ソードアート・オンライン 英雄達のレクイエム 作:オトマトペ
ソードアート・オンラインが始まり早くも2ヶ月。ミトと俺は迷宮区に来て攻略を進めていた。キリトはあのあとミトの友達・・・アスナとパーティーを組んで攻略していた。彼女はあのあとかなり荒れたらしいが覚悟を決めたのか一人でしていこうとしていたらしいがキリトがなんとか説得したらしい。俺とキリトはなんとかかち合わないようにその場所は分けてきた。ミトは一緒に攻略して行く中でこのゲームに巻き込まれるには問題ができた。
「分かれ道ってとこか」
俺達はベータテストには無かった分かれ道で行き詰まっていた。この手の分かれ道は大概がトラップが設置されており、中に即死性のトラップがあろうものなら目も当てられぬ結果になるだろう。こういう時は情報屋から情報を仕入れるのがいいんだろうが圏外の奥深くにいるわけが・・・
「その分かれ道は真ん中が正解だゾ」
「うわひゃ!?」
ミトの背後から一人の少女・・・アルゴが現れる。アルゴはピースサインを両手に作りながら笑う。
「どうした?こんなところでよ」
「さすがに今回はバレなかっタか。実はな正解の道ってのは既に知ってるゾ」
「なら、そいつの情報を寄越せ。とっとと俺達は先へ進みてえ」
「だが、問題があってナ。その道の奥にはユニークボスがいるんだヨ。そいつを倒すにはここの戦力だけじゃ足りないんだヨ」
アルゴの情報が正しければユニークボスを倒すにはせめて、あと3、4人は欲しい。その時後ろから6人のパーティーが現れる。アルゴがすかさず青髪の剣士に話しかける。おそらくこいつがリーダーだろう。
「ナァ、アンタ少し協力してくれるカ?」
「協力?なんの協力をすればいいんだい?」
「ユニークボスの撃退ダ。こっちの2人とそっちの6人で多分なんとかなると踏んでるんダガ」
ここでリーダーが俺達に気付いた。彼らのうち半数はミトに目を向けると顔を緩ませるがもう半分は俺を見て顔を引き締める。
「あの子可愛くね?」
「分かる。あんな娘初めて見たぞ」
「でも、男と一緒ってことは・・・」
頬を弛めていた男達は肩を落とすが知ったことではない。少しイラッとはするがミトがそれだけ可愛いのは理解しているからな。まあ彼らは腐っても自力でここまでやって来たんだ。そう思うと心構えが出来ている。この時、青髪の剣士は爽やかな笑みを浮かべる。
「君達は?」
「俺はタキだ。こっちはミト。よろしく頼む」
「おい、俺っちの紹介ハ?」
「既に知ってんだろ?」
「そういう問題カ?ター坊が冷たくてお姉さん涙が出そうだゾ」
アルゴはわざとらしく泣き真似をするが、とりあえず無視だ。今はこっちに集中する。
「俺はディアベル。職業は気持ち的にナイトやってます」
SAOにおいてジョブシステムというものはない。よってナイトの称号は本人の言うように自称だ。だがこのデスゲームと化したこの場で冗談を言えるのはよっぽどの馬鹿かあるいは…
「君達は三人だけでここまで?」
ディアベルが問いかけてきたので考えるのを一旦やめて答える。
「いいや、俺とミトでここまで来ただけだ。鼠はここでバッタリとな」
「すごいじゃないか。姫君も守りながらここまでやってきたんだから」
・・・・・やべェ。このパターンは
「少し訂正するけど私は姫君じゃなくて彼とは対等な関係だからね。少なくとも守られてはいないわ」
ミトはそう言いながら俺と腕を絡める。確かにミトは姫君とかでもなく対等な関係でありたいと考えている節があるし、それは俺も同じことだ。だが・・・
「お前・・・久々の宝箱って喜んだ挙句ミミックに頭からガブっといかれてただろうが・・・」
思わず口を滑らせる。慌てて口を塞ぐが当然気づかれており・・・
「それは言わないでよ!なんか私がマヌケみたいじゃない!!」
ミトは顔を真っ赤にして言い返した。俺はミトがミミックに噛まれているところを思い出す。最前線近くまで来たことでまだ開けられてない宝箱がザクザクでミトは少し浮かれていた。その時だった。
『暗いよぉおおお!!!怖いよぉおおお!お願い!!引っ張ってぇええええ!!』
ミトはミミックの口から出ていた両足をバタバタさせながら叫ぶ。すぐに引っ張り出したが、内心では少し・・・いや、かなり可愛いと思「フン!」・・・・どうやら拗ねちまったか。確かにいまのはいう必要はなかったな。
「はいはいそこまで」
ここでディアベルが入ってくる。ここら辺で入ってくるあたり人の感情の機微に敏感だな。
「ミトだったね。確かに君達二人は対等な関係だ。ついさっきの発言は騎士としてあるまじき事だったな。撤回するよ」
