ソードアート・オンライン 英雄達のレクイエム 作:オトマトペ
ハ、ハイ・・・
「今年は私の誕生日発表されたわよね?」
8月3日だよね?忘れるわけない。
「それじゃあ、この小説はなんで誕生日に送ってくれなかったんだ?」
た、タキさん!?すみません忙しk・・・
「FGO」
何故それを!?
「Xであげてたじゃねえか」
あの・・・許してk
「「問答無用!!」」
ぎゃああああああああああ!!!
「と言うわけで英雄達のレクイエム」
「再会だ。ぜひ読んでってくれよ」
*このままでは物語的に矛盾が生じると考え一部変更を行いました。誠に申し訳ありません。
ミトと共に会議場に向かう。攻略会議の会場に行くとそこにはワンレイドには満たないがそれに近い人数が集まっていた。
「意外に少ないわね」
「命を賭けようとする奴は少ないがそれでも最前線に出る奴は命知らずか英雄か・・・どっちだろうな」
無意識下の言葉が俺には深く根付く。命知らずか英雄・・・俺はどう見積もっても命知らずの方だ。俺にはそこまでの実力などないのだから。しかし,俺達は遅くに来ていたからか最後列に座るしかないだろう。こうして、俺達が後ろの方に座る。そして全体の顔ぶれを見渡してみれば俺が座っているところの反対側にはキリトとフードを被ったプレイヤーがいた。声をかけようとすると同時で誰かがパァンと手を鳴らす。
「はーい!それじゃあ始めさせてもらいます。今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう。俺はディアベル。職業は気持ち的にナイトやってます!」
ディアベルがついに声をかけて会議が始まる。開口一番のディアベルの冗談にプレイヤー達は笑う。迷宮区で会った時も言ってたし彼自身のロールプレイなのだろう。ミトもベータ時代ロールプレイをしながら攻略していたがデスゲームになってからは、髪色と目をアバターのものにしているがディアベルも染めたうえでロールプレイもしてるから筋金入りだろう。男の人達は拍手や口笛を吹き軽く野次を飛ばす。ディアベルは笑いを鎮め、真面目な顔になる。
「今日俺達のパーティーがあの塔の最上階でボスの部屋を発見した!」
ディアベルの言葉にプレイヤー達はざわめく。ディアベルは言葉を続ける。
「俺達はボスを倒し、第2層に到達してこのデスゲームを・・・いつかきっとクリアできる事をはじまりの街で待っているみんなに伝えなければならない!それが、今この場所にいる俺達の義務なんだ!そうだろ、みんな!」
ディアベルの演説は耳に残るくらい上手いものだ。これはあいつのリーダーシップがあるからこそできるものだ。さながら英雄のように見せるやり方は流石と言う他ない。現にプレイヤー達もディアベルの呼びかけに拍手し檄を飛ばす。
「それじゃあ、早速だけどこれから攻略会議を始めたいと思う!・・・まずは6人のパーティーを組んでみてくれ!」
6人のパーティーか・・・これは前の人達は元々組んでたっぽいから無理か。これは余ったやつと組むしかないかと思って立ち上がりミトと少し離れたその時だった。
「あの、良かったらパーティーを組みませんか!」
「ぜひ、俺のパーティーに!」
「いや、俺のとこだ!」
なんとミトが囲まれてしまった。一瞬でミトに集まる男達。男女比が悪い中こうなる可能性はあったとおもうがこれほどとは・・・
「ミト。別の奴の所に行くぞ。そいつらは5人だし、一緒に組めねえ」
「おい、あんた!その子と組むのは・・・」
「そうね。タキと組めなくなったら本末転倒だしね。なので、ごめんなさい」
「え、ちょっと・・・」
こうなったら最悪2人だけも覚悟かと考えていた。しかし、1人の初老の男が声を上げる。
「よろしければ私達と組んで来れませんか?貴方達は見たところコンビのようですし」
「いいわよ。私も組んでくれてる人探してたし。4人だからちょうどいいし」
ミトがパーティーの誘いを受けた。相手は4人パーティー。必然的にパーティーの重要さも人数が多い方が上がるだろう。俺がパーティーに顔を向ける。リーダーと思われるプレイヤーを除いてパーティーのメンバーはあからさまに恐怖するが、仕方がない。
「あの・・・こちらの方は?」
「私はミト。そしてこっちが・・・」
「タキだ。ボス戦はよろしく頼む」
こういう時は自然な笑顔を出せればいいんだが、残念ながら俺はそれをすると怖がられる気があるから困ったがミトのお陰でパーティーに入れたのは大きい。ミトが少し言い方が気になるのか膨れながら言う。しかし、相手は愚か声をかけた男たちにとってはある問題があった。
「嘘だろ!」「俺の恋が〜」「チャンスだと思ったのに・・・」
