3年間の間にO5-7と会食を共にした回数だけでもO5-1をも超える11回に達している。それ故に、私達はO5-7について詳しく分析する機会があった。数年前の担当官にはCIAの専門家が含まれ、この専門家はO5-7との会話を記録し記録されている首相の記録との比較を行った。その結果、姿や声こそは全然違うものの、分析の結果は間違いなくハロルド・ホルトその人であると結論付けられたのだ。まったく頭が痛くなる話だ。
O5-7に関しては実は財団は他のO5評議員とは違い、かなり詳細な資料を提供してくれている。それらの資料の情報によると、ここに居るハロルド・ホルトはCKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前どころか、事件記録████-1以前の地球でオーストラリア首相をしていたハロルド・ホルト……を自称するSCPオブジェクトなのだそうだ。
具体的にはSCP-3477。SCP-3477は、事件記録████-1以前の地球において財団が収容していたSCPオブジェクトであり、具体的には第17代オーストラリア首相ハロルド・ホルトを自称する異常なヒト型生物の集団なのだそうだ。彼は結局の所、私達の時代と同じく、事件記録████-1以前の1967年12月に失踪し死亡判定を受ける事になったそうなのだが、その後、世界各地で37体ものハロルド・ホルトを名乗り、彼と全く同様の思考パターンを持った様々な不死性のある異常な実体群が相次いで発見される様になったとの事だ。ここで、37体全てを解説するのは骨が折れるので、後でSCP-3477の資料を見てほしい。きっと驚愕する筈だ。
37体の内、ここに居るのはSCP-3477-3という、つまりは財団によって3番目に認定された個体なのだという。SCP-3477-3は当時の財団において民間セクターから直接雇用された唯一のO5との事で、財団の認識ではオーストラリアでの失踪はO5に就任するに当たっての欺瞞情報だったそうだ。しかし、その後、彼を名乗る異常な存在が各地で続々と発見された。財団は当初、SCP-3477-3をオリジナルの首相であると考えていたそうだが、次々と見つかるSCP-3477を受けて当然、疑いの目が向けられた。SCP-3477-3は自身はSCPではないと潔白を主張したが、SCP-3477-3もまた、財団の持つSCPオブジェクトによって不死性を獲得していた事もあって、当時のO5評議会は1票を除いて残り12票全ての賛成によってSCP-3477-3をSCPオブジェクトと認定しO5権限を剥奪しSCP-3477-3として収容下に置いた(誰が反対していたのかについては不明だが、想像に難くない)。その後、SCP-3477-3は46年間収容されていたらしいが、集団脱走事件を引き起こし全収容個体が脱走したそうだ。
それから時が経ち、事件記録████-1が発生する訳だが、事件記録████-1によってこの宇宙からそれ以前のあらゆる異常性や異常存在は姿を消した。当然、SCP-3477も消滅したと財団は考えていた。しかし、実はそうではなかったというのだ。
事件記録████-1の発生から██年後、財団はSCP-████-JPの調査を進める中で、ある新興の小規模学園の存在に目を止めたという。その学園の名前はグレートバリアリーフ・オーストラリア高等学院。財団の調査によれば、その学院は█年前に出来たばかりの新興学園らしく生徒数も57名しか居なかった。なぜ、この学院が財団の目に留まったのかというと、学院の名前が余りにも事件記録████-1以前の地名を彷彿とさせる内容だったからなのだそうだ。それで、この学院を調べてみると、極めてオーストラリア要素、コアラやカンガルーなどが、あしらわれた学院だったらしく、さらに財団の注目を浴びた。そして、決定的だったのが、その学院の生徒会長が何を隠そうハロルド・ホルトを名乗っていたのだ!