「ならいいわ」
なんとかミトの怒りは鎮まり内心ホッとする。ディアベルはアルゴを呼び作戦会議をする。
「すまないが今回なんでここにボスが配置されてるとわかったんだ?」
「ああ、それは俺っちがあるプレイヤーから情報を得たんダ。ボス戦前に重大な情報があるってナ。もちろんその情報は裏は取れてるヨ」
「そのボスの名前は?」
「確か《クラッシュ・コボルド・ガーディアン》だったゾ。確か武器は曲刀カテゴリの湾刀だヨ。でも、ここまで来たフロントランナーならイケるサ」
湾刀か・・・確かβの《イルファング・ザ・ゴボルド・ロード》も確かその武器だ。
「わかった。君達三人も一緒に戦ってくれるか?」
「待って欲しい。一つ聞きたいの。もし、私達か貴方達のどちらかが危険になったとしても助けられるか分からない。それでもいいの?」
今の言葉は確認だ。ミト自身が一度起こしてしまったことをもう繰り返さないためにな。
「心配いらないよ。こんな世界だ。俺達も覚悟はしている。それに女の子に守られるほど俺達は弱いつもりはないよ」
ディアベルの強い発言に彼のパーティーメンバー達はうんうんと頷く。なら安心出来るか。
「それじゃあ、オイラはこの辺「逃すか。お前も手伝え」ちょっ!?俺っちはただの情報屋何だけド!?」
「お前1人でここまで来れてるんだ。少しは手伝え」
「ちょっとそれはないだロ!?ミーちゃん!ター坊を説得してくレ!!」
「タキ。流石に彼女はサポートに回せない?流石に戦力的に戦わせるのは・・・」
「ハァ・・・仕方ねぇか」
一人でも戦力が欲しいところではあるがこれじゃ少し不安か。
「ここの八人でユニークモンスター攻略と行こうか!!では、みんな!行くぞ」
「「「「「おう!!!」」」」」
俺達が分かれ道を進んだ先に待っていたのは一体のコボルド・・・あれが《クラッシュ・コボルド・ガーディアン》か。
グルォォォォ!!
「狩り応えがありそうだ」
「じっくり行くわよ」
俺とミトは槍と鎌を打ち合わせ戦闘を開始した。
☆¥%
ガーディアンの攻撃パターンは至ってシンプルな曲刀スキルと柔軟に動き回るコボルドならではの動きだ。ガーディアンは曲刀スキル突進技《レイジング・チョッパー》を繰り出す。この技は突進すると同時に連続で斬撃をくらわせる技だ。普通ならここでダメージを喰らうがディアベルが指示を出す。
「シヴァタとリュフィオールはブロックだ!リンドとヤマタはノックバックしたところを攻撃してくれ!!」
「こっちこいや!!」
「受け止めるぞ」
タンクのプレイヤー・・・シヴァタとリュフィオールは盾を構え挑発スキルを発動させて、ガーディアンの攻撃を受け止める。そこに、二人のシミター使いのリンドとヤマタは曲刀スキル単発技《リーバー》を発動させ、ガーディアンをノックバックさせる。
「次行くぞ!タキ!ミト!ハフナー!三人でデカい一撃を頼むぞ!」
「「「おう(ええ)」」」
俺達三人はソードスキルを同時に発動させてガーディアンのHPを1割減らしレッドゾーンに落とす。その時だった。
グルォオオオオオオオオ!!!
「ッ!」
「何!?」
ガーディアンは一度吠えると回転し始めたのだ。その回転スピードはさながら独楽。ガーディアンはそのまま突っ込んでくる。
「チィッ!」
「あぶな!?」
「ガッ!?・・・ってぇ〜〜〜」
ギリギリで俺とミトは避けるがハフナーは間に合わずもろにくらって壁まで吹き飛ばされる。
「大丈夫か?」
「なんとかな!だが、あいつはやべぇだろ!」
HPは半分ほど削られてイエローに落ちてやがる。次には後ろにいたリンドとヤマタが吹き飛ばされる。
「グッ!?」
「チキショウ!!」
彼らも直ぐには戦線に戻ることは難しいほどにHPが減っていた。ガーディアンの回転攻撃はやっと止まるがまるで勝ち誇ったかのような雄叫びを響かせる。
グオウ!!グオウ!!グルガ!!
ガーディアンはまたも回転攻撃を再開する。このままでは会えなく全滅は免れない。
「リンドとヤマタ、ハフナーは後退!!ガーディアンの攻撃はリュフィオールとシヴァタで「待って!!」っ!?」
ディアベルが指示を出そうとした時、ミトが遮る。
「私に任せて!デカいソードスキルを使ってあの回転を止める!その隙にタキ、ディアベル、リュフィオールが攻撃して!!」
「待ってくれ!流石にあの巨大だ!流石に無理がある!」
リュフィオールが声をあげる。だが、タンクを二人がかりにしてもノーダメージというわけにもいかない。だが、ミトが上手く弾ければ?そうなればリターンは高い!
