SCP-████-JP 学園都市キヴォトス 作:サイト8192
つまり、今回の話は本編時間軸のサイドストーリーです。
[データ削除済み]
SCP-████-JP=学園都市キヴォトス
SCP-████-JP-A=生徒
SCP-████-JP-B=ロボットの住民
SCP-████-JP-C=動物の姿の住民
SCP-████-JP-D=ミレニアム近郊に存在する廃墟内のロボットやドローン
SCP-████-JP-E=ゲマトリア
SCP-████-JP-F=先生
立体発光現象=ヘイロー?
SCP-███-JP=高異常性無限倉庫
SCP-001-Κι=情報隠蔽タブレット
SCP-002-Κι=
事案████-101=連邦生徒会長の失踪
事件記録████-1=?
事件記録████-42=アビドス高校とカイザーとの抗争
事件記録████-49=狐坂ワカモとの戦闘とその失敗?
事件記録████-56=?
調査記録████-389=天童アリスが発見された調査
SCP-████-JP-A-5094=連邦生徒会長
SCP-████-JP-A-5114=七神リン
SCP-████-JP-A-5122=不知火カヤ
SCP-████-JP-A-7392=空崎ヒナ
SCP-████-JP-A-8836=狐坂ワカモ
SCP-████-JP-A-9221=小鳥遊ホシノ
SCP-████-JP-A-9222=砂狼シロコ
SCP-████-JP-A-9223=黒見セリカ
SCP-████-JP-A-9224=奥空アヤネ
SCP-████-JP-A-9225=十六夜ノノミ
SCP-████-JP-A-9226=宇宙服の少女
SCP-████-JP-A-9989=天童アリスの身体
SCP-████-JP-A-9989-α=天童アリス
SCP-████-JP-A-9989-β=ケイ
SCP-████-JP-A-9989-γ=?
SCP-████-JP-E-1=黒服
記憶改竄=記憶の捏造…?
記憶処理=記憶を消す事…?
data_█_█:狂気
ファイル:事件記録████-61
詳細:日付202█/██/██、サイト-8192に配属されている████主任研究員(個体識別番号:SCP-████-JP-A-1337。以下、個体識別番号により呼称)が財団の機密情報をサイト外へと持ちだし、SCP-████-JPの要注意団体、連邦捜査部S.C.H.A.L.E(以下、連邦捜査部と呼称)に提供しようとした事案が発生しました。本事案は事前に財団側がSCP-████-JP-A-1337の不審な行動を察知していた為、連邦捜査部と接触する前に財団により無事、阻止されました。本事案の詳細は以下の通りです。
日付202█/██/██にサイト-8192内のLisa.AICの監視システムがSCP-████-JP-A-1337の犯罪行動分析的、犯罪心理学的に照らした不審な行動を検知、[データ削除済み]サイト管理官に警戒監視態勢の強化を求め、これが速やかに承認されました。SCP-████-JP-A-1337は財団の監視システムを明らかに警戒している動きを見せていました。SCP-████-JP-A-1337に対する警戒監視体制の強化の方針の決定に伴い速やかに財団はLisa.AIC及び機動部隊による集中監視を開始しました。SCP-████-JP-A-1337は監視の開始後、数週間は特段な動きは見せませんでした。しかし、それ以前にも増して財団の監視システムや他の職員の人目を大きく気にしている素振りを見せました。この動きはSCP-████-JP-A-1337が財団が監視体制を強化した事に気づいた為だと推測されます。そこで、警備部門はSCP-████-JP-A-1337の心理的隙を作り出す為に、監視体制を一時緩和する事としました。これにより、SCP-████-JP-A-1337に対する監視体制を財団が解いたと思わせ、SCP-████-JP-A-1337側からの次のアクションを誘う事で、SCP-████-JP-A-1337が財団の目を憚りながら、何をしようとしているのかに関する調査を進めました。監視体制の緩和後、監視システムの測定したSCP-████-JP-A-1337のストレス値は低下傾向に入り、心理的隙を作り出す事に成功しました。
