ソードアート・オンライン 英雄達のレクイエム 作:オトマトペ
楽しんで読んでくれると嬉しいと思ってます。
リアルでは研究室配属が始まる時期なんだよなぁ・・・
んでもって遅れたけど・・・SAOFD配信おめでとう!!!!!
どうして・・・・・
私の心は困惑一色になってしまった。目の前にでかい恐竜型のモンスター。ミトが来るまでは逃げ回って時間を稼ぐことを考えていた。だが、
『Mitoがパーティーを離脱しました。』
この一文から私の中の勇気、希望が消えてしまった。私はあの時の片手剣使い・・・キリト君に助けられた。彼は一旦は去ろうとしたが、すぐに戻り一緒に来ないかと誘ってくれた。その顔には打算も何もない。彼に私は希望を見出した。いや、見出してしまった。私はキリト君に攻略会議と呼ばれる場所に参加した。私に何ができるかは分からない・・・でも、このまま何も残せず終わってしまえば私の命に意義はあったのだろうか?それを確かめるために来たのだ。でも・・・そこで私は見てしまった。
「あの、良かったらパーティーを組みませんか!」
「ぜひ、俺のパーティーに!」
「いや、俺のとこだ!」
ミトは多くの人から頼られる存在であることを。私は彼女にとってはただ頼られる人の内であったこと。そして・・
「もう・・・ハラハラしたんだからね」
ミトが男の人に心配しているのを。また、その男の人と一緒にいる時に浮かべる笑顔を。その笑顔は私に向けられた物より輝いて見えた。結局、私はその程度の価値しかなかったのだろうか・・・アルゴさんの言っていた特徴から多分彼がタキなのだろう。彼の容姿は良くも悪くも人を惹きつける。銀髪も浅黒い肌も青い目もあり一見外国人だがエギルと呼ばれた人の様には見えず顔立ちは日本人の雰囲気が見えた。その時タキがこちらに目を向けた。その目は私を見ていた。その時、私は負の感情が爆発しそうになり、その場から逃げた。
「・・て・・・待てって!」
いっしょにここまで来たキリト君が呼び止めた事で私は我に帰った。でも、キリト君は他の人パーティーを組もうとした時タキに目線が向かっていた。つまりは・・・
「貴方は最初から仕組んでいたのね。ミトが誰と組んでいるのか知っていたんでしょ」
「・・・ああ」
「じゃあなんで!私達と組ませようとしたの!まさかあのまま行けば組めるとでも思ってたの!貴方は私の気持ちをまるで理解してな「アスナ!」っ!?」
嘘・・・なんで・・・なんで私のことを追ってくるの!
「アスナ・・・私は「もう来ないでよ!」っ!?」
思わず声を上げてしまった。ダメ・・・これ以上は・・・
「なんで見捨てた私に構うの!私のこと見殺して貴方は自分の目的を果たして!」
「アスナ!違うの!」
「何が違うの!タキって人と二人になりたいなら言って欲しかった!言ってくれたら離れたのに・・・」
「ちがう」
後ろから一人の少年・・・タキが声を掛けてきた。
「何が違うの!2人は現にいっしょにいるじゃない!」
駄目だ。これ以上彼の言葉を聞いてたら、心の中で抑えてたものが飛び出してしまう。
「ミトはそんな自分本位じゃねえ」
「え?」
「俺嬉しかったんだ。向こうであんたのことをミトからたくさん聞いた。ミトはあんたの話をする時すごい輝いた顔で話してた・・・これは俺には出来なかったことだ」
「でも、私はただの友達で・・・」
「アスナ、違うの・・・私にとって貴方はただの友達じゃない。大切な親友だったの」
ミトは俯きながらもそう言う。彼女の顔を見ればそれは演技とは思えなかった。でも・・・
「じゃあ・・・なんでミトは私を見捨てたの・・・レアアイテムを手に入れたから・・・その人と会ったから・・・私の価値ってそんなものなの!」
私の叫び声にタキは顔を強張らせミトとキリト君は呆然とする。言って仕舞えば止まらなかった。ミトは私を見捨てても一緒にいる人がいる。それに比べて私はどう・・・あの時キリト君がいなければ結局私は1人ぼっちだ。タキ君は何かを察したのか近づいてくる。私は怯み何も言えなかった。
「ミトがお前の事をなんとも思ってないと言いたいのか?」
「そうよ!じゃなかったら私を見捨ててなんて行かない」
「あいつはお前のことを悔やんでたぞ」
ウソよ・・・ウソよ!