彼等の落ち込み様はかなり大きかった。ミトをソロだと思いどうやらチャンスと思って声をかけて来たらしい。SAOの男女比は圧倒的に女子が少ない。見た感じこの場で女子はミト一人だからな。まあ、大切な彼女に色目使われるのは嫌だが。
「まあ、そこまでにしましょう。初のボス戦ですし気を緩めないようにしませんと危ないですからね。」
「オコさんは余裕だな」
「奥さんがいるじゃねえか。余裕があるに決まってんだろ」
「まったくお恥ずかしい・・・あ、申し遅れました。私はこういうものです」
リーダーのプレイヤーがパーティ申請を送る。名前は・・・オコタン?珍しい名前だ。
「オコタンであってるからしら?」
「はい。よく言われますけど珍しいでしょうか?」
「まあな。いまいちつけた理由はピンとこねえ」
だが、こうしてリーダーとして引っ張って来てるのを見るに実力は高いだろう。皆の気を引き締めたタイミングでディアベルが号令をかける。
「・・・よしっそろそろ組み終わったかな。じゃあ「ちょい待たんかい!ナイトはん!」っ!」
ディアベルが話しを続けようとした時、一人の男が声を上げて立ち上がった。その男は顎髭を生やし目は鋭く頭はサボテンのようになっていた。
「ワイはキバオウってもんや! ボスと戦う前に、言わせてもらいたいことがある! こん中に、今まで死んでった2000人に、詫び入れなアカン奴らがおる筈や!」
キバオウは怒りを剥ぎ出しにして叫ぶ。その相手というものには心当たりがある。
「・・・キバオウさん、君の言う人達というのはつまり、元ベータテスターのこと、かな?」
「決まっとるやないかい! ベータ上がり共はこのクソゲーが始まったその日にビギナー見捨てて消えよった! 奴らは美味いクエストや狩場で自分らだけぽんぽん強なって、その後はずっと知らんぷりや! こん中にもおる筈やで! ソイツらに溜め込んだコルやアイテムを吐き出して貰わな、パーティーメンバーとして命は預けられへんし、預かられへん!」
キバオウが言っていることはある程度当たっている。現に俺もミトを優先して他のプレイヤーを置き去りにしていった。挙げ句の果てには殺気を軽くとはいえ剥き出しにしてしまったのだ。責められるのも無理はない。だが・・・
「ちょっと待てよ・・・」
「え?タキ?」
俺は知っている。ミトやアルゴ、キリトの覚悟を・・・俺みたいな利己的じゃねえ奴もいることを。なら、俺の身一つなど軽すぎる。俺は立ち上がりステージに向かって降りていく。その途中にも集団がいたがそれを宙返りしつつ飛び越える。周りは歓声を上げるがそれを無視しつつ着地する。
「誰やおどれは!」
キバオウが怒りの目を向ける。俺はそれに怯まず舞台に向かっていった。キバオウは俺の顔を見て少し驚くがすぐに怒りの表情に戻る。
「俺はタキだ。あんたは・・・死んだのが全部ベータテスター所為だと思ってるのか?」
「当たり前やろが!」
俺の質問にキバオウは当然のことように答える。ギャラリーもキバオウの意見に半ば賛同する。キバオウの言葉は一部のベータテスターに当てはまる。だが全員がそうではない。俺みたいに利己的行動出た奴ならまだしビギナーを指導してきた奴もいるはずだ。そいつまでいなくなって仕舞えば、このゲームの攻略は遅れることは間違いないだろう。
「庇うつもりはない。だが少なくともここにいるのはベータテスターとかビギナーとか関係なくここまで生き残っていた奴らだ。今からボス戦だというのに、お前みたいな奴がレイドの指揮を下げてどうするつもりだ?」
俺の言うことにキバオウは納得いかないという風に必死に言葉を紡ぐ。
「やけどビギナー達が沢山死んだのは本当や!それに対してはどうするつもりや!」
「ベータテスター達は軍人じゃねえぜ。そうしなきゃならん義務もねえよ。それに・・・」
俺はそこでギャラリーを見渡す。彼らも未だに納得はいかねえだろう。なら、俺はこう叫ぶ。
「
ギャラリーは水を打ったかの様に静かになる。彼らは何も喋らなかった。キバオウは止まらなかった。
「おどれ・・・死んでった奴らは仕方ないいうんか!」
「本音を言うなら死んで欲しくはなかった。だが、人が救える人数は限られてる。全員が全員を助けられるわけじゃない。なら俺は少しでも多くを生かす」
キバオウは何も反論できず、唇を噛み締める。本人だって分かっているのだろう。だが、彼はそれを認めたくはないのだろう。
「発言いいか?」
一人の男が声を上げこちらに近づいてくる。その男の肌は俺と同じく浅黒くスキンヘッドの強面だ。その体は巨体で引き締まっている。
