影武者転生異常あり!~俺は悪役令嬢の影武者なんだ…誰が何と言おうが影武者なんだ!だから脇役でいさせろや! 作:三流二式
プロローグ 『リスタート・ニュー・デイズ』
Next Game.
『混沌の巫女と混沌の従者』
Are you ready?
・Yes
→・No
Are you ready?
・Yes
・Yes
→・No
Are you ready?
・Yes →・No
・Yes
・Yes
Are you ready?
・Yes ・Yes →・No
・Yes ・Yes
・Yes ・Yes
Are you ready?
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・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
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・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
・Yes ・Yes ・Yes ・Yes ・Yes
→・ Fuck You
OK.
Next Game.
『混沌の巫女と混沌の従者』
Ready?
→・ Fuck You
→・ Holy Shit
→・ Son of a bitch
GO!
→・ Fuck!!!
■
昔から良く見る夢があるの。
気が付くと無限の色彩が広がる空間の中にいて、私は沸騰する不定形の何かを見下ろしているの。
不定形の物体は常に増殖と分裂を繰り返していて、かと思えばまた一つに集合し、収縮し、また分裂と増殖を繰り返す。繰り返し。永遠に。何度も何度も。
怖ろしくて悍ましくて、でもどこか神秘的で目が離せないもの。
不定形のものの周りにはたくさんの影がいて、その姿かたちは千差万別。鱗を持つモノ。渦巻角を持つモノ。沢山の腕を持つモノ。山のような巨体を持つモノ―――。
とにかくたくさんの影たちが、不定形の何かを中心に輪になって、太鼓や笛を吹きならしながら、踊っている。
今まで聞いてきたどんな曲とも違う、知らない旋律。見た事も無い踊り。それなのに、どこか懐かしい感じがする。初めて聞いたはずなのに、どこか既視感があるの。
影が打ち鳴らす野蛮な太鼓。ガラス窓越しのようにどこかくぐもって聞こえる、金切り声の様なフルートの音色。
それはきっと、本来ならば不愉快なもののはずなのだと思う。普通の人が聞いたら、おかしくなってしまうという確信が、私にはあった。
そんな、『不愉快な曲』に耳を澄ませて聞き入っていると、決まってそのタイミングで、中心の不定形なモノが何か言葉を発している事に気が付くの。
ごにょごにょと、不明瞭で、無限に捲し立てられる言葉の羅列。きっとそこに意味など無いとは分かっている。それなのに、聞き耳を立ててしまう事を止められない。
そして、私はどんどん不定形なモノへと近づいて行く。光に吸い寄せられる、蛾のように。ふらふら、ふらふらと。踊り狂う影たちの合間を縫って。誰も私を咎めない。止める者はいない。
でも、何時も後一歩という所で、肩に手がかかる。
振り返ると、そこにいるのは影と同じように不明瞭な、
悪魔は何も言わず、ただ黙って、私の前に立っている。顔は朧で、どんな表情をしているのかは分からないのだけれども。
それでも、どこか微笑んでいるように思えるのは、私の願望なのかな?
さっきまで無我夢中で近づこうとしていた不定形なモノへの執着は、すでに雲散していた。代わりに、何が何でもあの悪魔に触れようとして手を伸ばすのだけれど、そこで夢は唐突に覚め、私は現実に引き戻される。
あの冒涜的で、悍ましい影たちの空間は、しかし私にとっては酷く心地が良かった。そこから唐突に追い出された時の落差は、言葉にする事が出来ない程に、辛く、苦しい。
お父さんとお母さんが行方不明になってしまってから、この不思議な夢を見る頻度が増した。
あの夢は一体どういう意味があるのだろうか? 私の現実逃避的な妄想? それとも、この世界のどこかで、今なお行われている事だったりするのだろうか? それとも過去の出来事? 実は未来で行われている事なのかも?
日に日に増してくる、
何が正しくて、何が間違っているのか? もう何もかもが分からない。
助けて、与一ちゃん……。
助けて……。
たす……
■
フォオオオオオオオオオエバァアアアアアアアアアア!!!
アアアアアアアアアアバカンスッ!!!
4月! 1日から! 沖縄に向けて!
アアアアアアアアアアバカンス!!!
どうもこの日からは学生とかいうカスとか社会人という名の奴隷共が、各々無様に学業やら仕事とかいう奴隷労働に勤しむらしいが、俺さまはというと!
アアアアアアアアアアバカンス!!!
飛行機とかいう無粋極まりない空飛ぶ棺桶ではなく、優雅かつ男らしく雄大な海の上を走る壮観極まりないクルーズ船に! 今! 私は! おるのですよ!!!
「ようオネェチャン、随分機嫌良さそうだな!」
「んん~?」
パラソルの下、ビーチチェアにふんぞり返ってくつろいでいると、ふと横から声が掛けられた。
顔を向けると、小麦色にやけた肌を惜しげもなくさらすタンクトップ姿の恰幅の良い40過ぎくらいのおっちゃんが、良い笑顔でサムズアップしてきた。
「せめてオニイチャンと呼んで欲しいっすね」
「へぇええそりゃまた」
苦笑いを浮かべ、同様に親指を立てた右手を突き出す。おっちゃんは気前よく拳をぶつけてきた。
「お一人かい?」
「まあそんなとこっすね」
ビーチチェアの真横に置いてあったクーラーボックスから缶ビールを二つ取り出し、一つをおっちゃんに投げ渡しながら、俺はにやりと笑ってやった。
「おう気前良いな!」
俺とおっちゃんは缶を合わせ、それから一息に飲み干した。
「カァーッ! 旨い!」
「解放の味だぜ!」
俺たちは互いに目を見合わせ、それから口元についた泡を指さしてはゲラゲラ笑った。
「ヒヒヒ……それにしても開放ね。仕事かい?」
「そんな所っすね。長年にわたってやりたくも無い事させられて、それがようやく終わったんす。このバカンスは自分へのご褒美っすね」
「良いねぇ! それこそが若さだぜ!」
おっちゃんは呵々と笑い、俺の肩をバシバシと叩いて来た。
「ビール御馳走さん。俺はもう行くぜ。良い旅を!」
「おう、あんたもな」
去り行くおっちゃんに手を振り返し、俺は再びビーチチェアに寝そべった。
塩を孕んだ風が、海鳥たちの声を運びながら頬を撫でる。同じようにビーチチェアに寝そべるカップルの甘ったるい会話。風が運んでくる親子の会話。屋台が焼いている旨そうな魚介類の香り。
まるで夢現のような、美しい光景。完全なる開放。ここが
14年もの間離れていた訳だから、多少のごたごたはある事だろうが、それは時間が解決する事だろう。これからまだ何十年もあるのだ。気長にやっていけばいい。
「ふあ……」
そうこうしていたら酷く眠くなってきた。俺は睡魔に抗わずに、そのまま目を閉じた。
心地の良い気候は、ざらついた心を優しく包み込み、俺はたちまちのうちに蕩ける様な闇の中に飲み込まれていった。
ただ、意識を失う直前に、ゴボゴボと、まるで沈み込むような音が聞こえたのは、俺の錯覚だろうか?
考える間もなく、俺は意識を失った。