「お前が死んだと思って自分を責めていたし、自殺紛いの事もしようとしていた。それほどまでに追い詰められてた」
「じゃあなんで、レアアイテムを取りに・・・」
「待ってくれ」
今まだ口を開かなかったキリト君が口を開いて私に聞いてくる。
「彼女が取りに行こうとしたモンスターってどんなモンスターなんだ?」
「赤いネズミでフードを被っているの。確かとてつもなく早かった」
「そっちもそれで合ってるか?」
「そうよ。名前は《スプリー・シュルーマン》」
それを聞いたキリト君は納得したような顔になる。まさか、キリト君もレアアイテムのためなら・・・キリト君は私の肩を掴み私の目を見る。その瞳は黒の奥に金色の炎が宿ってるように見えた。
「SAOは、普通のゲームじゃない、命がかかっている」
「・・・・」
「ましてや戦いの最中、本当に生死に関わる極限状態では、自分が生き残るためにどんな行動だって取るだろう・・・でも、そんな状況で現れるのが人間の本性だとは限らない。何気ない普段の姿こそ、その人の真実なんじゃないか?・・・俺はそう思う。βテスターかどうかは問題じゃ無い、彼女がどんな人間なのか、それは君が知っている筈だ」
何気ない普段の姿・・・学校の屋上でゲームをした時、学校からの帰り道で寄道した時、休日に出掛けた時・・・そして、SAOの色んな知識を教えた時。その時のミトに嘘なんてなかったように見える。分からない・・・
どの姿が本当のミトなのかわからなくなってしまった。
「とりあえず話はボス戦後だ。俺達もこの後パーティーに合流しねえといけねえ。それにじっくり話した方がいいだろう」
「でも・・・」
「今は時間が足りない。それに、一朝一夕でどうにかなる問題じゃねえのは確実だろ?」
「わかった・・・アスナ、ボス戦後に話があるの。その時までは生きて・・・」
タキは別れを告げてミトを連れていった。彼とキリト君の2人の言葉が頭に残って離れなかった。
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まさかミトの親友に会うとは思わなかったな。ただアイツはミトの事を恨んでいたのだろうか・・・それは俺にもわからない。俺達はパーティーのもとにもどり連携を確認した。彼らとの連携を確認した後ミトとじぶんの部屋に戻っていた。
「ボス戦が終わったら本当に行くの?」
「ああ。いずれは精算しなきゃならねえのはわかってはいるだろ?」
「それはそうだけど・・・アスナは私の話を聞いてくれるのかも分からないのよ」
ミトは及び腰になるのも分かるがあいつ自身はどう思っているかはわからない。この2人の仲の結末は分からないのだから。このゲームが始まり早二ヶ月、その間に犠牲者は2000人にも及んだが明日の結果次第では、ここから脱出することすら叶わないだろう。そう思いながら夕食を食べている。ここの農家は猟師の夫と養蜂を行う妻のNPCが一緒に住んでいる。そんな農家で出てくるのは当然狩猟で取った肉と蜂蜜を使った料理だ。
「さすがね。この蜂蜜ベータの時より美味しくなってない?」
「言えてるな。こっちの肉も歯応えが上がってやがるし肉汁もしっかり溢れてやがる」
この農家の貸し部屋は風呂付きで朝晩の食事付き(といっても蜂蜜パンとスープに狩猟で取れたと言う肉いうささやかなものだが)でお代は普通の宿屋に泊まるより安く泊まることができる。俺達はここか牛を飼っている農家の部屋にするか悩んだが牛を飼っている農家の方はキリトが取ってしまったのでこちらを借りたのだ。ミトは先に夕食を食べ終わり立ち上がり俺の隣に座った。その手は小刻みに震えていた。
「ねえ、タキ。私怖いんだ。もしこのままこの部屋にずっと入れたら・・・ボス戦もアスナも怖いことは忘れられるんじゃないかって」
「・・・そうか」
「タキは怖くないの?」
「恐怖がないわけじゃねえ。でもそれ以上にここで止まるのだけは俺自身が許さないだけだ」
「強いわね。私はそうは考えられない」