監視体制の緩和から1週間の間は目立った動きは確認されませんでしたが、次のアクションが1週間後の日付202█/██/██に発生しました。SCP-████-JP-A-1337はサイト外への外出許可を求める外出申請を提出。財団はこれを承認しました。外出申請が行われた事を受けて財団は機動部隊による追跡を準備し、日付202█/██/██にSCP-████-JP-A-1337がサイトより外出をすると速やかに追跡を開始しました。SCP-████-JP-A-1337は鉄道やバスなどの公共交通機関を利用してサイト-8192より離れた場所にある██████自治区の携帯電話ショップに入りました。SCP-████-JP-A-1337はそこで携帯端末を契約し購入。その後、直ぐに何者かに電子メールを打つ動作を行いました。凡そ5時間後、携帯端末を雑居ビルのコインロッカーへと入れるとSCP-████-JP-A-1337はサイトへと帰還しました。機動部隊は速やかにコインロッカーから携帯端末を回収し解析を開始。その結果、SCP-████-JP-A-1337が連邦捜査部のSCP-████-JP-Fに対して電子メールを送信していた事が分かりました。なお、電話機能の使用は確認されませんでした。電子メールの内容は以下の通りです。
宛先:[データ削除済み]
C.C:
件名:キヴォトスにおいて先生が看過し難い重大な問題が生じています。
本文:連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの先生。あなたの御噂はかねがね聞かせて頂いております。そんな、貴方を見込んで、ぜひ私の持つ情報を貴方に提供したくこの度はメールを送らせて頂きました。ただ、私の立場上、匿名で連絡する事をご無礼をお許しください。メールでは詳細を話す事は出来ません。直接会ってお話をする機会を頂きたいです。
上記の電子メールへの返信は送信から凡そ3時間後にSCP-████-JP-Fの使用していると見られる電子メールアドレスから返信がされました。SCP-████-JP-Fと見られる人物は面会を承諾。両者は待ち合わせ日時や場所などをやり取りをしていました。両者により決定された待ち合わせ場所はトリニティ自治区のカフェ██████です。この電子メールのやり取りを受け、財団はSCP-████-JP-A-1337が財団に対して深刻な反逆を企てている容疑があるとして身柄を拘束する方針が速やかに決定されました。連邦捜査部との待ち合わせ日である日付202█/██/██に財団はSCP-████-JP-A-1337の外出申請を許可。トリニティ生に偽装した機動部隊による追跡を開始し、SCP-████-JP-A-1337がトリニティ自治区方面の路線の電車に乗った確認。また、待ち合わせ場所に指定されていたカフェ██████では、SCP-████-JP-Fが店内に入店及び待機している様子が外部からの張り込みを行っていた職員によって確認されました。機動部隊はSCP-████-JP-A-1337が電車に乗った時点において最終的な反乱の意志有と判断し、電車の座席にSCP-████-JP-A-1337が座ったタイミングで消音麻酔銃によって就眠させ、友人を装った機動部隊員による迅速な身柄確保を行いました。確保は無事に成功しSCP-████-JP-Fとの接触の阻止に成功しました。確保時、SCP-████-JP-A-1337は不正に持ち出した財団の機密情報が記録されたUSBメモリーを所持していた事実も確認されました。SCP-████-JP-A-1337の身柄はその後、[編集済み]自治区の最寄りの駅で電車が停車した後、機動部隊により速やかに近隣の財団のセーフハウスへと一時移送され、その後にサイトへと移送。財団はSCP-████-JP-A-1337の財団職員資格及び権限を全て剥奪し仮設独房に収容しました。本事案は事件記録████-61に登録されました。
録音記録:事件記録████-61-202█/██/██
インタビュアー:████主任研究員
対象:SCP-████-JP-A-1337
実施方法:拘束したSCP-████-JP-A-1337を収容した仮設独房にてインタビュアーとの面談形式で行う。インタビュアーの他に警備員2名も収容室内で待機。収容室内の様子は各種監視装置によって監視し、収容室外では研究チームが随時モニタリングを行う。
<録音記録抜粋>
※以下は録音記録の転写です。
████主任研究員:ごきげんようSCP-████-JP-A-1337。こんな形で同期のあなたと相見えたくは、ありませんでしたよ。
SCP-████-JP-A-1337:(俯いたまま反応せず)
████主任研究員:私はあなたの事情聴取を任されています。現在、あなたは全ての財団職員としての資格と権限を剥奪されています。この状況がお解りですか?
SCP-████-JP-A-1337:(俯いたまま反応せず)
████主任研究員:あなたに黙秘権はありません。黙秘する場合、それは、あなたの立場をより悪くし最悪はDクラスへの降格処分となる可能性があります。何か質問はありますか?