「わかった。任せるぞ」
「おい!あんた!彼女が危ないとか思わないのかよ!」
「惚れた女が任せろって言ったんだ。それを言われちゃ男冥利に尽きるってもんだろ?」
「あんなデカブツ彼女一人で・・・」
「リュフィオール。彼女の言う通りにしてみよう!彼女もおそらく何かしらの策があってこのやり方にしてるはずだ」
「ベルさんがそういうなら・・・わかった」
俺達は4人で固まると同時に構える。ミトは向かってくるガーディアンを見定める。そして、
「ハァアアアアアア!!!」
ミトは両手鎌スキル二連撃技《ランバー》を使う。《ランバー》は自身が回転しながら放つ技である。回転した両者がぶつかると同時に盛大な火花が散るが流石ミト回転をしっかり止めている。
「隙は?」
「最高だァ!!ますます惚れるな!!流石は俺のミト!!」
シヴァタとリュフィオールは片手剣スキル単発技《スラント》でガーディアンを肩を袈裟斬りにする。
「後は頼む!!」
「上等だァ!」
俺は両手槍スキル直線突き技《スイフト・ランジ》を発動させて頭から一直線にガーディアンを貫く。その後ろからはディアベルが片手剣スキル跳躍技《ソニック・リープ》の構えをとる。
「スイッチ!」
「ああ!・・・これでとどめだ!」
ディアベルがガーディアンを縦に切り裂きそのHPは遂にゼロになる。
ガァアアアア!!!
ガーディアンはまだだとばかりに吠え向かってくるがシステムに逆らうことが出来ずについに消滅する。
「やった・・・・・やったぁ!!」
「よっしゃ!」
「これで先に進める!」
レイドメンバーは喜びの声をあげる。彼等からすれば未踏破であったユニークモンスターを遂に狩ることが出来た喜びは最高潮なのだろう。
「お疲れ様。タキ」
ミトは俺の元にやってきた労いの言葉をかける。その言葉を聞くだけで俺は気分がいい。
「そっちもな。ミト・・・にしても、あれは流石にビビっちまったがな。まさか回転に回転をぶつけてくるとは」
「だって、受け止めるより上手くいけば確実に止まるじゃない」
「上手くいったからいいものだが・・・無事で良かった」
これで無事にボス部屋前の最後の砦である《クラッシュ・コボルド・ガーディアン》を撃破した。その先にある扉は開いていて、その先にはβ版でも見たボス部屋があった。ディアベルはそれを見るとアルゴを呼ぶ。
「すまないが告知をお願いできないかな?トールバーナーに広場があっただろ?そこで攻略会議を行いたい」
「いいゾ。なら日にちとかも出さないとナ・・・」
ディアベルとアルゴが話している間手持ち無沙汰になったので、俺はディアベルのパーティーメンバーで比較的に話しやすいシヴァタに声をかける。
「ディアベルのディレクションは効率がいいな。戦力バランスもピッタリだろうから今後の攻略組は多分あいつをリーダーにしていくんだろうな」
「あんたもそう思うか。俺もベルさんが攻略組のリーダーにピッタリだと思うんだよ。あの人はリーダーシップもあって、トラップを見る目もある。やっぱりあの人がリーダーをやるのが向いてると思うぜ」
シヴァタは尊敬の念を向けながら言う。俺はディアベルの方を見ながら過去を思う。あれはβテスト最終日《オロチ・エリートガード》を相手にしていた時に一人の盾持ちの片手剣使いが指示を上手く出していた。そいつのプレイヤーネームはベル。奇しくもディアベルの愛称と同じ名前を待つ彼。そいつは未だ消息不明だが、もしや・・・そうこうしている内にディアベルとアルゴが会議についての相談が終わったようだ。
「分かったゾ。有力プレイヤー達にメッセを送って会議の告知とボスの情報を伝えるゾ。あんたもこんな告知をやるんダ。責任は重いが良かったのカ?」
「ああ。助かる。それにこれは俺の債務だ。俺は絶対にこのゲームをクリアして見せるさ!」
ディアベルの笑顔はかなり爽やかだ。これなら騎士と言われても納得するだろう。ここで俺とミトにその笑顔を浮かべながら声を掛けてきた。
「良かったら君達も攻略会議に来ないか?先ほどの戦闘を見ればかなりの実力があるんだろうしどうかな?」
こんなの決まってる。
「「当然参加だ(よ)」」
ミトは自身の力を求めてゲームをクリアするために戦う。そんなミトを放っておいて参加しないなどありえるはずもない。
「それじゃあ3日後トールバーナで会おう」
ディアベルとそのパーティと別れる。そろそろ攻略会議か気合いを入れないとな。だが、俺達は知らなかった。ここのモンスターが重大なヒントを与えていたと言うことを・・・
リュフィオールのこと覚えてる人どのくらいいるのだろうか。
こいつは原作の第二層でネズハの武器強化頼んで失敗した人です。