「一緒の思考になる必要はない。俺達は2人揃ってだろ。別々の視点だからこそ感じるものがあるんだ」
ミトは少し黙り込む。俺はその様子をみながら残っていた料理を平らげる。ミトはそれを見て俺の腕を掴み風呂場を指差した。
「一緒にお風呂入らない?」
「ああ。入るか。」
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私は明日生き残れるのかな・・・シャワーを浴びながら私は考える。明日の第一層のボス戦はベータテストの時はもちろん参加した。だが、《イルファング・ザ・コボルドロード》を倒すのにはかなりの時間がかかった。何度も死に戻りを繰り返しやっとクリアした時も参加したプレイヤーの半数以上がその場にはいなかったのだ。しかも今回はベータテストと違い死者を0に抑えなければならない。その難しさはベータテストの比ではない。
「ねえ、タキ?明日のボス戦なんだけどこのまま終わると思う?」
「このまま終わるならそれはいいだろう。だが、俺の中だとまだ何かあると考えちまう」
タキは今湯船に浸かっており私の方を見ないように後ろを向いていた。これはまだ私なりに恥じらいがある。だから、少し待っていて欲しかった。
私はシャワーを浴び終わり浴槽に近づきタキは体ごと振り返りこちらを見る。タキの表情を見れば私には分かる。タキもきっと見張れてるって。
「やっぱり、ミトは綺麗だ」
「そう?また現実で一緒に入る時に幻滅されたくないからね」
「そんな簡単に幻滅はしねぇよ」
こういう言葉をさらりと言ってくれるのは嬉しいな。タキの前にすっぽり入るようにつまり、タキがバックハグ出来るような体勢で湯船につかる。親と一緒に悩みが一瞬で彼方に追いやられていく。タキにもたれかかると彼が生きてるって実感した。
「私達は明日生き残れるのかな?」
「それは・・・俺にはわからない。俺達のどっちか、あるいは両方が死ぬ可能性だってある。そう簡単に生き残れるってわからないからな」
タキの言いたいことははっきりと分かる。明日で私達は永遠の別れになるのかもしれない。そう思うと怖くなってくる。タキにもアスナにももう会うことが出来ないと考えるだけでも怖くなる。あの反応を見る限りアスナは私の事は殺したいほど恨んでいるだろうと考えてしまう。絶対守るって言ったのに見捨てた私の事を
「ミト。ボス戦もそうだがお前のダチについてもだが大丈夫か?」
「まずは謝るつもり」
「そうか」
「アスナがもし怒るなら、私はその怒りを受け止める。たとえそれが殺されるとしても」
その言葉を口にすると同時にあの夢の事を思い出した。アスナはあの夢と同じようにネペント達に食われてるかもしれない。そのことを想像するだけで怖くなった。その時タキは私の体の前に腕を回し抱き寄せてきた。
「え?」
「大丈夫だ。お前の友達のこと信じてやれよ。それにお前が殺されるのなんざぜってぇ止めるからな」
「・・・うん」
タキの腕は震えていた。私が傷つくことにタキは心の内では怖いんだと思う。でも、私はタキが傷つくのも嫌だ。だから、2人で支えあって行きたい。
「ん・・・」
私は頭を振り向かせてタキの唇に自分の唇を合わせる。タキはそれを受け入れる。角度も変えて、絡めて、長くキスをする。そして離すと銀色の糸が繋がり切れていった。
「覚えてる?あの日のこと」
「ああ。今でもはっきりと覚えてる」
♪$°
あれは雅樹が中学に上がった直後だった。あの出会いからずっと私達は公園でゲームをしていた。格闘ゲームやアクションゲームなど様々な分野で対戦しお互いに勝ち越すために躍起になっていたわね。その日も私は楽しみにしつつ公園に着いた。私はいつも雅樹が公園のベンチでプレイしている姿が私は・・・好きだった。もうふとした瞬間に溢れちゃいそうなくらいよ。でも、この想いは心に止めておかなきゃ行けない。私は胸がズキっと痛めながらも雅樹に近づいた。
「お待たせ!遅くなっちゃった!」
「大丈夫だ。今来たところだ」
