Alice.Bood.Carnival! 作:名無しのたらこMK
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親友というものは、とても大切だ。
例えば、傘を忘れてしまったときなんかは、傘を貸してくれるかしてくれるだろう。
例えば、職を失ったとき。これでもかというほど安い賃金でも雇ってくれるのかもしれない。
「……私とお前は、いつからそんなに親しい友人になったんだ?」
例えば、親友が女だった場合、口説き落としせば、近親相姦とはまた違った背徳感を得られるのではないだろうか。
「顔馴染み程度だろう……私とお前は。どれだけぶっ飛んだ話をすれば気がすむんだ?」
やれやれ、私と君の仲じゃないか。親友として、甘えさせてくれたっていいじゃないか。
呆れ返った表情をする、少女か淑女か曖昧な年齢の女性に小さく笑いかける。とたんに額に青筋が浮かんだ。おお、怖い。
「私の父が、偶々偶然、おまえの父親と親しかっただけだろうが! いい加減にしろ!」
だん、と机を力強く叩くと、子猫のように私の首根っこを掴んで外に放り投げた。
彼女に人情はないのだろうか? 隣の家に住んでいた親友の首根っこを掴んで放り投げるなんて……正気の沙汰じゃない。
町行く人々の好奇の視線が私を貫く。こっちを見るんじゃない。あっち行け。
外套についた土をはらい、私は雨風凌げる廃屋を探しに出掛けるのであった。
突然の珍入者を排除した私は、大きなため息をはいた。とたんに苦い幼少気の思い出がよみがえる。
小さな村に住んでいた私達は、そこにある協会のシスター達に勉強を教えてもらっていた。
だが、小さいが故の揉め事もあり、最年長である私がいつも事態の沈静化をはかっていた。その中でも最も危険だったのがアイツと、その片割れだ。
やけに大人ぶった態度のアイツと、ねっとりとした瞳が特徴の片割れは、事あるごとに衝突した。
今思えばあのシスターの笑顔に押されずに言い返せばよかったんだ。若き頃の自分の愚かさをいっそ呪ってやりたい。
事態の沈静化ができなければ問答無用の拳骨とお説教。頭が割れるほどの痛みだったのは確かだ。思い出すだけでも頭のてっぺんが痛み出す。
そんな奴が図々しく居候させてくれだの言ってきたんだ。私の判断は正しい……はずだ。
愛用のカップを傾ける。背伸びして買った紅茶は当たりだった。二つの意味でのため息がでる。
だが、私はまだ知らなかった。嵐が過ぎ去ったのではなく。これが嵐の前触れだとは、このときの私は一切気がつかなかった。
……そして、この嵐が、私の破滅の始まりだということも、当然知らなかった。
久しぶりだからかなり鈍った気がする。
……鈍る以前の問題か(笑)