SCP-████-JP-A-1337:(俯いたまま反応せず)
████主任研究員:質問は無い物と受け取ります。それでは質問に移らさせて頂きます。あなたは財団に無断でSCP-████-JP-Fと接触をしようとしましたね?
SCP-████-JP-A-1337:(俯いたまま反応せず)
████主任研究員:さらに、あなたの持ち物から財団の機密情報の入ったUSBが発見されました。あなたはSCP-████-JP-Fに対して財団の情報を提供しようとしたのではありませんか?
SCP-████-JP-A-1337:(俯いたまま反応せず)
████主任研究員:あくまで黙秘ですか...(6秒間の沈黙)...今の状況について理解して頂けてない様ですね。現在、財団内には事実上の戒厳令が敷かれ職員の間には、あなたの今回の裏切りに動揺が走り、怒りの声が数多く上がっています。あなたを即刻、終了処分するべきだという声までも上がっているのです。この身柄拘束処置はあなたの身を守る為の処置でもあるのですよ。
SCP-████-JP-A-1337:(俯いたまま反応せず)
████主任研究員:話して頂けませんか?あなたが何故、今回の様な余りにも愚かな行動を取ってしまったのかを。
SCP-████-JP-A-1337:(SCP-████-JP-A-1337は俯きながらマイクが補足出来ない程の小声で何かを呟く)
████主任研究員:何ですか?もっとはっきりと発音をお願いします。
SCP-████-JP-A-1337:裏切り...(3秒間の沈黙)...裏切りとは言うに事欠いてそう言うんですか。
████主任研究員:何かおかしい所でも?
SCP-████-JP-A-1337:おかしいのは皆でしょ!(SCP-████-JP-A-1337は声を張り上げる)
(SCP-████-JP-A-1337は手錠が掛けられた腕を使いテーブルを殴りつける。手錠はチェーンによって椅子と繋がっている為、拘束状態に問題は無い)
████主任研究員:言っている意味が分かりません。それと態度は注意して下さい。余り態度を悪くすると自身の立場をより悪くしますよ。
SCP-████-JP-A-1337:私は財団を裏切ったつもりはありません。むしろ、正そうとしていたんです。おかしいのは皆だ!(SCP-████-JP-A-1337は怒気を強める)
████主任研究員:支離滅裂ですね。なぜその様な破綻的思考回路に陥ったのか聞いても?
SCP-████-JP-A-1337:あなたは今の財団がおかしいと思わないんですか?極普通に暮らしている個体を誘拐して、Dクラスに使って!それだけなら、まだしも、そのDクラスを人体実験やSCPオブジェクトの実験にまで!そんな事が許されると思ってるんですか!?
████主任研究員:Dクラスに雇用されている職員の大半はSCP-████-JPの社会基準で見ても反社会集団であるヘルメット団や不良集団の筈ですが?
SCP-████-JP-A-1337:方便だ!そもそもDクラスは死刑囚等の凶悪犯を雇用するのが財団のルールの筈です。にも関わらず、軽犯罪者をDクラスにして深刻な結果を伴う実験に使うなんて倫理的に許されるとでも!?
████主任研究員:なるほど。それが今回の事件を、あなたが起こした理由ですか。
SCP-████-JP-A-1337:私は財団を裏切ったんじゃない!財団を正す為に動いたんです!
████主任研究員:SCP-████-JPで影響力のある連邦捜査部に通報する事が財団の為になると?
SCP-████-JP-A-1337:幾ら連邦捜査部と言えども財団を潰す事は出来ないでしょう。ですが、今の財団の実態を知らせれば、少なくとも今後、財団は同じ様な方法でDクラスを補充する事を躊躇う筈です...(3秒間の沈黙)...あなた達のせいで連邦捜査部に伝えられなかったので私の試みは失敗してしまいましたが。
████主任研究員:なるほど、あなたなりの財団への貢献のつもりだったと。あなたはそう言いたい訳ですね。ですが、それによって、よしんば、あなたの狙い通りに事が進んだとして、少なからず財団職員に被害が及ぶ可能性が当然ありますよね?その辺りはどう思ってるんですか?