私は当然のようにベンチで隣に座る。少しくらい近づくのもいいよね。私は肩口に持たれる。雅樹はそれに慣れたように視線を向ける。
「今日は何やる?」
「そうだな・・・今日は久々に格ゲーでもやるか?」
「いいわよ。今回こそ勝ち越してやるわ」
「フッやれるものならやってみろ」
それから格ゲーで連戦していた時だった。
ポチャン・・・
「ん?」
「雨?」
その瞬間一気に豪雨となり私達は一瞬で濡れ鼠になった。このままじゃ風邪引いちゃうわね。
「うわ・・・もうビチャビチャ・・・」
「どっかに雨宿りしないと風邪ひくしゲームも壊れるぞ」
その時、私は雅樹の方を見て顔を赤らめたわね。雅樹はその日シンプルな白のTシャツを着ててそれが雨に打たれて体にへばりついたことで、雅樹の胸板が浮き出ていた。その姿は私にとっては目の毒だった。それと同時に私は普段は絶対しないであろう誘いをかけた。いや、
「ならさ、うちよってかない?」
「ただいま・・・」
「お邪魔します」
私は初めて自分の家に男の子を入れた。当然ながら夫婦仲が冷えている両親は今日も夜遅いのだろう。だから、雨が止むまでは家にいてもらおうかしら。雅樹には自分の部屋に入ってもらう。
「好きにしてていいわよ」
「すまねえな。しかし、綺麗な部屋だな」
「当たり前じゃない。部屋が汚いと困るの私だし気分的に落ちるからね,あ、風邪ひくかもしれないからお風呂沸かすね」
「ああいや、そこまでは・・・」
「沸かすからね」
「アッハイ」
「ついでに服も洗濯して乾燥させるからね」
有無を言わなせずにお湯を沸かせる。その間タオルを体をいてもらう。
「タオルありがとな。先に入ってくれ。俺は後でいいから」
「わかった。私もすぐ出るからちょっと待っててね」
私は雅樹にお礼を言って風呂の準備をする。髪をほどき、濡れてしまった服を洗濯ネットに入れて放り込む。そして、私はお風呂場に入って、沸いた湯船に使った。
「やばい・・・側から見たら私はとんでもないわね」
思春期真っ盛りの男の子を家に上げたのだ。いくら優しい雅樹と言えども恥ずかしい部分がある。今鏡を見たらもう真っ赤でしょうね。
「恥ずかしいけど・・・だからといってそんなに長い間入るわけには行かないから出ないとね」
私は湯船から上がり、ルームウェアを着て髪を乾かし自分の部屋に戻った。その時雅樹は少し俯きながら佇んでいた。
「どうしたの?」
今まだ見たことのない雅樹に私は戸惑う。だが、次の言葉で私の頭は真っ白になる。
「なあ、お前の両親はいつもお前を夜遅くまで1人にしてるのか?」
「え・・・まさか・・・」
私はスマホの通知を見て一瞬で顔を強張らせる。その顔を見れば結果は火を見るより明らかだ。メッセージには『いつものように泊まり込みになります。何かあったら父さんに連絡して。』『すまないが今日は帰れない。何かあったら母さんに連絡しろよ』と書いてあった。お互いが私の事を押し付けあっているいつもと変わらない会話。だけど、彼には何も話してなかったのだ。
「そうよ。でも、私は寂しくなんかないよ。だってゲームさえあれば私はそれでもいいと思ってるから」
私は嘘を着いた。自分は可哀想だと好きな人から思われるのは嫌だった。強くないと雅樹と一緒にいる資格があるかも分からないから。でも、雅樹は優しい笑みを浮かべる。
「深澄・・・ちがうんだろ」
「何言ってるの?」
「本当は親にいて欲しいんじゃないのか?」
痛いとこ着いてくるわな。でも、演じなきゃ・・・私は強い女の子なんだって私はすぐに表情を変える。
「そんな訳ないじゃない。あの人達はお互いに顔を突き合わせるのも嫌がるし。私には物だけ与えていればいいと考えてる人達は別にいなくてもいい」
「嘘つくなよ」
「嘘なんかついてない。」
「じゃあなんでそんな顔するんだ。なんで今にも泣きそうなんだ」
やめてよ・・・これ以上私の嘘を見破らないで、このまま騙されて欲しかった。
「同情なんかしないで!今までずっとこうやって生きてきたのよ!」
そこにいたのは強い女の子ではなかった。いるのはただ孤独で無力な少女だった。