財団はその生徒会長を調査。その生徒会長は間違いなくSCP-████-JP-Aだった。だが、調査を進めていくと、財団のデータベースに登録されている首相の言動や行動と一致していた。これを受けて財団はSCP-████-JP-Aの不死性とも言える強靭な身体も相まって、この生徒会長を38人目のSCP-3477と認定し確保。そして財団によるインタビューの結果、この生徒会長が語る処によると、38人目のSCP-3477ではなく、自分はあくまでSCP-3477-3であると主張したのだそうだ。財団はこれを当然怪しんだが、この生徒会長が財団の関係者しか知り得ない情報を次々と喋った為、認めざるを得なくなったのだそうだ。
それで、なぜ事件記録████-1後にも関わらず、SCP-3477-3が生き残っているのかという当然な問題になる訳だが、SCP-3477-3によれば、彼は事件時、放棄された財団の秘密施設に隠れ潜んでいたが、事件後、気が付いたらSCP-████-JP-Aになっていたと証言した。そして、まぁ、色々あって自分の学園を作ったとの事だ。SCP-3477のそれぞれの事例を見れば、この話が何処まで事実なのかは疑問のある所ではあるが、当時の財団からすれば、このハロルド・ホルトを名乗り、SCP-3477-3を名乗るSCP-3477個体は貴重な実存する唯一のO5評議員としての知識の保持者だった。事件記録████-1の影響により厳しい状況下にあった財団はこの生徒会長を少なくともSCP-3477-3の記憶を持っていると判断し財団の再興と地球人類の復興の為に、SCP-3477-3に協力を仰ぐ事になったそうだ(とはいえ、書類上はSCP-3477-38扱いだが)。
なお、財団に入った時期はO5評議員の中では、事件記録████-1前の財団でO5だったという主張を信じるとするならば、最古参になるが、事件記録████-1以後に入った事を基準とするならば、中間組に当たるという。財団に再び入ってからはレベル4セキュリティクリアランスの職員の一人として雇用され当時の財団上層部の相談役の様な立場に居たそうだ。相談役の様な立場に置かれた理由は恐らくは素性が怪し過ぎて任務に直接的に携わらせる事が避けられていたからだろう。だが、その後、財団での信頼を勝ち得たのかCKR-クラス:世界再構築再建シナリオ後の現在はO5評議員に任命されたというのが事の顛末らしい。
O5-7の姿は……まぁ、実物を見る事をお勧めする。ハロルド・ホルト氏の写真の姿を思い描きながら会うと、余りの衝撃に言葉を失うだろう。どんなマジックを使えばこんな可憐な美少女のキャラクターになるんだ……?
とはいえ、O5評議会を解説すると言いながら、黙り込むのは余りに不誠実だろう。だから、この書類の最後にO5-7の容姿に関して纏めた詳しい資料を用意しておいた。貴官がO5-7に会う前にO5-7の姿を知りたいのであれば、それを読むと良いだろう。
容姿に関しての解説は別の資料に任せるとして、それ以外の特徴に関しては記しておこう。O5-7はSCP-████-JP-Aであるが故に頭の上にはSCP-████-JP-Aの特徴であるヘイローが浮かんでいる。ただ、O5-7はO5-3と同じ様にヘイローの形が他のSCP-████-JP-Aと比べるとその形状に違いがある。O5-7のヘイローの形状は輪の中にオーストラリア大陸を縁どったかの様な形状をしている。
……。
もう突っ込まないぞ私は。
年齢に関してはCKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、███歳を超えている。また、もし、O5-7の言う通り、事件記録████-1前の財団でO5だったという主張を信じれば、O5-7は財団内でも最高齢になると推測される。
ハッキリ言って自分で書いておいてなんだが、頭が痛くなりそうな話だ。O5-7の存在を知ると私達の地球の何処かにも、もしかしたら、首相が今でも何処かに潜んでいるのではないかと疑ってしまいそうだ。
O5-8
O5-8についてのノート
O5-8は私達、担当官がサイト-8192に居る限りにおいては遠隔通信を介して話す事以外には殆ど関わる事も無いO5評議員だ。私の場合は宇宙サイト-76を視察する機会があり、その際に偶然にも宇宙サイト-76にO5-7が来ていた事から奇跡的に直接、話す機会があった。私の他には過去の担当官の中にはブラックナイト-14に向かう前に立ち寄ったブラックナイト-13で面会した例もある様だ。
O5-8: "プレジデント"
O5評議会唯一のSCP-████-JP-B。頭部が6目のカメラアイになっているのが特徴的で、スーツを身に纏っている事が多い。性別は男。ロボットに性別があるのかとも思ってしまうが、実際に話して見れば間違いなく男だ。SCP-████-JP-Bである為、サイト-8192内にはおらず、サイト-8192の外で活動していると推測される。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から財団に属しているとされ、財団に "雇用" された時期に関してはO5-5の前には既に雇用されていた事が示唆されている。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、年齢は███歳を超える。