SCP-████-JP-A-1337:今の残虐で異常な状態の財団を正す為ならば...(6秒間の沈黙)...仕方ない犠牲です。それだけの荒療治をしないと、今の財団は変わらないでしょうから。財団職員として今の状態の財団は見過ごせません。
████主任研究員:はぁ...(インタビュアーは溜息をつく。その後、8秒間の沈黙)...あなたは財団について、重大な勘違いを犯している様ですね。
(5秒間の沈黙。SCP-████-JP-A-1337はインタビュアーを睨みつける)
SCP-████-JP-A-1337:勘違い?
████主任研究員:ええ。勘違いです。
SCP-████-JP-A-1337:私のどこが勘違いをしていると?それは、あなた達がおかしいから、財団職員として正常な判断をしている私がおかしく見えているだけなのでは?
████主任研究員:あなたは、もう一度、SCP-████-JPの報告書や事件記録████-1以前のSCPオブジェクトの報告書をよく読んでみる事をお勧めしますよ。読む機会があればの話ですが。
(6秒間の沈黙)
SCP-████-JP-A-1337:何が言いたいんです?
████主任研究員:あなたは3つの重大な勘違いを犯しています。まず第一に、現状に対する認識です。あなたのその発想は現状認識が平時におけるその物です。ですが、現状は平時ではありません。SCP-████-JPの報告書には、これが明確に書かれています。なぜ、あの報告書にサイト-8192の存在露呈は完全なSK-クラス支配シフトシナリオ、完全なCK-クラス再構築シナリオ、完全なXK-クラス世界終焉シナリオに至る可能性がある事に十分留意して下さい。と書かれているのだか分かりますか?
(3秒間の沈黙)
████主任研究員:それは、現在の状況が事件記録████-1で発生したK-クラスシナリオが今も、世界で進行中であると財団は判断しているからですよ。財団は最後の砦なんです。財団が壊滅した時、事件記録████-1で発生したK-クラスシナリオは達成され、人類文明が終焉を迎えるんです。つまり、まだ事件記録████-1で発生したK-クラスシナリオはまだ終わっていないんです。財団はまだ負けたとは考えていない。つまりは、現在はK-クラスシナリオ進行下にある有事であるという事です。
SCP-████-JP-A-1337:へ、屁理屈だ!まさか有事だから何をしても許されると!?
████主任研究員:そうですが?多少の倫理的な問題は非常事態故に許容される範囲内の話です。人類文明が完全な滅亡の瀬戸際に立っている状況で、手段を選んでいる余裕が今の財団にあるとでも?
SCP-████-JP-A-1337:既に人類は滅亡しているんですよ!?それに今は状況は安定しています!物資や経済的には厳しいかもしれませんが、時間的にはそこまで切迫した状況ではない筈!手段を選んでいる余裕が完全に無い訳ではない筈です!
████主任研究員:よしんば、あなたの言う様に財団に余裕があったとして、財団が、あなたの言う善良なSCP-████-JP-A個体を捕獲しDクラス職員として運用する事に何の問題があるんですか?
SCP-████-JP-A-1337:倫理的な話です!財団として一線を越えた行為ですよ!それに確保、収容、保護の理念にも反しています!
████主任研究員:これが二つ目の点です。先ほど、事件記録████-1以前のSCPオブジェクトの報告書を読む事をお勧めしましたが、例え今が平時であったとしても、財団は必要があれば、今の私達と同じ事をしますよ。
SCP-████-JP-A-1337:それは...(5秒間の沈黙)...どういう意味ですか。
████主任研究員:過去のオブジェクトの事例を参照すれば分かる事ですが、例え、善良な如何なる存在であったとしても、財団は必要があれば、その存在を捕え徹底的に調べ上げる事もあるし、その命を終了する事はよくある事です。必要ならば、単なる終了ではない、より残酷な事をする事もあります。利用する事もある。何故ならば、それが必要な事だからです。そして今、財団はK-クラスシナリオの進行中かつ、人類文明が滅亡の淵に立たされているという非常事態状況下であり、人類の人材確保が不可能であるが為に遺伝子上最も人類に近いSCP-████-JP-Aを雇用しているんです。
SCP-████-JP-A-1337:今が...(3秒間の沈黙)...その必要な時だと言うつもりですか!?
████主任研究員:そうです。あなたは、SCP-████-JPがなぜKeterクラスに分類されているのか考えるべきです。例えば、そうですね...(6秒間の沈黙)...あなたの主張を財団が採用しようとしましょう。そうなれば、Dクラスは何処から補充しますか?