「俺はエギル。キバオウさん・・・アンタはベータテスター達に今までの事を詫び損害の賠償を請求するという事か?」
「そうや!ベータテスター達が置いて行かんかったらビギナー達が大勢死ぬ事はなかったんや」
キバオウ自身はまだそう言うがエギルは落ち着き払って懐から一冊の本を取り出した。
「これがなにか分かるか?今は道具屋でただで置かれている物だ。ここにはモブの沸きやアイテムの詳細が載っている」
「それがなんや?」
「おかしいと思わないか?情報がこんなに早く出回ってるのは」
「何が言いたいんや!」
「これを作ったのはベータテスター以外あり得ないという事だ。俺はここはボスの対策が議論されると思っていたのだがな」
エギルの言う通りこの場において重要なのはベータテスターとビギナーの関係ではなく、ボスの対策が必要だ。ベータテスターとビギナーの関係は後でいくらでも話せる。ここでディアベルがキバオウを宥める。
「キバオウさん・・・貴方が言いたいことはよく分かる。俺も死にそうになりながらもここまで来たんだからな。でも俺はベータテスター達が力を貸してくれるのは心強いと思うんだ。どうか飲み込んでくれないか?」
ディアベルの頼みにキバオウは何も言えなくなった。キバオウは一瞬瞠目し息を吐くと、席に戻ろうとする。しかし、途中でこちらを振り返り、俺達に告げる。
「言うとくが、この場だけやぞ!次は白黒つけさせてもらうで!」
「ああ。生き残れればな」
キバオウは自分の元居た場所に戻った。俺も戻ろうとするがエギルが声を掛ける。
「タキだったな・・・まだ若いのにこの場で発言したのはすごかったな」
「そうか。わざわざすまねぇな。助けてもらって・・・」
「俺は自分の言いたいことを言っただけだ。だから気にするな・・・同じ人種のよしみだ」
エギルはその体躯でありながらある意味優雅に元の場所に戻るので、俺もミトの隣に戻ると詰め寄ってきた。
「もう・・・ハラハラしたんだからね」
「あんなところでヘマするかよ。ここで変な士気を下げるよりかはマシだ」
しかし、結局は問題の先送りだ。ベータテスター達も人間である以上は自分の命が大事な奴が多い。それは褒められることではないかもしれないがある意味そいつらは仕方がない。自分の身の安全が保証されてないにも関わらず人助けはよほどのお人よしでもない限りできないだろう。
「やっぱり許せねえな。この現状は」
「貴方が吊し上げられなかったらよかったけどもうやめてね」
「すまなかった・・・次から気をつける」
「お願いね」
しばらくはベータテスターに対する意見をする時は注意しないとな。その後会議はボスである《イルファング・ザ・コボルトロード》の対策をアルゴの攻略本で確認していった。攻略本の情報はベータテストとあまり、変わらないようだ。
「最後にアイテム分配についてだが、金は全員で自動均等割り、経験値はモンスターを倒したパーティーのもの、アイテムはゲットした人の者とする!異存はないかな?」
ディアベルの意見に反対する者はいない。ディアベルの言っていることはこのゲームのシステム的には恐らく最適解だろう。SAOの経験値や金はある程度自由が聞くが、アイテムは誰にドロップするかがわからない。なら、いっそのことゲットした人の物なら後にアイテムを交換することも可能だからだ。
「よしなら、明日10時にここに集合とする!それでは解散!」
ディアベルの号令によってプレイヤー達はバラバラに分かれた。
「それじゃあ、明日に備えて連携の確認をしませんか?私達は今日出会ったばっかりですし・・・」
「「「賛成!」」」
オコタンの呼びかけにパーティーメンバーが賛成し、連携の確認を取ることになった。俺はふと上を見上げるとそこには・・・
「キリ、ト・・・?」
キリトと外套のフードを深く被っているプレイヤーが見ていた。その背格好からは俺と同年代であることしか判別はできない。プレイヤーは俺が見ているのにきづいたのか、すぐに走り出した。それを見たキリトが慌てて追う。
「ねえ?どうし・・・嘘でしょ・・・」
「ミト?」
「待って!」
「あ!?おい!」
ミトは突然走り出すとキリト達を追って行った。ったくどうするんだよ。
「あの?彼女は?」
「オコタン。とりあえず申請は送っとくから受諾しといてくれ。すぐに追う。だから先に行っててくれ」
「わかりました。先に若人同士の問題は解決しておいてくださいね」
俺はサムズアップしながら三人を追う。確かにいつかは会わせようと思っていたがここで会うとは思ってなかったぞ。すでに前線に出れるくらいに持ち直したかあるいはヤケクソになっているのかは分からないが少々面倒になるかもな。俺は二人を追いかけ、この広場を出た。