O5-9
O5-9についてのノート
O5-9と会う機会は滅多にない。会食やパーティーの類の場にはまず間違いなく現れない。O5-9と会う機会があるとするならば、それはO5評議員の殆どが揃っている様な会談の場くらいだ。
O5-9: "申谷カイ"
SCP-████-JP-A-α群に属するSCP-████-JP-A個体。性別は女性。風貌は白と黒の髪、紅いアイシャドウのメイク、つり目、黒い瞳などが特徴的。服装的にはO5-1と似た様な制服をよく着ている事が多い。薬物関係の科学者である事が様々な資料の内容から示唆されている。財団に "雇用" された時期に関してはO5-8の前後ではないかと私達は推測している。CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していた事もあり、年齢は███歳を超える。
O5-10
O5-10についてのノート
O5-10、O5-11は目のやり場に非常に困る。何故、財団はあんな破廉恥な服装を許しているのか甚だ疑問だ。
O5-10: "アイン"
黒いガスマスクの様な物。黒い機械の様な見た目の手。黄色い目の中に黒い×形の瞳孔。白髪の髪に子供らしい髪型。機械の尻尾の様な物。全体的に白い印象で、SCP-████-JP-Aの様な見た目でありながら、ヘイローを持たない。どこか異質な物を感じる存在だ。容姿はO5評議員の中でもトップ3に上位の幼さをしており、仕草も言動も見た目に則していると言えるが、その服装は極めて破廉恥だ。もしも、我が国で子供にこんな格好をさせている親が居れば即刻逮捕されているだろう。財団に入った時期は不明だが、CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していたと見られており、年齢は███歳を超える。財団では見た目で年齢を図れないという最も分かりやすい例の一つだ。
O5-11
O5-11: "ソフ"
O5-10と似た印象の異質な容姿を持つ。耳に黒いヘッドセットの様な物を付け、片手には包帯を巻き、黄色い瞳に黒い×形の瞳孔を持つ、白髪のショートヘア。全体的に白い印象。SCP-████-JP-Aの様な見た目でありながら、ヘイローを持たない。O5評議会の中でもトップ3に幼い見た目ではあるが、やはり、このO5-11もO5-10と同じく破廉恥な格好をしている。財団に入った時期はO5-10と同じく不明だが、CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していたと見られており、年齢は███歳を超える。財団では見た目で年齢を図れないという最も分かりやすい例の一つ。
O5-12
O5-12についてのノート
O5-12を含めたO5-10、O5-11は揃って行動している事が多い様に感じるが、ただ生憎、確かめようが無い。O5-9の様に会う機会が非常に少ない訳では無いが、多い訳でも無いのだ。また、会食となると会食に参加した記録は過去の担当官の物も含めて記録されていない。もう少し会う機会が増えれば分析も進められるとは思うのだが……。
O5-12: "オウル"
O5-10やO5-11と似た印象の異質な容姿を持つ。黒い目隠しを付け、白髪のロングヘア。全体的にやはり白い印象。SCP-████-JP-Aの様な見た目でありながら、ヘイローを持たない。容姿もやはりO5評議会の中でもトップ3に入る幼い見た目。服装の方はO5-10やO5-11とは違いまだ常識の範疇に収まっていると言える。財団に入った時期はO5-10やO5-11と同じく不明だが、CKR-クラス:世界再構築再建シナリオ前から存在していたと見られており、年齢は███歳を超える。財団では見た目で年齢を図れないという最も分かりやすい例の一つ。
O5-13
O5-13: "AIC"
AIC、財団で広く利用されている人工知能。ただ、財団で利用されるAICにはいずれも特徴があり、AICの前にはそのAICの識別名が付いているが、O5-13は現状、その様な名称が明らかになっていない。会談などで言葉を交わす際も、O5-6と同じ様に立体映像でスクリーンを映し出して、O5-13の場合には白い背景に黒いフォントでAICとただ書かれているだけの姿で現れる。謎多き存在だ。音声は女性の物を使用している。噂では、このAICが何なのか他のO5評議員達も知らないとされており、また、別の噂では財団の全てのAICの集合体だという様な話もあるが真相は全くもって不明だ。
管理者
管理者についてのノート
管理者は財団の様々な資料を分析する中で存在が示唆された存在だ。その存在は不明瞭で曖昧だが、私達の推論では、管理者が実在すると仮定した場合、管理者とO5評議会の関係性は不明で、O5評議会と似た様な地位であるかもしれないし、もしくは、それよりも権力が低い、あるいは特定の状況や時期によって高いのかもしれない。