SCP-████-JP-A-1337:凶悪犯を捕まえるか、情報もしくは政治的な工作によって例えば各学園の風紀委員会やヴァルキューレ警察学校などが身柄を抑えている凶悪犯などから調達するのが定石ではないでしょうか。
████主任研究員:そうですね。それしかないでしょう。ですが、あなたは重大な事を見落としています。
(SCP-████-JP-A-1337は怪訝そうな表情を浮かべ7秒間沈黙する。)
SCP-████-JP-A-1337:重大な事?
████主任研究員:ええ。その場合、財団の存在がSCP-████-JPの勢力に露呈するリスクが高まるという点ですよ。現在の多くの面で能力が限られている状態の財団がSCP-████-JPの勢力に接近する。それもこれまでの比にならない程までの接近。そのリスクを、あなたは完全に見落としている。まず、凶悪犯を捕まえる事については露呈のリスクを低く見積もる事は可能ですが、これに関しては、ただでさえ人手不足である財団が捜査活動までしなければならないという大きな問題がある為、論外なので先に除外しておきますが、後者の場合は財団が情報工作にせよ政治的工作にせよ、SCP-████-JPの公的勢力に接近する必要があるでしょう。これは非常に危険なリスクです。財団以外の人類文明が消滅した後の世界において、謎多き知的実体が支配する社会に存在する、謎多き知的実体が運営する組織に風前の灯火の財団がこれまでの比にならない程までに近く。これ程のリスクがありますか?SCP-████-JPに住む知的実体群の性質も正体も、まだ分からない以上、財団の存在や、人類文明の事を知った途端にSCP-████-JPその物から一斉攻撃を受ける可能性だってゼロではないんですよ?
SCP-████-JP-A-1337:そ、そんな事ある訳が。(SCP-████-JP-A-1337は言い澱んだ様子を見せる)
████主任研究員:無いと言い切れますか?表面上は大丈夫に見えても、特定のトリガーによって牙を剥くSCPは過去の例を見ても幾つも存在しましたよ。その上で、あなたは事件記録████-1後に出現したSCP-████-JPという得体の知れない存在に対して財団を近づけよと言っている...(5秒間の沈黙)...そんな事を財団が容認できるとでも?
(SCP-████-JP-A-1337は動揺した様子を見せる)
████主任研究員:私達は最悪の事態を想定しなければなりません。先ほど、あなたは財団には余裕があると言いましたね?無いですよ。そんな物は...(7秒間の沈黙)...人材不足や物資、資金の問題だけではありません。もっと根本的に。そもそも、このSCP-████-JPを根幹とした世界そのものが、ある日突然、終焉を迎えても、おかしくはないんです。事件記録████-56で私達はそれを嫌と言う程、知った筈でしょう?この世界は非常に不安定である可能性もあるんです。あなたは、時間的な余裕を口にしましたが、時間は私達の味方ではない可能性があるんです。悠長にDクラスの問題に気を使っている余裕なんて何処にも無いんです。財団にとって今の世界はSCP-████-JPも、SCP-████-JP-Aも、その他の付属実体も。ありとあらゆる全てが、現時点において何も分からない以上、脅威なんですよ。
(8秒間の沈黙)
████主任研究員:そして最後に3つ目。あなたは今の財団の方針が確保、収容、保護の理念に反していると言っていますが、これは明確に間違いですよ。
SCP-████-JP-A-1337:ど...(3秒間の沈黙)...どこが間違いだと言うんですか!?それは何も間違ってはいないでしょう!
████主任研究員:間違っていますよ。だって、私達が実験で消費した個体はSCP-████-JPに居る膨大な数の個体の中の氷山の一角に過ぎないじゃないですか。他のオブジェクトの例を見ても必要に応じて個体を処分したり、必要な数をサンプルとして捕獲し実験に使用する事はよくある事です。Dクラスに雇用して他のオブジェクトの実験に使用する事は余り前例は無いかもしれませんが、現在の厳しい財団の状況下を考えれば、充分に許容範囲の利用です。
SCP-████-JP-A-1337:許容範囲って...(3秒間の沈黙)...なんだと思ってるんですか!