「同情じゃない。この際はっきり言ってやる。お前は愛が欲しいんじゃないのか」
なんで、この人は私の心の根底を突いてくるの。そんなこと言われたら、私は・・・気づけば私は雅樹を自分のベッドに押し倒していた。雅樹は少し驚いた顔をする。
「深澄・・・」
「欲しいよ!私を見てほしい!私を愛して欲しい!今まで家族からは抱きしめられることどころか触れられたこともない!貴方と会ってからこの家の寂しさがさらに感じて・・・誰から愛されない気持ちが貴方にわかる?」
私が流した大粒の涙は私の視界をぼやけさせる。今の私の顔はもうぐちゃぐちゃで見せられたものじゃない。ただそれでも・・・私は雅樹の体温が心地よかったのだ。
「わからねえよ。それはお前の受けた痛みだ。それをそっくりそのまま分かることはできない」
雅樹は隠していた額の、着ていたシャツの首元をを掴み胸をはだけさせて胸元にある傷を見せた。その傷は深く痛々しかった。
「その傷・・・一体何処で?」
「これは罪だよ。ただ何年も何年も積み上げた俺自身の罪だ。お前に分かるかこの気持ちが」
雅樹の言葉に私はわかってしまった。人それぞれの痛みは寄り添うことは出来ても、完全に同じ痛みを味わうのは難しいことを。そう思うと私は自分の行動が恥ずかしくなった。これが理由で雅樹が離れてしまったらと思うと怖くなってしまった。
「・・・ごめん。私が勝手だった。でも、怖いの・・・雅樹が前の友達と同じようにいつかいなくなっちゃうんじゃないかって」
「いなくならねえよ。だって俺はお前の事を・・・」
「ならお願いがあるの」
私は唇を雅樹の唇に重ねた。その感触は俺には冷たく冷え切っているようひ見えるが実際は違う。私は着ていたルームウェアを脱ぎシャツになる。そこからは自分でも止まらなかった。シャツも脱いで上は下着をつけただけになる。
「貴方の全てが欲しい。熱も体も魂も全部。お願い・・・」
気づいたらまた唇を重ねていた。その感触は酷く官能的で脳にじわっと染み付くようだった。雅樹は私を抱きしめるり
「もう離さない。絶対に離さない。もう何処にも行かせない。俺ともう離れられないくらいにな。・・・だから俺にもお前の全てを寄越せ」
「うん・・・うん!」
また私達は唇を合わせる。そして・・・
♪$°
「そうか、あれからもう一年は経ったのか」
「早いものね」
思い出に浸りながら風呂を出た私とタキは昔を思い出していた。あの時から少ししか経っていないけど、私達は遠くまで来たんだと感じてしまう。もう現実世界には私達の居場所などないのかとしれない。それでも・・・
「帰らなくちゃね。向こうでタキと・・・雅樹と色んなところへ行って一緒に生きていくんだから」
「ああ・・・」
私は雅樹の顔を見る。私達はお互いの唇を重ねた。長い間私たちは離れなかった。そしてベッドにお互いが倒れ伏す。お互いの顔を見合わせる。
「明日は絶対生き残るぞ。深澄と一緒にな」
「私も絶対生き残るわ。雅樹と一緒に・・・」
私達はベッドの中でお互いの熱を感じながら眠りについた。
☆¥%
夢を見る
俺は荒野に立っていた
空は赤銅色の雲
見渡す限り荒野に果てはない
だが・・・それでも俺は歩き続ける
ヌチャリ・・・
下を見れば1人の男が倒れている。腹からは大量の出血で致命傷。だが、その目はこちらを見ている
だが、それでも前に進む
だがまた人が倒れる
今度は女で首と胴体が分たれている
だが、その目もこちらを見ている
だが、それでも進む
進む
死体を見る
進む
死体を見る
死体、死体、死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体・・・・そこに生命と言うものなど存在していなかった
あるのは死体か・・・ただ進み続けるだけの木偶だ
視線の先に立つのは少女だった
銀の髪とサファイアの眼の少女だ
少女はひどく醜い笑みを浮かべる
後ろからは何人もの腕が俺を深みに沈めていく
そこは何もない
無の空間
ああ・・・俺はもう逃れられない