その正確な人数も不明。単独なのか、複数なのかもはっきりしない。O5評議会以上に朧気な情報を精査した結果、現時点では管理者が実在する場合、それは財団の全AICの頂点に君臨する様なAICが存在しそのAICが管理官を務めている可能性や、あるSCP-████-JP-A-α個体が務めている可能性などが指摘されている。
あるいは、これは私達の邪推かもしれないが、近年、異常なほど我が国と財団の関係性が急速に縮まっているが、この接近の背景には私達にも知らされてない様な秘密協定が我が国と財団との間で実は結ばれており、管理者の中にダレス元CIA長官などCIAの元長官級の人員が含まれるようになったからだなんていう説も出ている。ここに来ている貴官なら分かると思うが、この説があながち否定できる物ではないというのが分かるだろう。貴官も上からは多くの情報を遮断されている筈だ。私達の上官達は私達、担当官よりもより多くの情報を知っている。そんな彼らがこの様な事を隠していたとしても何らおかしい話ではない。ぞっとしない話だ。
また、管理者の存在がなぜ示唆されているのかについても記しておこう。O5評議会は様々な媒体において財団を統括している組織である事が示唆されている。しかしだ。私達は財団から提供された資料を読み進めていくにつれてある一文に注目した。それはSCP財団キヴォトス支部の設立に関わるSCP報告書の中で見られる記述だ。その報告書には、”SCP財団日本支部はSCP財団キヴォトス支部に再編成され、財団の指揮権はサイト-8192のサイト管理官から、SCP財団日本支部理事会の後継に当たる連邦生徒会のO5評議会に移行される" とある。なぜ、 "SCP財団日本支部理事会の後継" などという一文が入っているのか。
O5評議会は事件記録████-1以前の資料の文脈で言えば、間違いなく財団の最上位級組織だった。だが、今のO5評議会が過去のO5評議会と同一の組織なのかと問われれば分からないとしか言いようがない。もしかしたら、今、私達が対峙している財団もO5評議会も広い意味で財団に属する一支部という扱いだという可能性があるのだ。この仮説に立って見れば、支部よりも上位の存在がいる可能性が当然として出てくる事になる。これが私達が管理者と仮定している存在だ。財団の資料によれば、かつて財団には日本には日本支部理事会があった様に、中国にはO5-CN評議会なる組織もあったという。もしかしたら、今私達が対峙しているO5評議会は一支部の上層組織なのかもしれない。
また、財団という組織の性質を考えても、この管理者は居てもおかしくは無いと思えるだけの材料はある。財団はSCPオブジェクトの扱いには細心の注意を払っている。そして私達、人類文明の復興まで成し遂げた組織だ。その様な組織が人類が再興したにも関わらず、今でもSCPオブジェクトである彼女らやロボット達を登用し続ける理由はなんだろうか。一応、財団側の資料によれば、人道上の配慮が記載されている。
現在でこそ、この次元では財団が収容している物以外のあらゆる異常性は消失している為、財団が新たな異常を発見し収容する事は起こっていないらしいが、いざ、その様な必要が出てきた場合、大きな危険を伴う。だが、彼女達やロボット達であれば、例え人間では容易く死ぬような事態が起こっても少し怪我をする程度の傷で収まる可能性が高い。である為に財団は人命重視の観点から今でも彼女らやロボット達を使っている。と財団は説明している。だが、これは甚だ疑問に思う。この組織がSCPオブジェクトを手放しで使う事があるのだろうかと。それを制御する為のセーフティー的な役割として管理者が存在するとするならば、これは財団の組織の性質的に矛盾はしない推論と言えるのではないだろうか。
と、ここまで長く書いたが、管理者については本当にO5評議会以上に憶測の域を出ない眉唾物な話だ。ここまでの話は私達の単なる邪推で管理者なんて存在しないと言われても私は全く驚かない。むしろ存在しないと言われた方がここまでの曖昧さに納得できる程だ。だが、それと同時に存在を否定できる様な確固たる材料も無い以上、存在している可能性も捨てきれないのだ。
さて、貴官は担当官となった以上、この何が真実で何が偽りなのか、秘密のベールが覆うこの財団でこの様な様々な曖昧な情報と接しなければならない。ここまで私が記してきた内容はあくまで、その片鱗でしかない。相当、頭を混乱させる難解な任務ではあるが、私は君を応援している。私は一足先にステイツへと帰り、こんな疑心暗鬼な任務からはさっさと、おさらばさせてもらうが、まぁ、気楽にやってほしい。相当な外交問題になる様な真似さえしなければ、この任務は決して死ぬ様な事は無いのだからね。
Tale_IF:塗り替えられた世界
THE_END.
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