████主任研究員:Keterクラスのオブジェクトですよ。私達はそれを人類の為に可能な範囲で有効活用しているに過ぎない。本来ならば私も、あなたも含めてSCP-████-JP-Aの様な得体の知れない存在を財団に起用する事すら憚れる事です。ですが、それでも利用せざるを得ないのなら利用する。ただそれだけの事ですよ。それに保護という観点で見れば今、財団で勤務している全ての職員が財団によって確保、収容、保護された個体であると見る事もできるでしょう。
SCP-████-JP-A-1337:有効活用って。
(4秒間の沈黙)
████主任研究員:むしろ、私が、あなたに聞きたいですよ。なぜ、この様な非常事態下にあるにも関わらず、人類ではなくアノマリーにそこまで肩入れしているのですか?財団は確かにアノマリーの保護も重視していますが、人類とアノマリー、この非常事態下において、どちらが重視されるべきなのか、推して図るまでもないでしょう。
(SCP-████-JP-A-1337は呆然とした様子で沈黙する)
████主任研究員:財団にとってK-クラスシナリオは過去の物ではなく今も続いていて人類も、まだ負けていないのですから。
<録音記録抜粋終了>
事情聴取の結果を受けて財団の本事案の担当チームはSCP-████-JP-A-1337の記憶改竄処置に大きな不備があった可能性を指摘しました。通常、記憶改竄処置による思想操作は非常に強力であり、SCP-████-JP-A-1337の様な逸脱した思考パターンに陥る事は殆どありません。この為、そもそも記憶改竄処置に何らかの問題があったのではないかと指摘されました。
この指摘を受けて財団は速やかにSCP-████-JP-A-1337の記憶改竄処置のログを調査し、その結果、SCP-████-JP-A-1337の記憶改竄処置時、記憶改竄設備に瞬時電圧低下が発生していた事が判明しました。これを受けて担当チームは本事案が記憶改竄処置にエラーが生じた結果、記憶改竄が不完全な強度となり引き起こされたと結論付けました。なお、瞬時電圧低下については設備の緊急点検を行いましたが、記憶改竄装置自体には問題は確認されませんでした。ですが、SCP-████-JP-A-1337を含めた8個体の記憶改竄処置の終了後に電源ケーブルの定期交換が行われている事から、交換前の電源ケーブルに問題があった可能性が高いとして、予備物資として保管されていた当該の電源ケーブルを調査した所、重量による圧迫が原因とみられる部分的断線が確認され、瞬時電圧低下の原因は電源ケーブルの接触不良にあると結論付けられました。
調査結果を受けて、財団はSCP-████-JP-A-1337への処分内容について、多くの職員の間では厳罰を求める意見が多かったものの、そもそもの記憶改竄処置に問題があった事から情状酌量の余地有りと判断し、SCP-████-JP-A-1337に対してクラスE記憶処理を実施し全記憶を抹消した上で、致死性の実験を伴わない6カ月間のDクラス職員への時限的降格処分を実施し、その後、オペレーション・アナスタシスによって定められた手順に則り、記憶改竄処置を施した上でレベル0セキュリティクリアランス職員として昇格させ、再度0からキャリアアップを目指させる処分が決定されました。なお、今後、SCP-████-JP-A-1337のセキュリティクリアランスが上昇した場合、財団内での不和を避けるべく、レベル0への昇格段階において、整形手術及び氏名の変更を行い、識別番号に関しても偽装番号を付与し、多くの職員がSCP-████-JP-A-1337と認識できなくする処置が実施されます。
本事案の全調査の終結後、財団は全職員の記憶改竄処置に問題が無かったかの緊急調査を実施し、財団の方針に対する認識のズレが生じていないかが確認されました。その結果、SCP-████-JP-A-1337以外には同様の問題は生じていない事が正式に確認されました。また、本事案を受けて記憶改竄処置前に装置や設備に問題が無いかのチェックのさらなる強化が決定されました。
補遺: 本報告書が執筆された現時点において、SCP-████-JP-A-1337はDクラス職員である為、レベル0セキュリティクリアランス職員に昇格するまでの期間は引き続き識別番号(SCP-████-JP-A-1337)によって識別されます。
メモ: この事案の発生によって財団に対するミルグラム服従度の数値が高くても、本人の認識の違いにより、この様な問題が生じる可能性が明らかになった。今後は認識に異常が無いかのチェックをより厳格化する必要がある。でも、視点を変えれば、Lisa.AICの心理傾向分析ユニットによる犯行の事前察知は完璧に機能し、さらには大半の職員達がこの様な事案に対して怒りの感情を示した事は今後の財団運営にとって非常に希望の持てる結果と言える。今回の事案は奇しくも財団の保安体制の盤石さを示した。